城と王様
最近青の6号を見直してます
潜水艦戦はカッコいいですねw
朝
「では、我々は出発します、一晩ありがとうございます」
「いやいや、大した事はできずに」
そう言って荷物を纏めたパーティ草原の狼が出発する
う~ん、恐れてた事は無かったな、まぁ怪しい行動はあったが、と言うのも、彼らが現れた時間が問題なんだ深夜三時に光源が見えたからと言っても移動するものではない、普通は日が暮れる前にテントや野営の準備をするものだ、都会になれた現代人は知らないかもしれないが、深夜月明かりや星明りじゃ自分の手を見るのも大変なのだ
だから、普通は最低限の見張りや火の番を残して、まだ手元が見えるうちに寝に入るのだ、たとえライトみたいな光源があってもエネルギーは有限でありなるべく節約するものなのだ
「中井君、おはよう」
「鉄中将、おはようございます」
「夜中あいつらはどうだった?」
「そうですね、基本的には雑談、まぁこちらの隠さなければならない情報は渡してませんね」
「ならいいのだが、どうも現れた時間が気になるんだ」
「やはりですか・・・、まぁガルガドさんの周りにうちのメンバーを張り付かせてましたが何も起きませんでしたし、ガルガドさまの護衛も居ましたがあいつ等に警戒してましたので問題はないかと」
「ならいいが・・・どうも引っかかるのだよ」
「それは私もです」
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草原の狼
「なにもなかったな」
「そうね、精霊の気配も無く火を扱ってた時は驚いたけど気苦労でよかったわ」
「そうじゃのリンの言う厄災の前兆だったら大変だったからの」
「もう5000年前の大厄災は繰り返したくないものね」
「でも本当にあったのか?世界の精霊が居なくなって世界の1/4の人を残して死んだって」
「まぁ寿命の短い人族やドワーフ、獣人族には失伝しててもしょうがないわね、エルフ族でも長老や書物でしか伝わってないから」
「言うことが違うね、エルフより寿命の長い古代長耳族様は」
「たしかにBBAの言うことは違うね」
「東から水よ来たれ、四肢を縛る蛇よ、かの者を捕縛せよ、水牢」
そんな詠唱をするとBBA発言したピカータに水が纏わりつき顔以外を包み込んでしまう
「すみませんでしたーーーーー!」
どうやら包まれた体だが指一本も動かせないようだ
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「では、我々も出発しますか」
「そうですね、昨日のスピードなら今日のお昼過ぎには着くでしょう」
荷物やテントを纏め、ガルガドさまの護衛が武器の点検をし、我々の銃火器もクリーニングや点検を終えるとオスプレイに乗り込みます
そして出発
・・・5分後
「ガルガドさま、先ほどの草原の狼が居ますよ」
「お、本当だ、麦の実みたいに小さいな」
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「皆見ろ!なにか大きな鳥が飛んでるぞ!」
「・・・あれは鳥じゃないわ、鳥には皆風の精霊が付いてるけど、あの鳥には精霊が付いてない、それに・・・」
「それに?」
「羽ばたいてないわ!」
「ほんまやー!」
「もしかして、ガルガドさまの護衛たちが持っていた馬車?」
「たぶん・・・」
全員が口を開けて空を見ていた・・・
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・・・・・・
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・・・
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お昼過ぎ
「鉄中将どの!見えてきましたよ!あれが王都ムルルリムドです!」
そこには白くて高さ40mもあるお城を中心に街が広がり町の中には円形に等間隔で4つの城壁がならんでいる、中心の城には周囲に1kmほどの芝生が広がり、その周りに2番目に太い城壁、水堀が掘ってある
城は中世のヨーロッパを思わせる形である
「おぉぉ、綺麗な城ですね!」
「あぁあれが王都ムルルリムドの中心ムルル城です、魔王領からの戦争時他の都市が落とされてもこの王都は落ちなかった、国民自慢の王都だよ」
そして、オスプレイは高度を落とし王都を旋回し始める
すると上空に火の玉が打ち上げられる
「どうやらあそこに着陸しろと言ってるらしいな」
王都の一番外側の城壁の堀をはさんだ広場に十数人の騎士がならんでるのが見えます
「パイロットあそこに着陸しろ」
「いや、そこではなく、あっちに着陸しよう」
そういいガルガドさまが王城を指差す
ーーーー
王城 ???
「あれが冒険者ギルドから連絡のあった日本軍の乗る「おすぷれい」と言う奴か確かに早いし羽ばたきもせずに空を飛んでおる」
「だれかいないか!?!?」
「はい、王様、何か御用でしょうか?」
「ワシは第3演習場に行く!」
「駄目です!危険です!」
「ヤダ!行く!ワシはあの日本軍と言う連中としゃべって見たいのだ!」
「駄目です!お喋りならあとで会議で出来ます!」
「いや!行く!会議じゃない所でしゃべって親睦を深めたいのだ!」
「王様は玉座でふんぞり返っていればいいんです!」
「お前王をどう思っているんだ!」
「さぼり魔、抜け出し魔」
「うぐぅ」
しかしオスプレイの爆音がどんどん近くなって来る
「どういうことだ?こっちに近づいてくる」
「どうやら王城の戦闘スペースに下りようとしてるらしいですね」
「やや!これは一大事!直ぐに行かねば!」
そう言いつつ部屋から出て行く、ドアを蹴り飛ばしながら
「!!!近衛騎士団!!!!!集結しろ!!!!!!!!!!!!」
ーーー
「しかし、行きなり王城に乗り付けて大丈夫なんですか?」
「大丈夫だろ、一応冒険者ギルドを通して王城に連絡は入れているし」
「ならいいんですが・・・」
そういいつつオスプレイは垂直着陸態勢になり王城の草原スペースに着陸しガルガドさまを含めて外に出るが、誰も居ない
「誰も居ませんね」
「大丈夫、王都で一番好奇心旺盛な人物が直ぐに出てくるさ」
そんな話をしてると
王城の小さな門が開き立派な服を着た赤髪のゴッツイ男が出てくる
「これが連絡のあった「おすぷれい」とやらか!」
するとガルガドさまが膝を付き
「お久しぶりでございます、マイラ・マクザーが3男ガルガド・マクザーです、この度はマルクスス村の英雄達をお連れしました」
「おぉ!マイラの所の3男坊主か!ひさしぶりだな!」
そう言うとガルガドさまを立たせハグをする・・・だいぶフレンドリーな王様だな
「そっちが魔獣の侵攻を撃破した日本軍か?」
「はい、今回の会談の全権委任大使を勤めさせてもうらう鉄山茶花と申します、階級は中将になります」
「ワシはパエリア王国、国王のザットン・アフリスクと申す、所で中将とは?」
「日本軍のナンバー2と思ってもらえば大丈夫です」
「そうか・・・」
そんな挨拶をしてると門から甲冑をつけた一団がガチャガチャと音を立てて出てくる
装備はシルバーに金の装飾がされたフルプレートメイルに片手盾にロングソード
そして、本を片手に持ち、黒のローブを纏った男が
「馬鹿王!いい加減にしてください!王様が一番に出たら近衛騎士団の意味が無いでしょ!」
「馬鹿とか言うな!それに一番強いのは俺だぞ?」
「しかしですね、大使に一番に王が会われるのは舐められる要因になってしまいます!」
すると王様がしょんぼりしてます
この王様大丈夫か?
古代長耳族
平均寿命1万2000歳
平均物理攻撃C~B
平均魔術攻撃A+~S
ハイエルフの上位互換種族
エルフ系種族から尊敬をされる種族
基本的には異世界のとある森に住み、聖域を守る存在
だが見聞を開く為に旅に出る物好きがソコソコいる
物理攻撃は苦手だが魔術特性が高く、精霊が見える
5000年前の大厄災の時、人族やドワーフ、獣人族を出来る限り保護した心優しき種族・・・怒らせるとめっちゃ怖い、怒らすと20人で国を落とすこともある
次話「欲望と突っ込み」