突入開始
2200時
『西側突入班いつでも行けます』
と黄からの無線が入り
『撤退ルート援護準備完了』
と緑からの無線も入る
『南側も準備完了、各班の判断で突入せよ』
『了解』
そうして2箇所からの突入作戦が始まる
まず俺(赤)と黒は音を立てず南側の裏口から突入を開始しようとするが
裏口に振動感知式の警報装置があることに気付き、隣の窓から入ることにする
ただ窓には通常の鍵と磁石式の警報装置があったので窓ガラスにコーティングスプレーを吹きかけ樹脂が固まったのを確認し
叩き割る、そしてペンチでコードを切り警報装置を無効化した後中に入り2人行動でお互い中腰で音を立てないで移動する
通路にはAKMを持った中国人民兵が3人一組で談笑しながら歩いているが
俺と黒が「カシュ!カシュ!カシュ!」と炭酸ペットボトルを開けた様な音で発砲するたびに民兵が倒れていく
そして2階の廊下を移動中、緑から無線がはいる
『総員応答願います、外で何か異変が起きました、待機中のテクニカルに民兵が集まり戦闘準備が開始されてます』
『了解、サイレントブリーチは解除、ダイナミックブリーチに変更、屋敷内は今の所変わったことは無いが急いで王冠(ジョン氏)の部屋に向かえFK23はそのまま援護、異変があったらすぐに連絡を』
『了解』
そして、ジョン氏の部屋の前に到着して、ウェアラブルPCからUSBコードを伸ばし指紋認証装置に差込み解除していると無線が入ってくる
『こちらFK25(蒼)反対の角からそちらに行きます』
「了解」
そう言うと反対の廊下の角から黄と蒼が警戒しながら近づいてくる
「隊長、問題は?」
と黄
「今の所無いが外が騒がしいな、ただ屋敷の中はそんなに変わりが無い早く確保して脱出するぞ」
「了解」
『外の様子はどうだ?』
と緑に無線を飛ばすと
『屋上に対空機銃と対空ミサイル(スティンガー)を装備した民兵が出ています』
どうやら別勢力がこっちに来てるようだな
『テクニカルはどうだ?』
『これも対空迎撃を考えてるらしいです』
やはり別勢力がこちらに来てる事は間違えないだろう
ただ、中国の田舎の民兵が高価な対空ミサイル(スティンガーミサイル)を装備してるのが気になるが
『よし、そのまま監視援護を頼む』
『了解』
そんな無線のやり取りをしていると「ピー!」と言う電子音をたててドアのロックが解除される
「FK22(黒)とFK25(蒼)は部屋前で警戒、FK23(黄)は付いて来い」
「「「了解」」」
そして中に入ると部屋の中でソファーに座って紅茶を飲んでるイギリス人がいた
「ジョンさんで間違えないですか?」
「あぁ間違えない、君たちは日本軍かね?」
「答えられない、これは一応機密任務なので、ただあなたの救助が任務です」
「おぉそれは助かる、早くこの田舎から連れ出してくれ」
「わかっております、ただ2,3問質問に答えてくれますか?」
「あぁ」
「ジョン氏のイギリスでの実家は?」
「ウェールズのカーディフだ」
「では、実家で飼っていた犬の名前は?」
「ジェームズボンドだ、2年前に死んだがね」
と、某有名なキザなスパイの名前の付いた犬の名前をだす
「ありがとうございます、では無機質で無骨な機体まで案内させてもらいます」
「それはどんなファーストクラスよりも魅力的だね」
そして通信士の黄に指示を出す
「FK24(黄)ラウル1(空中指揮官)に報告、王冠(ジョン氏)を保護これからポイントK21に移動する、別勢力の介入の可能性あり、支援機を要請する」
「了解」
そして背中に背負ったゴッツイ無線機から受話器を出し
『こちらバードマン、ラウル1、応答せよ』
『こちらラウル1、どうした?』
『王冠を無事確保、別勢力の介入の兆候あり、支援機を要請する』
『了解、現在対地攻撃支援装備(C型装備)のオスプレイが回収用オスプレイと向かっている、K21に付いたら赤外線位置発行装置を付けろ』
『バードマン了解』
すると、外から消音機ごしの発砲音が聞こえ
「FK21!敵さんが集まってきました、早く脱出を」
と蒼が急かしてくる
「よし、FK22(黒)先行しろ」
「了解」
そして、脱出を開始する
補足
サイレントブリーチ
静穏侵入
主に敵に気付かれないように静かに隠密行動で行動する事
ただ、静かに移動する分行動が遅くなる
ダイナミックブリーチ
通常侵入
気付かれる事を覚悟で侵入すること
すばやく移動できる分足音などが出て気付かれやすい