会談とその後の予定
シュプリームさんに案内され冒険者ギルドの会議室に移動し現在今回の事件について王様、主要ギルドマスター、主要種族長、政務官を交えサンドラ将軍から説明を受けているが要約すると、魔族の魔族至上主義派が人族・亜人族・獣人族を排除し魔族領を拡大しようとしたのが事件の背景らしい、だが現在の魔族の魔王は共存派と言う事で既に他国からの戦争や差別による避難民の受け入れと言う事で魔族、人族、亜人、獣人族の混成村を試験的に立ち上げているらしい
そして、魔王様からの書状も王様の立会いの下開封され、今回の主犯の確保の約束、賠償金の支払いの意思、魔王領公式謝罪声明、今後の国交の正常化の提案が書かれていた
「此方としてはこの提案を受けようと思う、ただし賠償金はただ唯一被害を受けた冒険者メリーのみに頼む、国としては被害は無いからいらないな、国交正常化はこちらとしてもありがたい、それと犯人の確保だが一つ条件がある」
各種族長やギルマスたちが頷く、どうやら相違として問題は無いらしい
「なんでしょうか?私で決められる事であればいいのですすが」
「犯人の捜査、確保に我々の騎士団と冒険者を2グループほど参加させてもらえないか?」
「・・・私の一存では何とも言えません、1度魔王城へ謁見にこられませんか?護衛の人数の制限は設けません、もちろん魔王領将軍の名にかけて危険な目にはあわせません」
「解りました、では此方から外交担当の者を派遣します、そして護衛の者を冒険者3グループ18人、騎士団の者を従者含め20人ほど派遣します」
「かしこまりました、では日程や護衛の詳細などを詰めましょう」
そして話し合った結果、魔族の護衛は外交官が魔王領とパエリア王国の間にある森のパエリア王国側からと言う事になり待ち合せは今日から15日後と言う事に成った
「冒険者ギルドマスター、バジル!」
「は!」
「パエリア王国国王の名前ザットン・アフタリスクの命による、冒険者への指名依頼をだす!」
「何なりと」
凄く嫌な予感がする・・・・
「軍団日本軍、冒険者パーティreeat・ストラトスへの指名依頼だ、依頼内容は外交官の護衛および魔王領での魔王様への献上品の運搬および護衛、報酬は言い値で払う」
「承りました、残りの2パーティはどうしますか?」
「残り2パーティは冒険者ギルドの裁量にまかせる」
「かしこまりました」
おい、勝手に決めるなよ
「ちょっとまて!俺らは依頼を受けるつもりは無いぞ?」
「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」
族長連中やギルドマスター達、政務官たちが一斉に声をあげる
「王様の依頼を断るのか?」
と冒険者ギルマスのバジルが焦って話してきますが
「あぁ俺達は少し休暇を取ってランクの低い依頼からコツコツやって行きたいしな」
「・・・・」
指名依頼を受ける断るかは自由だったはずだ・・・・ギルマスのバジルさんが頭を抱えてると王様が
「この依頼を受けてくれんか?メリーの形見になりかねない賠償金を赤井達に受け取ってほしいのだ、それに赤井には魔王や犯人達に一発ガツンと抗議してほしいのだ」
そう言われると弱いなぁ
「解りました、一応軍団の許可が取れ次第正式に依頼を受けましょう」
「すまんな、助かるサンドラ将軍は今日は王城で寝泊りしてください」
「ありがたい申し出だが私は魔王様から借り受けている魔王軍を戻さないといけないから今日中には出発します」
「そうか、それは残念だ」
「いえいえ此方こそ無礼をお許しください」
ちなみに魔王軍の兵士は防壁の外側にテントや天幕を張って休息を取っている、どうやら食べる物は我々と変らないようでパエリア王国軍の炊き出しで鋭気をやしなっている
ーーー
夕刻王都の外側に綺麗に整列した魔王軍、そしてその前にサンドラ将軍がいて代表してザットン国王と握手をしている、どうやら別れの挨拶らしい
そして、挨拶が終わりサンドラ将軍がなにやら呪文を唱えると魔王軍の足元に超巨大な漆黒の魔方陣が現れ光り輝き、輝きが収まると魔王軍が忽然と消えていた
「無事帰ったみたいだな」
そんな事をつぶやくとギルマスが
「赤井!明日、冒険者ギルドに顔をだせ」
「解りました」
そしてようやく長い一日が終わった、コレでメリーを弔ってやれる、ギルドの受付嬢に聞いて解った事なんだがメリーは孤児院出身で身寄りが居ないらしく孤児院を卒業しててからも稼いだ金の2割を毎回出身の孤児院に寄付をしていたらしい、そこでreaatの皆で話し合った結果メリーの賠償金は全て最後の寄付として全額を孤児院に預ける事になった、なるべく多くの金額をふんだくってやろう
「よし、日本軍領事館に戻るぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
「あのー・・・」
とウィンディ
「どうした?」
「実は帰る家も無ければ宿に泊まるお金もなくて・・・良かったら日本軍の拠点か誰でもいいから暫く寝床を貸してもらえないだろうか?」
「・・・・なぜ泊まる金すらないんだ?」
眉間を押さえながら
「冒険前に鎧を買っただろ?それで・・・」
「・・・お前は少し一般常識を学べ」
「す、すまん」
「まぁいいだろう、日本軍領事館の客室を貸してやるからそこで寝起きしろ、ただし女性隊員と相部屋だからな」
「ありがとう助かる」
~その夜~
日本軍領事館 会議室
現在ウィンディを除くreaat第2分隊の面々と山本中将が紅茶を飲みながら会議をしていた
「ウィンディをreaatの正式メンバーに加えるかどうかは第2分隊の判断を尊重して問題ない」
「そうなんですけどね、名前を外されたといえ仮にも王族ですよ、しかも王様の直子、しかも王位継承権を持つ人物、我々には荷が重過ぎますよ」
「一応王様には冒険者に死は付き物と言う事は確認しているから大丈夫だと思うのだがな、しかも王様って7年ほど冒険者として活動してたらしい」
「なぜに?」
「先代国王から市民とは何たるかを学ばせる為らしい」
「・・・・わかりましたけど責任はとりませんよ?」
「あぁ責任は日本軍が取る、それに王様もリスクはハッきり認識しているし文面で契約書も取り付けてある」
「では、ウィンディをreaatストラトスの新メンバーとして向かえると言う事で異議のある者は?」
全員が顔を横に振るが表情は懸念を振るえなさそうだ、すると黒が手を上げる
「メンバーとして迎えるのはいいのですが少なくともハンドシグナルと符丁、基本装備の使用訓練をさせて欲しいです」
「そうだな、ただ今は魔王国に行かなきゃならないから終わったらマルルクス基地で休暇と訓練を行なう、それでいいか?」
「それでお願いします」
「マルルクス基地には私から連絡をしておく」
「あと魔王国の護衛任務ですが武器の使用は何処まで許可してもらえますか?」
「基本的には前回と一緒だ、ただ他国に行くからなるべく此方の手札は見られないように」
「了解、交戦規定は?」
「・・・敵の情報が少ない、故に個人の判断に任せる」
「了解、荒事にならなければいいのですがね」
「我々は平和とは無縁になりそうだな」
全員が苦笑しているが本当にその通りだ
そして、その他の細かい事や今回の任務での報告書を渡し各部屋に戻り武器の点検、整備をし寝に入る
ーーー
次の日
朝ご飯を食べ装備を整え領事館の外にでると30人ほどの市民が集まっており握手を求めてきた、どうやらべヒモスの件でお礼を言いに来たらしい、昨日は1日会議やサンドラ将軍の送り迎えで忙しく、住民も遠慮していたらしい
そして冒険者ギルドに着きドアを開けると
「「「ワーーー!!!!」」」
「パエリア王都冒険者ギルドの英雄の凱旋だ!!!!」
「あんな化け物を見た事もない凄い殲滅魔法でぶっ殺したんだ!?」
「ぜひ!あの魔法を教えてください!」
「ぜひ!!!弟子にしてください」
「軍団日本軍に入れてください!」
そんな阿鼻叫喚(?)の声援を掛けられつつ受付嬢にギルマスから呼び出された旨を伝えると
「承っております4階のギルドマスター執務室へどうぞ」
だそうで、階段をあがり4階の執務室の扉をノックする