潜入調査開始
一週間後
揚陸強襲艦「六所」地上作戦司令所
現在第2分隊の面々が紡儀大佐に呼び出されていた
「という事が村の現状ですね、文明レベルは地球での中世レベルで魔法が存在します」
「ふむ」
紡儀大佐は資料を眺めながらうなずく
「あと村の中で何かかしらの感染症が蔓延してるみたいですね」
「あぁ、その件は原因が判明してる」
「詳しい話を聞いても?」
「答えは水質調査していた14分隊が持ち帰った水の中に居たボウフラの中にいた」
「もしかしてマラリアですか?」
と桃、さすが感染症のスペシャリストです
「あぁその通りだ、しかし艦隊の医療部に特効薬もあるし、森の調査をしていた分隊からキニーネの木も発見されている」
マラリア
熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症
感染は媒体感染で主に蚊が原虫を運ぶが、血液感染でも感染する
対処としては蚊に刺されないようにするか、予防薬の投与が一般的
地球では年間150万人ほどの死者を今でも出している
小説では注射での投薬ではなく錠剤での予防薬が開発されてる
「では、経口感染や空気感染の心配はないんですね?」
「あぁ、この世界にも蚊やマラリア原虫が居るとは思ってみなかったがな、まぁ今後、上陸する場合は必ずワクチンを投与するように」
「了解しました」
「で、今後なんだが第2分隊は村人と接触、交流をしてほしい」
「大丈夫なんですか?」
「わからんが、第4艦隊は初期の目標として浜辺から草原部分に基地を建設したいと思ってる、それには出来れば現地民の協力、最低でも土地の使用許可がほしい」
「軍力で制圧したらどうなんっすか?」
と蒼
「後々どっかの馬鹿みたいに「謝罪と賠償を!」とか言われたらメンドクサイし、戦争の火種は作りたくない、だから制圧は最終手段として考えている」
「「「「了解」」」」
しかし感染症は怖いですねー
ちなみに世界で一番人を殺したのは一説によると核でも銃弾でもなく、BC兵器やウイルスによるアウトブレイクと言われてまねー
しかし、村が感染してるとなると、これを利用してもいいかもしれません
「大佐、村人と接触に関して2,3お願いがあるのですが」
「なんだ?」
・・・・
・・・
・・
・
「判った、では今回の村への接触、信頼関係の構築に関しては赤井1等軍曹に一時的に現場に限定の上、中佐相当の指揮権を与える、ただし基本的に緊急時を除き私に一度相談しろ」
「了解」
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現在前回車両を停めた所にもう一度停めて、道を歩いている
「じゃあ、打ち合わせ通りにいくからな」
「了解」
2時間後
「ん?人間だ!人間が6人こっちに来るぞ!注意しろ!」
「なんだ?あの格好は?」
「リエット!警備所に行って隊長を呼んで来い!」
そう言うと犬耳の男性が門の横に吊り下げられた金属の板を金槌で叩き音を鳴らす
カンカンカンカン
しかし第2分隊は走るのを辞めずに
「おい!村だ!!」
「助かった!」
「み、みずをください!」
そう言いながら剣や槍を構えた門番の2mほど前に座り込む
「お前ら!ココに何しに来た!?」
「み、道に迷って・・・助けてくれ!」
「武器は持っているか?見た目はナイフと杖しか持ってないようだが・・・」
「あぁナイフだけだ」
「とりあえずナイフを外してこっちに投げろ」
赤たちがナイフを外して村人たちの足元なげる
「あとで返してくれよ、高価なやつなんだからな」
まぁ正直、銃火気は杖と勘違いされてるみたいなので、黙っているのだが
「それでお前らは何処から来たのだ?」
「ココから2,3時間歩いたとこにある浜辺にからだ」
「船?あのクラーケンのでる海を船で来たのか?自殺にも程があるぞ」
「そ、そうなのか、で村に入れてくれるのか?」
「ちょっと待ってろ、今警備の責任者がくる」
5分後
ケンタウロスがこっちに向かってくる
「警備責任者のリガルドだ、お前ら何処から来た?」
「ニホンと言う所だ、船で海を渡ろうとした所遭難してここにたどりついた」
「ニホン?何処だ?聖王国の人間じゃないのか?」
「何処だそれは?」
「・・・・嘘は付いてない様だな、よし!入村を認める、ただし警備団の人間の監視をつける、いいな?」
「あぁ問題ない、ただ俺らこの国の貨幣を持ってないんだ、何か買い取って貰う物は在るだろうか?」
「貨幣がないのか・・・魔石とかも無いのか?」
「魔石ってなんだ?」
「魔石をしらんのか?魔物を倒した時に魔物の体から取れる魔力を溜め込んだ石のことだ、本当にお前ら何処から来たんだ?」
「桃、この前倒した蜂から取れた石を持ってるか?」
「はい、これです」
と、蜂から取れたよくわからん器官を出してくる
「おぉぉ、ってそれはビックイエロービーの魔石じゃないか!?よく倒せたな?」
「あぁ偶々な」
「それなら1つで6000ガルで売れるぞ!ただこの村では冒険者ギルドが無いから買い取りは出来ん」
「まじか、どうしよう」
「そこでだ、俺がそれを買い取ろう!何個ある?」
「20個ぐらいですかね?」
「20個!?!?!?!どれだけ倒したんだ?」
「40匹ぐらい?残りは砕けたりして駄目になってしまいました」
本当はサンプルとして鞍馬の研究施設に預けてある
「お前ら強いんだな、40匹の群れならCクラスの討伐依頼だぞ、お前ら冒険者なんだろ?クラスは?」
「冒険者?いやただの軍人だ」
「なんで軍人が船に乗って旅をしてるんだ?」
「いや、ただ嵐に巻き込まれて助けを求めてるだけだ」
「そうなのか、まぁいい、とりあえず村唯一の宿に案内してやる、付いて来い」
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宿
「ようこそ獣人の隠れ村亭へ」
と、そこには狸らしい耳をつけた恰幅のいい女将さんがいた
「よろしくお願いします!一泊いくらですか?」
「うちは安宿でね、素泊まりで一泊2000ガルで1日2回の食事付きで一泊2500ガルですよ、お湯がほしければ1つの桶で300ガルよ」
「じゃあ食事付きで4日ほどお願いします」
「あいよ、部屋は一人部屋6つ?それとも6人部屋?」
「6人部屋一つで」
「じゃあ6万ガルね」
と、ソロバンに似た計算機を使って計算してくれる
「・・・・すみません。通貨価値がわかりません」
「ははははwじゃあこれだけ貰っていくよ、」
と、銀の硬貨を6枚持っていく
じゃあ3階の階段から見て2番目の部屋だからね、食事は1日2回まで日の出から夕暮までだったらいつでも食べれるからね」
「ありがとうございます」
そういい三階の部屋に向かっていく
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艦内ネットワーク仮想会議室
そこには第二分隊からリアルタイムで撮られてるビデオ画像と上空8000mに飛行中のグローバルホークから撮られてる画像が表示されている
「とりあえず、初接触は上手くいった様だな」
「ですね」
「問題は通貨価値や文化の問題だな」
「まぁ今は推移を見ましょう、バックアップの準備は出来てるのでしょう?」
「あぁ、上空には何か不測の事態に合わせてA10地上攻撃機とreaatの3個分隊が待機中です」
「よろしい」
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部屋
「よし、これから調査を開始する、黒と蒼、桃と黄、緑と俺のペアだ」
「「「「「了解」」」」」
「いいか、散歩と言って村を歩いてカメラに撮影しまくれ、桃は出来れば感染症の患者を集中して見てきてくれ」
「了解」
「黒と蒼は作物や水、料理などを頼む」
「「了解」」
「俺と緑はこの村のトップと話せないか画策してみる、では現在1100時、1700時には一度この宿に集合だ、何かあれば無線で連絡を」
「「「「「了解」」」」」
A10地上攻撃機
双発、直線翼を持つアメリカ空軍初の近接航空支援(CAS)専用機。戦車、装甲車その他の地上目標の攻撃と若干の航空阻止により地上軍を支援する任務を担う
通称
サンダーボルト
武装
劣化ウランを弾芯とした30mm徹甲弾を使用するGAU-8アヴェンジャーガトリング砲
ハードポイント(兵装類を懸下して機外搭載するための取付部)11箇所