新たな出会いと蜂蜜酒
ムルル城 王執務室
「おー、来たか!今回はワシの我が侭を聞いてくれてすまんね」
「いえいえ、こちらも冒険者として活動するに当たってちょうどよかったので」
と鉄中将
「それでだな、約束の活動拠点だが、上級民街に一軒屋を用意した、そこを使ってくれ、あと拠点の警備に王国防衛隊から交代で24時間、合計で20人ほど警備に付かせる」
「ありがとうございます」
「では、2日後に王城の舞踏会の間で日本軍の歓迎パーティを開くので是非とも来てくれ、夕方17時ごろに迎えを向かわせるから頼む」
「かしこまりました、ちなみに護衛として4人ほど兵士を連れて来てもいいですか?」
「かまわないが出来れば雰囲気を壊さない服装で来てくれるとありがたい」
「そこら辺はちゃんと考慮しますよ」
「では頼む」
ーーー
上級民街
防衛隊に案内された場所には一軒家と言うより庭付きの屋敷が鎮座していた
「凄いな・・・3階建てか・・・」
「そうですね、上級民街は大店商店のオーナーや貴族の代理文官が住まわれてますから何かと見栄が必要な人たちが住む場所なのでどうしても屋敷になってしまうんですよ、」
「なるほどな・・・」
「まぁそれだけ国王様が軍団日本軍を大切にしてると言う事ですね、あ、申し送れました、私日本軍の屋敷の警備隊長を任されました、マッシュと申します」
「あ、これはどうも軍団日本軍の全権委任大使の鉄山茶花と申します」
「何かあれば何なりと言ってください」
「ありがとうございます」
そして、門を通り中に入るとテニスコート3面分ほどの庭があり中央には噴水があり、中世の貴族の屋敷と言った佇まいが鎮座していた
「馬小屋や奴隷小屋は屋敷の裏にあります、隣の家は我々屋敷の警備隊の詰め所になっておりますので、交代ですが常に屋敷の門には4人、隣に小さな一軒家には警備隊員が4,5人ほど待機してますので何かあれば駆けつけます」
「ほぉ、それは心強いですね」
「恐れ入ります」
そして中に入ると1階はエントランス、応接室、キッチン、食堂、風呂などがあり基本的に客人をもてなす事を前提にした設備が揃っていた
次ぎに2階部分、2階には7畳ほどの客間が6つと30畳ほどのタコ部屋が1つあった、トイレは共同らしく和式水洗トイレが2つあった
最後に3階部分ここには執務室が1つとドアで隔たれて本棚で囲まれた倉庫らしき部屋、逆側には簡単なキッチンが付いた給湯室らしき部屋、そして天蓋付きベットのある豪華なベットルーム、たぶん主賓室なのだろう、あとは10畳ほどの空き部屋があるだけだった
「よし、では1階と2階はこのままで使用するぞ、3階部分の空き部屋は防衛用設備や長距離衛星通信設備を置く」
「了解」
と114普通科師団の面々が行動を開始し始め、窓のすぐそばにM2重機関銃や弾薬、AT-4(対戦車無反動砲)などを設置していく
ほかにも料理人もキッチンに入り、火口のチェックをして持ち込んだガスコンロを置いたり、まな板やキッチン道具を置いたり設備の清掃などを開始する
「じゃあ俺達も行動を開始するか、取り合えず冒険者ギルドに顔を出して下級民街にセーフティハウスの確保と呼びの武器弾薬を搬入するぞ」
「「「了解」」」
そして屋敷を出て行く
ーーー
下級民街は1階だての建物や3階建ての宿屋などがあるが治安もある程度良さそうだ、そして冒険者ギルドに着く、そこには4階立ての建物がドーンと鎮座していた
「でかいな・・・」
「3階建て以上は王城以外で始めてみましたね」
と緑
「そうだな、なにか制限でもあるのかね?」
と黒
そんなことを話してると
「お前ら王都は始めてか?」
と声をかけられる、そこには熊耳のオッサンが立っていた
「そうですが・・・貴方は?」
「急に声を掛けてすまんな、俺はランク7で名前はシュプリーム、王都を拠点にしてる冒険者で王都冒険者ギルドの指定教官だ」
「俺は軍団日本軍の赤井翔太だ、よろしく」
「こちらこそ、で中に入らないのか?」
「はいるぞ、ただこの建物が大きくてな、少しびっくりしてた」
「あぁ冒険者ギルドは基本的に中立組織で国の法には縛られないんだ、だからこの国の商店の法律にある「建物は3階まで」と言う法律には当てはまらない、ただやりすぎると王から「出てけー」と言われたり軍が制圧しにきたりするんだ」
「ほー、信頼されてるんだな」
「まぁな、なんと言うかお互い様なんだよ、冒険者ギルドも年に2回ほど税金を払っているし、軍や騎士団が出来ない仕事をこなすしな、国も冒険者が居ないと立ち回れないし、こちらも治安維持などを行なっていますしね」
「なるほどなぁ、まぁそりゃそうか」
「こんな所で立ち話もなんだ、中に入ろうか?」
「そうしましょう」
中に入ると昼間から飲んだくれてる奴、何かのボードに張られてる紙を眺めてるパーティ、カウンターで受付嬢と言い争ってる者などなどロンルーリ市の3倍はありそうな規模の雑多が広がっていた、そして併設されている酒場の席に着くとシュプリームが
「メリー、何時ものを7人前で」
「はーい」
とメリーと呼ばれた、白髪で軽いパーマがかかってクルンとした角を生やした女性が返事をすると、数分後に木製のコップを7つ持ってくる
「これは?」
「俺のおごりだ、ランク6の異世界人さん」
とウィンクをしてくる
「「「「「!?」」」」」
「なぜそれを?」
と全員が警戒すると
「まぁ警戒するな、冒険者ギルドの内部通知に軍団日本軍の報告が回っていてね、まぁ他の冒険者には緘口令が命じられてるから他の冒険者には言わないから安心しな」
「と言う事は、このお酒は賄賂ですか?」
「そんな事は無いさ、まぁなんと言うかお近づきのしるしさ、警戒せずに飲んでくれ」
「そう言うことならいただきます」
と、飲むと蜂蜜酒だった、やっぱり熊だけに蜂蜜が好きなのだろうか?
そして、色々話をしキリが付くと
「では、ちょっと冒険者ギルドの受付に行って来ますね」
「おー引き止めてすまんすまん、何かあったら声を掛けてくれ」
「判りました、蜂蜜酒ありがとうございました」
「おう」
そういって別れ、受付に移動し椅子に座ると
「お疲れ様です、今日はどういったご用件ですか?」
「拠点をロンルーリから王都に移動したので挨拶に来ました、あと副支部長のマック氏からの紹介状です」
と紹介状を渡すと
「申し訳ございません、リーダーの方の冒険者カードも一緒に拝見してもいいですか?」
「かまいません」
とカードも渡すと、紹介状の封を確認後ナイフで切り中の文を確認すると
「すみませんが、少々お待ちいただいいていいですか?」
「はい」
すると受け付け内の階段を上がって行く
ーーー30分後ーーー
「お待たせしました、ギルドマスターがお会いするようです、4階へどうぞ」
と、階段を指差す
そして4階に上がると先ほどの受付嬢さんがいて
「こちらがギルドマスターの執務室です、マスターは怖い御方なので気をつけてください」
蜂蜜酒うまいですよねー