盗賊団と夜警
「よし、我々は前方の警備を請け負う事になった、まずは緑と桃は荷馬車の見張り台に交代でつけ」
「「はい」」
「黒と蒼と黄は俺と交代で休息を取りつつ荷馬車の周りを警戒だ」
「「「うっす」」」
「メリーは馬の操作をお願いします」
「はい」
「わ、私は何をすればいい?」
「警備対象でもあるので何もしなくてもいいですよ」
「いや!お父様から「自分で稼げ」と言われてる!なにもしないのはダメだ、なんでもいい!何かする事をくれ!」
「そうだな・・・じゃあメリーの横に着いて馬の扱い方について学んでくれ」
「メリー、お願いできるか?」
「大丈夫だけど、私なんかが王族の方に教えていいの?」
「コイツはタダの一般市民だ、まったくもって問題ない」
「じゃあ、こちらへ」
そう言いウェンディが御者台に座り緑が双眼鏡を持ち見張り台に立つとマイヌスさんが
「では準備も整ったようなので出発してください」
との掛け声でゆっくりと人が歩くスピードで進み始める
・・・
・・
・
ぱかぽこぱかぽこ がらがらがらがら
いい天気の中進んでると雪原の鮮血のリーダーフェリスさんが近づいてきて
「やぁこんにちは、君達は最近この王都に来たのかね?」
「そんな感じですよ、でもどうしてそんな質問を?」
「いやね、ランク6ならある程度噂にはなってるんだが、軍団日本軍やパーティreaatストラトスと言うのは今まで一度も噂には出てこなかったからな、ちょっと気になってな」
「まぁなんというかこの王都からかなり遠い所からきてな」
「ふむ・・・あ、いやスマン詳しい詮索はマナー違反だったな」
「いやいや、コレくらいなら全然問題ないですよ」
「すまんね、まぁ仲良くやっていこう、失礼ついでに聞きたいんだが右の太ももに付いてるソレ(・・)はなんなんだね?」
と太ももに着けてるHC1911を指差してくる
「コレは軍団日本軍だけが持ってる特殊な武器ですよ」
「武器と言う事は誰でも扱えるのかね?」
「まぁそうですよ、ある程度は訓練は必要ですがね」
「なるほどねぇ・・・いや失礼した、気になってな、ではまた」
そういって自分の荷馬車へ帰っていった
そして何事もなく夕方になって夕焼けが綺麗に見えてくる頃、マイヌスさんが寄ってきて
「赤井さん!そろそろ野営にしませんか?」
「そうですね、いい時間帯になったので野営にしましょう」
「では、右側の草原に馬車を停めましょう」
「了解です」
そして右側の草原に馬車を止めるとリーダー達が寄ってきて
「今日はここで野営だ夜警はどうする?」
とフェリス
「くじ引きの順番でいいんじゃないか?」
とガン
「そうね」
とメイ
「問題ない、じゃあパーティごとに4時間交代でどうだ?」
「いいぞ」「飯だ!」「時間になったら教えてね」
そんな事を言いつつ自分のパーティに戻っていきパーティ森の泉だけが馬車の周りに展開し常時3名居るようなローテーションで見張りを開始する
「我々も野営を開始するぞ」
そう言うとテキパキとテントを張り、焚き火の準備をしテントの周りに杭型レーザー対人センサーを設置していく
そしてメリーさんもロープを張り注文していた木の板を2枚1組で張ったロープに吊るして行く
「メリーさん、それは「鳴子」ですか?」
「そうですよ、警戒してると言えこう言うのも必要ですからね」
そう言いウェンディと一緒に鳴子を設置していく
ちなみに他のパーティもテントや焚き火の準備をしパーティメンバーや奴隷達が食事の用意をしている、どうやらメニューは我々と一緒のパンと干し肉入りのスープらしい、メリーさん言わく近距離の食事は大体パンを長時間焼いた保存食用のパンと干し肉と豆のスープが長期依頼の冒険者の食事らしい、後は移動中に採取した野草や持ってきた果物が食べれればご馳走らしい
と言う事で我々もメリーさんが作ってくれた干し肉と豆のスープと保存食用パンを取るが、スープは我々が持ち込んだ香辛料のおかげで幾分マシだがパンは固くて食べれたものでは無い、おかげでスープにぶち込んでふやかして食べている
それでもメリーさんはコショウの辛さが利いてて美味しいそうだ、ウィンディは王族の食事は香辛料が有ったらしくさほど驚いてなかった
食べ終わり片付けると
「じゃあそろそろ就寝しようか、夜番は二人体制で1時間交代でいいな?」
「「「「「「「ハイ」」」」」」」
「あと、赤外線映像に20人ほどの人影が見えてるから警戒するように、襲うなら多分油断が生じる朝になる前になると思う」
「「「「了解」」」」
「せきがいせんえいぞう?」
とウェンディ
「お前はまだ正式メンバーじゃないから知らなくていい」
ちなみにメリーさんには教えてある、メンドクサイから日本軍の魔道具と言う事で
・・・
・・
・
朝
「なにもなかったな・・・」
「そうですね」
と最後の夜番をしてた黒とウェンディ
「盗賊など我が剣の錆びにしてやったのに!」
とピカピカに磨かれた片手剣を抜き放ち朝日に掲げている
「「・・・・」」
そして他のパーティも起き始め焚き火の後始末や朝御飯を食べたりしている
「赤井軍曹、夜、単騎で近づいてくる奴が居ましたよ、遠くから此方を見てるだけで攻撃は無かったので放置しましたが」
と黒
「どんな奴だった?」
「そうですね、見た目は冒険者風の二人組みで、片方がこの輸送団500mまで近づいてきましたね、ちなみに残ってた1人は酒場で出会った熊耳族のシュプリームさんでしたよ」
「ギルドの教官の?」
「はい、近づいてきた奴は知らない顔でしたが」
「・・・ふむ」
多分、ギルドから派遣された監視役、いや見極め役だろう
「その二人組みは無視していい、ソレよりも20名の方はどうだ?」
「忙しく動いてますね、だけど此方に悟られないように慎重に動いてますね、多分ですが場慣れはしてます」
「常習犯か・・・問題はモグラが居るかどうかだな・・・いた場合メンドクサイ事になるから気付かれないように全員注意しろよ」
「「「「「了解」」」」」
「ウェンディは特に「密偵がいるのか!」とか言うなよ、切り殺すのは見つけてからにしろ」
「私でもそこまで馬鹿じゃない」
「ならいいんだが」
するとマイヌスさんが近づいてきて
「そろそろ出発しましょうか」
「わかりました」
そして荷馬車に乗り込み出発をする、さぁ二日目だ
・・・
・・
・
1500時過ぎ、森に差し掛かり進んでると左右の森から複数の気配がする
「総員警戒、黒、黄、他のパーティにも知らせて来い」
「「了解」」
そしてしばらく進むと「メキメキメキ!!」と音を立てて直径1mも有りそうな木が前方と後方で倒れてくる
「敵襲!!」
全員が武器をかまえ、魔法使いは詠唱を開始し直ぐに迎撃できるように準備を開始してると左右の森から50名ほど剣や斧を持って現れ盗賊団のリーダーらしき人物が喋り始める
「我々は盗賊団「日陰の蜥蜴」だ荷と武器を置けば命までは獲らないがどうする?」
「・・・緑」
「はい」
と、矢を射ると次の瞬間リーダーの眉間に矢が刺さり倒れる
「リーダーがやられたぞ!」「ヤッチマエ!」「仇を取れ!」
そして戦闘が始まるが、此方とてランク6や7の冒険者手馴れた物らしく上手く連携を取りつつお互い援護しながら盗賊を蹂躙していく
何より凄いのが1坪の砂漠のメイさんが引き連れるパーティで全員が女性、しかも人族が居ない長耳族や鳥の羽を髪の毛に混じらせた女の子が次々と弓矢で敵を狩っていくわ、近づいてきた敵を弓でバンバン叩いていく
雪原の鮮血は魔術師が多いのか空中に弾丸状の氷の塊を出現させ敵に向かって発射させている、スキンヘッドのムキムキマッチョのオッサンが・・・
逆に槍を振るってるのは150センチぐらいの身長の女の子だ、もしかしたら小人族の子かもしれない、絶対に役が逆だろ?
森の泉は至って普通のパーティだ、土人族らしき斧使いが小型の斧をひゅんひゅん投げたり、人族のイケメンが両手剣で殺陣を演じていたりする
我々も負けじと電撃棒で感電させたり、剣を切り裂いてそのまま相手も真っ二つにしたりしている
意外なのがウェンディだ、戦闘能力が高く3人相手でも引けを取っていない、
「ほー、やるじゃないか」
ほどなくして、殲滅が終了し
「被害報告」
「軽傷者が数名、ただ回復薬を使用したので問題ないそうです」
と蒼
「護衛対処に問題無し、車両にも被害は無しです」
と緑
「赤さん!ちょっと待っててくださいね」
とメリーさん
「どうした?」
「今から盗賊の死体を処理します」
と言うと、他のパーティと一緒に盗賊団を首ちょんぱし遺体に油を掛け燃やして穴にまとめて埋めてます、どうやら捨てておくとゾンビ化して魔物になるらしいです、首は騎士団や都市防衛隊の詰め所に持っていくと賞金首だった場合賞金がもらえるそうです
さて問題はこの道を塞いでる大木をどうしようか・・・