近衛騎士と防弾チョッキ
桃から連絡がありました
『緊急!襲撃者!数50人以上!あっザットン国王と鉄中将が!』
『なにがあった!』
『詳しく判りませんが黒い霧が纏わり付いたと思ったら姿が消えて・・・』
『桃と緑はその場で待機』
『了解』
「国王と中将が拉致られた!護衛兵は現場に急行!reaatは俺について来い!」
「了解」
ーーーー
筆頭文官 カズラ執務室
「カズラさん、落ち着いて聞いてください」
「なんでしょうか?先ほどの爆音となにか関係でも?」
「はい、どうやら国王様と私どもの鉄中将が拉致られたようです」
「!?近衛兵!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ーーー
中庭
「あ、赤井軍曹、緑川さんが無力化した襲撃者を確保しました」
「ご苦労様」
そこには、拘束バンドで腕を体の後ろで拘束された男が5人転がされてます
「ボディチェックは終わってます自殺用と思われる薬も没収、現在5名の護衛兵が逃げた襲撃者を追跡中」
「了解、深追いはするな」
「了解」
「カズラさん、この者たちに心当たりはありませんか?」
「・・・国王の立場上、心当たりと言うと雇ったのは王族、貴族、軍に指示し潰した犯罪組織、他国、数え切れません
「ふーむ、こいつらに聞くしかなさそうですね」
そんな事を話してると近衛騎士団の1人が出てくる
「すみません、ちょっと見てもいいですか?」
「かまわないが?」
すると若い騎士が襲撃者の鎧を剥ぎ取り上半身の服を剥ぎ取ると、背中に本をモチーフにしたタトゥーが現れる
「こいつら非合法ギルド「隠者の本」のメンバーですよ」
「隠者の本?」
「ええ、1ヶ月前に国王が軍に命令して潰した非合法組織です」
「あぁあのこそ泥の?」
「えぇ」
「こそ泥?」
「あのギルドは商人の倉庫に忍び込んでは金品や商品を強奪してたのですよ、でもおかしいですねあのギルドには人攫いをするほどの技術や黒魔法の使い手は居なかったはずですが」
「これは誰か裏で手引きしたか、援助してる黒幕がいそうですね、やはりこいつらに直接聞いた方がよさそうですね?」
すると襲撃者がしゃべります
「何を聞いてもしゃべらないからな」
「安心しとけそっちが「しゃべらせてください」とお願いするように聞いてやる」
・・・・
・・・
・・
・
襲撃者の足の爪は全て剥がれ 手の指は曲がったら行けない方向に曲げられてます
医療用ゴム手袋を外しながら目を伏せていたカズラさんに報告します
「黒幕がわかったぞ、国王の腹違いの弟だ」
「まさかリリム様が・・・」
「たた連れ去れた場所は知らないそうだ」
「犯人が判っても場所がわからなければ意味が無い」
「ん?わかるぞ?」
「なんですと?」
「鉄中将の靴の底の中と時計に発信機が仕掛けられてるんだ」
「はっしんき?」
「自分の位置を知らせる道具だな、ただ場所は判って無事救出できても証拠が無ければ黒幕を襲撃できない、言い逃れが出来てしまうからな」
「なるほど・・・どっちにしろ手も足もだせないと言うことか」
「提案なんだがこの「隠者の本」の上層部を確保して供述させれば何とかなるんじゃないか?こちらとしても売られた喧嘩だから買って置かないと気がすまない」
「良いでしょう、ただし条件が」
「どんな条件だ?」
「正直、今日始めて会った軍隊を信用することはできない、そこで近衛騎士団から1人、お供をつけさせる事だ」
「・・・まぁ当たり前だな。いいがこちらのやり方には一切口出しはしないで貰おう」
「わかった・・・ベルマーズ!」
「はい!」
返事をしたのは20代後半の甲冑に身を包んだ女性
「紹介しましょう、彼女はベルマーズ、近衛騎士団、赤の旗隊隊長を務めております、彼女はスラム出身、裏事情にもある程度は精通しております」
「判りました、赤井翔太軍曹です、しばらくお願いします」
「こちらこそ、王城に不届き者を入れてしまった近衛の失態深くお詫びします」
「お詫びは解決した後に今は「隠者の本」のアジトに行きましょう」
「わかりました、ではスラムの入り口まで馬で行きましょうか」
「・・・すみません、馬に乗れるものが1人もいません」
唖然とした顔をしながら
「では、馬車を用意しましょう、人足で行くより早い」
と言い、部下に命令を出しつつベルマーズさんも用意のため馬小屋に行ってしまう、すると無線が入る
『こちら追跡中の護衛、襲撃者は城壁の近くにある竪穴に逃げ込んだ模様』
『了解、追跡できるか?』
『出来ます』
『では、頼む、くれぐれも無理はするな』
『了解』
「カズラさん、襲撃犯はどうやら城壁近くにある竪穴から侵入、逃亡したらしいです」
「それは、王族や重要人物を緊急時に逃がすための抜け道の一つですね」
「それを知ってるのは王族やこの国の政務に携わる者の一部だけですね」
「それはまた、弟様が怪しいですな、それはそうと、お願いがあるんですが」
「なんでしょ?」
「王都の入り口を犯人を逃さないように封鎖して欲しいのですが」
「それは大丈夫、封鎖はできませんが警備を強化、第4外壁の魔法結界も起動しました、一般市民は外に出れず、貴族連中や王族でも王様と私の二人のサインの入った許可証が無い限り外には出れません」
「・・・ならいいのですが,、あっそうそう、もう一つお願いがあるんだが」
「私に出来ることなら、騎士団を動かすことはできますか?」
「私には出来ませんが、軍務責任者のマーなら可能でしょう」
「ならマー殿を呼んでもらえますか?」
「ワシならココに居るぞ?ちなみにどんなお願い事だ?」
と、後ろから声がかけられます。振り返ると中立と発言した男性が立っていました
「襲撃犯と弟様に悟られぬように、下手に動かないで欲しいのです」
「それは犯人を捕まえるな?と言うことか?」
「いえ、それだと犯人が感づく可能性があるので、襲撃され拉致られた場合通常の動きをして欲しいのです」
「判った、だが我々に何のメリットも無い」
「では、こうしましょう我々は一時的に騎士団のメンバーにできませんか?」
「なるほど、手柄を騎士団の物にするということか?」
「はい、我々にも自由にこの王都で動けると言うメリットがありますので」
「わかった、その条件を飲もう、ただし失敗した時は死罪じゃ済まさないからな」
「わかりました、取り越し苦労にしてみせます」
そんな話をしてると、馬車が到着
「赤井殿、乗ってください」
とベルマーズさん
「判りました、reaatは乗車!護衛兵は鉄中将の発信を頼りに場所を特定、監視につけ!」
「「了解」」
ーーーー
馬車内部
「「隠者の本」のアジトはスラム街のストリップ劇場です、この時間はまだ営業してないので客は1人もいないはずです」
「それは好都合、しかしその甲冑はうるさいですね、脱げませんか?」
「それは!この甲冑は騎士の誇りが詰まっている!脱げるものか!」
「しかしですね、そのガチャガチャ音させてもらったら敵に気付かれてしまいます」
「しかしだな・・・これが無いと防御面で不安になってしまう」
「なるほど・・・では私達のつけてるこの防弾チョッキを貸しましょうか?」
「ぼうだんちょっき?」
「・・・なんと言えば・・・高性能な鎧ですね」
「・・・判った借りよう」
そういいベルマーズさんが甲冑を脱ぎ、私の防弾チョッキを着ます
まぁタクティカルベスト(マガジンやナイフを付けてるベスト)自体に防弾繊維とチタン糸が使われてるので防御面で心配はないのですが
「ほう!布と布の間に金属の板が入ってるのか!確かにこれだと音がしないな!」
「後で返してくださいね」
防弾チョッキ(ボディーアーマー)
reaatはボディアーマーとタクティカルベストのセパレートタイプを使用
任務によってはボディーアーマーが不使用の場合があるため
裏設定であるが状況により金属ボディアーマーではなく液体ボディアーマーを使用する事あり、あとウェアブルPCを使い迷彩パターンを変えたり色を変更する事が可能になってます
次話「拉致とM568」