身勝手姫とイライラ
前日 王城国王執務室
「お父様、ウィンディ・アフリクスただいまフェリア辺境爵の監査から戻りました」
「お帰りなさい・・・・ではさっそくだが言い訳を聞こうか?」
「いいわけですか?何のことやらさっぱりなのですが」
「ほう、心当たりがないと?」
「はい、民の為に重い税を科してた税務監査局を叩き潰し、奴隷を無下に酷使してた奴隷商を斬首しただけです」
この娘は・・・頭が痛い・・・日本軍から貰った頭痛薬を飲まなければ・・・
「あのな、フェリア辺境爵から抗議文が早文で届いてるぞ、まず重い税だがフェリア領の災害での復興特別税なんだ、お前がそれを禁止したせいでどれだけ復興が遅れると思う?」
「父上、しかし・・・」
「では、被災した民をお前は見捨てると言うのか?」
「・・・いえ」
「そうだな、あそこのフェリア辺境爵は私利私欲で税を使っては居らん、それは私直属の根の者からの報告でも届いておるし年に1回の税務調査報告書でも不正はみつからん!」
「・・・・」
「そして奴隷商だが、これも奴隷達は重犯罪者、しかも復旧の為に奴隷商売を一時やめ、商売抜きで復旧作業に当たってたのだぞ、それはお前は碌に調べもせずに奴隷を酷使したと言うだけで斬首したのだぞ!」
机ドン!
「ヒッ!」
「お前は何時も「民の為民の為」と言っておるが「民の為」になった事なんて1回か2回ぐらいしかないだろ!そもそもお前は「民の為」と言っているが「民」とはなにか解っているのか!」
「・・・」
「前よりもスラムの奉仕作業者の方が数倍民の為になっている!」
「そんな・・・」
「魔物退治に行けば戦力を確保すると言って、村の若者、しかも碌に戦闘経験無いものを戦闘に駆り出し死なせて、村の働き手をなくし廃村させるわ、奴隷を解放すると言って奴隷を解放したは良いが治安が一気に悪くなって《赤の旗騎士団》が治安維持に乗り出す事態になるわ!」
机ドン!ベキ!と机にひびが入る音がする
「・・・・」
「お前民の中でなんと呼ばれてるか知っているか?」
「・・・いえ」
「「身勝手姫」だ!」
机ドン!ベキッ!!と遂に何も罪の無い机が破壊される
「そんな・・・」
「そんなに「民の為」と思うなら一般市民・・・冒険者にでもになって一度普通の市民を経験してみろ!!!!!」
「・・・はい・・・解りました」
「よし、では明日ある冒険者軍団の歓迎パーティがある、その軍団に頼んでその軍団に所属する冒険者パーティに入れてもらえる様に頼んでみる、良いな?」
「了解です・・・」
ーーー
「という訳でな、1人ストラトスのメンバーに加えてもらえないだろうか?」
「拒否します」
「「「「え?」」」」
「信頼した要員しか入れませんよ」
「赤井さん!いいのですか?国王の頼みで第1王女さまですよ?」
「いいんですよ、此方は命がけなんですよ、実力もわからない、信頼も出来ない、そんなんでメンバーに加えたら懸念材料、いや、一つ大きな依頼を背負う事と同じ事になってしまうからな」
「私は大丈夫なんですか?」
「メリーさんは我々が信用すると決めて仲間と認めてるので大丈夫です、頼りにしてますよ、それに裏切られたら裏切られた出諦めがつきますし、その時は我々の人(?)を見る目が無かったという事です」
「・・・裏切りませんよ」
「で、国王様申し訳ないのですがそう言うことでお断りします」
「・・・という事なら依頼なら問題ないと言う事かな?」
「・・・はぁ?」
なんかイラつくな
「まぁ取り合えず1度会ってくれないか?」
「解りました取り合えず会ってみましょう」
・・・・
・・・
・・
・
「と言うわけで紹介しよう、娘のウィンディだ」
「私が長女のウィンディだ」
と凄く偉そうにしてます、そしてメリーさんが方膝を付いて俯いてますね
「・・・俺達もあんな風にしたほうか良いのか?」
「いや、ワシはめんどくさいからいらない、ココにいるのは友人しかおらん、それに娘も王族の資格を剥奪して一般市民だからな」
「ほう、じゃあお言葉に甘えようか・・・で、この偉そうで凄く印象の悪いお嬢ちゃんが王様が入れたい人物なのか?」
「あぁ、ココだけの話、今男の世継ぎが居らんのだ、そうなるとこのウィンディがワシの後を継ぐ事になる、まぁ族長の承認がいるがな、だがコイツには世間と言うものがまったくわかっておらん、そこで一般市民になり、自分で稼ぎ、世の事を知ってもらいたいのだ」
なるほど、世間を知らなければ良い政はできないと
「ウィンディさん冒険者の経験は?」
「ないが騎士団で訓練を積んで来た、そこら辺の冒険者には負けない」
「・・・・ではお断ります」
「なぜだ!」
「1つ戦力は足りてる2つ明日護衛の依頼が入ってて連携が取れない3つ遠征の為の食料を6人分しか用意してない、以上の事でお断りします」
「・・・ではこうしよう、依頼として娘に世間を見せてやってほしい、食料などは此方から用意しよう」
と、王様
「それは護衛依頼と思っていいのですか?」
食い下がるな・・・
「かまわん」
「なら条件があります」
「なんだ?」
「もし、娘さんが我々の言う事を聞かないであれば、野営中でも依頼をキャンセルし放り出します、そして我が侭を言ったら殴ります」
「一般市民の娘だ、なんの問題もない」
「父上!」
「だまれ!コレが世間だ、お前には今まで王族と言う後ろ盾があったから今まで傍若無人が許されたのだ、今のお前には何も無い、王族や認められた貴族だけが付けれる苗字はもう無いのだ」
「・・・・」
「と言う訳で、世間知らずな娘ですがよろしくお願いします」
「わかりました」
「では、明日朝6時に領事館まで来てください、遅刻したらその時点で終わりですので」
・・・
・・
・
次の日
朝6時 領事館
顔だけ出したフルプレートの金属の塊がそこにいた・・・・
アホか・・・そんなので1週間持つのか?しかも武器以外もってない、と思ったら領事館前の道路に御者付きの荷車が止まっており、コレでもかと荷物が積んであった
「ウィンディ、参上したぞ!荷物を運んでくれ!」
「「「「「「・・・・」」」」」」
「どうした?」
「・・・全員集合!」
「?」
メリーさんを含めストラトス全員が円形にあつまり
「世間知らずと聞いてたがあそこまでとは・・・」
「この先だいじょうぶっすかね?」
と黒
「あのフルプレートメイル銀ピカですよ」
と桃
「と言うかあの荷物の量・・・」
と蒼
「まだ子守の方が楽だ」
と黄
「なんで偉そうなの?」
と緑
「姫様があそこまで無知とは・・・全国民を代表してあやまります・・・ごめんなさい」
とメリーさん
そんな話をすると後ろから
「おい!何をしている、早く荷物を積み込んで出発するぞ!」
「はっきり言っておきます、お前はこのパーティの中で一番奴隷階級は最下層だからな」
「私は王族だぞ!」
「いや、貴方は一般市民です、というかなんですか!あの大量の荷物とそのフルプレートは」
「1週間の依頼だろ?コレくらいは必要だぞ?」
「アホな事言ってないで個人荷物はこのバックに入るだけにしろ」
と50Lのバックパックを渡すと、渋々ながら荷物を厳選していますが、なんでドレスなんて持ってきてるんだ?それに貴金属・・・旅行じゃないんだぞ
「できたぞ・・・」
「そのプレートメイルも脱いでください」
「は?防具は無しなのか?」
「いやいや、貴方はその重くて歩くたびにガッチャンガッチャン音を立てて歩くのですか?少しは頭を使ってください」
「しかしだな・・・防具はコレしか持ってきてないのだぞ」
「防具なら冒険者ギルドの3階で売ってるよ、それにマイヌス商店でも扱ってるから出発前にかったら?」
とメリーさん
「ならその無用の長物は捨てて買いに行くぞ」