とあるコックと中毒者増加中
今回は村民の避難先のとある料理人の戦いです
決してキッチンの道具や食材で爆弾を作り1人でテロリストを無効化する元特殊隊員とかは出てきません
女将さん視点
ココは船の中なんだよね?
船の中なのに明るいよ!良く見ると天井にある長細い棒が光ってるみたい
一応、魔石を使った照明器具は有るんだけど魔石が高くて一般人は買えないんだよね
持ってるのは、貴族や大店の商店の店主、王族だね
この船には、ありとあらゆる所にあるよ、どんなお金持ちの軍隊なんだい?
「では、あなた方の居住区に案内しますので此方へどうぞ」
そういい、緑の斑模様の防止を被りTシャツを着た軍人さんが案内してくれます
するとそこには凄く大きな空間が広がり簡易的な布で出来たベットがズラッと並んでます、そしてベットの間には衝立が等間隔で並んでいて一応プライバシーは守れるみたいだね
「一応一人一つ用意しました、足りない場合は言ってくれれば追加で用意します、食事は一日三回用意してます、食事の用意が出来次第、館内放送で連絡しますので移動の準備だけお願いします、お風呂は狭いので20人ずつ時間差でご案内します」
はい?今なんていったんだい?お風呂?あんなものは貴族が入るものだよ!奴隷を使って水を運んで薪でお湯を沸かすか高位の魔法使いに頼んでお湯を沸かすしかないからね
「ねぇねぇ女将さん、ここの宿泊費どうなるんだろう?ご飯とかもタダじゃないだろうし、お風呂なんて入ったこと無いからいくら取られるかわかんないよ」
「そうだね、もし高かったらお風呂は遠慮しておこうね、さすがに食事を抜く事は出来ないし」
まぁ食事ならそんなに高くないだろうしね、まぁ今悩んでも無駄だよね?
2時間後
『みなさんお昼の準備が出来ましたので移動の準備をお願いします』
と大きな声がするよ、どんな魔法だい、確か王都の軍に声を大きくする魔法道具があると噂を聞いたことが有るけどそれかい?
そんな事を思ってると、斑模様の帽子を被った女性が
「では、移動しますので一列で付いてきてください」
そして、第4食堂と書かれてる食事場所に着くと、男性がお盆を渡してきますね、どうやら順番にご飯を係りの人が渡してきてくれるようです
どうやらメニューはライスに茶色いソースをかけた物にサラダ、黄色い輪の果物(?)ですね
しかし茶色いソースからお腹の減るいい匂いがするよ!うちの店でも出したいね
全員が席に着くと村長が
「では、皆感謝を込めていただこうとするかい?神様、日々の僅かな糧をありがとうございます」
「「「ありがとうございます」」」
・・・
・・
・
「「「「「「「「「「「「「!?!?!?!?!?!?!?」」」」」」」」」」」」」」」」」
全員のスプーンが止まりました
なんだい?この食べ物は?長年料理をやってる私は判る、これ香辛料が入ってるよ!!!!
「すみません」
「ハイなんでしょうか?」
「これ香辛料がいっぱい入ってますよね?」
「そうですね、カレーライスですから、色々香辛料が入ってますよ?、もしかして辛いものは食べれないのですか?ソレは申し訳ございません、今回は別のものが用意できませんが次回の晩御飯からは辛くないものを用意しましょう」
「いやいや、凄く美味しいんですよ、ただこれだけ香辛料使ってる料理の代金を私たち持ってないんだ」
すると案内してくれた女性が目を点にした後にっこり笑って
「大丈夫ですよ、艦長から「一切の不自由を与えるな」と命令を貰っているので代金は一切いただきませんよ」
「タダなのかい!?これだけ香辛料使っているのに?もしかして私たちに特別に出してるんじゃないだろうね?」
「はい、無料ですよ、それにこの料理は毎週金曜日には毎回出されてるので、そんなに特別な料理じゃありませんよ、あと宿泊費とか滞在費とかも無料ですのでノンビリすごしてくださいね」
ソレを聞いてた回りがホッとした表情になってカレーライスを食べていきますね
しかしこれだけの香辛料を使って無料とか、村に帰れたら日本軍と取引して香辛料を仕入れたいね
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揚陸船「六所」生活維持部調理科
どうも初めまして私は今野雄二です
六所のキッチンの総責任者を務めて20年になります、みんなからはオヤジとかおやっさんとか呼ばれます
これでも5年に1回の海軍カレー料理コンテストで2回も優勝した腕なんです!
まぁソレはいい
reaatの連中は普段激務をこなしてるので飯は重要です
飯が美味しければ、士気は上がる、部隊内のイザコザが減る、そしてその結果生還率が上がる、だから飯を作る、ソレが俺の任務だ
そして俺は昨日の夕方セントラルキッチンで飯を作ってるとreaatの維持要員の隊員から
「今野さん紡儀大佐がお呼びです」
ん?珍しいな現場の上級士官から呼び出しとは、
「おい!なべを焦がすんじゃねぇぞ!」
「「ウィー!シェフ!」」
そして、紡儀大佐のオフィスに顔を出すと紡儀大佐が書類から顔を上げます
「おやっさん、すまないね呼び出してしまって」
「大佐との仲じゃないですか、全然問題ないですよ、で、どうしたんですか?」
「実はな、数時間後に現地住民を避難民として受け入れることになったんだが、食事の用意は出来るだろうか?明日の昼からでいいんだが」
「用意だけならまったく持って問題ないですよ、それに明日は金曜日なのでカレーライスですしね、ただ現地住民が食べられるかどうかが判らないっすね」
「そこは取り合えずカレーを出してもらって食べれなかったら意見を聞いて次回に反映する方向で行くしかないな、それに現地の調査をした第2分隊の報告によれば食事は我々とそんなに変わらないそうだ、から揚げとパンのチーズオーブン焼き等々がでたらしい」
「じゃあそこまで問題ないですな、ちなみに人数は?」
「正確にはわからないが1400人~1600人だと思う」
「判りました、海軍1番のカレーの味を味合わせてやりますよ」
「よろしくたのむ」
さぁ忙しくなるぞ!
次の日お昼
続々と現地住民が第4食堂に集まってます、第4食堂は緊急時に医療施設にする為に広く造られてます、食事だけなら2000人ほど入れます、一般隊員も普段はこの第4食堂を使ってますが
しかしあれです、普段は配るのはコックの下っ端や当番製の一般隊員がするのですが今回は異世界人が食べると言うことで俺みずから配りに出てます
そして配り終え全員が席に着くと、白髭で兎さ耳のおじいさんが
「では、皆感謝を込めていただこうとするかい?神様、日々の僅かな糧をありがとうございます」
そして、皆が一口食べるとスプーンが止まる
何があった?不味かったのか?
「ちょっとキッチンに行って味を確かめてくるからここは任した」
「はい、シェフ」
部下に任せキッチンに移動し味をチェックするがいつも通り美味しい味です
なんでだろうか・・・・凹むわ
すると部下がキッチンに入ってきて
「シェフ!完食です!むしろお代わりで暴動が起きそうです!」
まじで?
「ここにあるカレーすべて持ってけ!」
来週用に造ったカレーをすべて持って行く指示をだしました、今日のほかの隊員のカレーと来週のカレーどうしよう?
まぁ今は原住民の笑顔がある事を喜ぼう
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そのころの第2分隊
「カレーが食べたい!先週も食べてない!」
と黄
「この任務が終われば来週は食べれるわよ、それにおやっさんに余ってないか聞いてみてあったら貰えば良いじゃない、いつも次のカレーに継ぎ足し用に余らしてるからね」
と緑
確かに最近食べてないな
あれは旨い!たぶんだが牛のスジ肉をコトコト煮てブイヨンを取り出し、十数種類のスパイスを牛脂で炒め、野菜を煮込み、丁寧に灰汁を取ってるんでしょうね
あー、カレーが食べたい、オヤッサンのカレーだ、アレのために日々帰ろうと思えるんだ
次話「ゴルフボールとエイリアン」