修行と赤の過去(1)
虐待ダメ!絶対!
閉店過ぎまで喋ってた俺らは女将さんに叩き出される形で退店する
そしてreaatが貸切ってる宿に到着すると、他の分隊と合流する
ほかの分隊も観光に飽きた連中も簡単な依頼を受けたりしてる
そして、今日新たな元日本人に会った事、俺たちでも諦めてた魔法が使える可能性が出てきた事を伝えると
「マジか!?」
「ファンタジーの世界キター!」
「これでクソ重い手榴弾を持ち歩かなくて済む!」
などの声が上がる、実際爆発系の魔法が使えれば、それだけ持ち歩く量が減り、それだけ隠密性や他の装備を持つ事が出来、特殊部隊としてはデカいアドバンテージを得る事になる
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次の日
待ち合わせ場所の冒険者ギルド併設の食堂で朝ご飯を食べつつエクレアを待っていると串焼きを食べながら現れる
朝から肉かよ・・・胃もたれしそうだな
「行くわよ」
そして、着いて行くと冒険者ギルド並みにデカい建物の中に入っていく
外観は冒険者ギルドと同じなのだが、掛かってる看板が冒険者ギルドは剣と盾だったのに、ここの看板には、杖と尖がり帽子が書かれてた
「この施設は初めて?ここは魔術師ギルド、魔法使いが所属するギルドよ」
確かにローブや杖を持ってる人たちがたくさんいる
そしてエクレアは受付嬢に一言二言喋るとギルドの裏側にある建物に入る
そこは訓練場なのか体育館の2倍はある広さの砂場があった
「ここは魔術師ギルドの訓練場よ、壁は対魔石と結界魔法、並みの魔法じゃビクともしないわ、そしてココを3週間貸し切りにしてるわ」
3週間・・・長期休暇ギリギリじゃん・・・終わった・・・
「じゃあ、一列に並んで座って」
そう指示をされたので座るとエクレアは魔法空間から樽を取り出し蓋を開ける
「中身はただの水、第一段階の修行終了の条件は「この水を飲む」よ」
そんなんでいいのか?
「ふふふっ、そんな簡単でいいの?って顔ね・・・まぁ感じてみなさい」
エクレアはそう言って目を閉じ頭に手を乗せると
「意志を魔力に変換・・・、肉体と魔力を切り離す!」
ドクン!
一瞬、心臓と脳みそが爆発したと錯覚した後、目の前が真っ暗になり気絶したことに気付く・・・
おかしい・・・気絶してる事に気付いているのだが、意識はハッキリしている、いや違う、なんというか、そう微睡の中に居るような感覚だ
しかも、いわゆる悪夢だ
これは赤の忘れもしない、小学生低学年時代だ・・・
まだ親が居た頃の記憶、まぁ親と書いてクズと呼ぶぐらいだったな
俺の親は平凡なサラリーマンだったが熱心な愛国者で俺を軍学校のエリートコースに入学させようとお受験をさせたが、見事に落第、それからだった狂ったのは公立学校に通い、帰宅すれば深夜まで勉強、しかも普通の勉強だけではない
中学は士官育成エリート校に入れようと戦略、戦術を叩き込み、学校のない土曜日曜祝日は体力作りの為ボクサーも真っ青の地獄のランニングと格闘技、しかも親は原付バイクで追っかけてくる、少しでも遅れればケツを容赦なく竹刀で叩いて来る
そして学校のテストで95点以上取らなければ晩飯は無し、真冬でも裸でベランダに設置された南京錠付き大型犬用の檻に叩き込まれた
しかしこんなのはまだ序の口だった
小学校高学年になり親からの課題は相変わらずだったが、罰が増えたのだ
熱湯をかけられる、洗濯機に入れられグルグル回されるetc・・・
その頃だったか?学校帰り1時間ほどだが学校近くの裏山に行き、野良の犬や猫を虐待し始めたのだった
今思えばストレス発散の自己防衛だったのだろう
まぁ血が争えないと言えばそれまでだのだが
そして、一回目の転機が訪れたのは小学校卒業半年前だった、数年前からアジア内陸の軍事情勢がきな臭く、尖閣諸島や台湾付近での小競り合いが勃発していたのだが、いつものように裏山からの帰りだった、空襲警報が鳴り、住民が近くの公共地下避難施設に入って行く、しかし俺は空襲が始まりソコらで爆発や火の手が上がるのを横目に家に走って帰る
そこで見たのは家が吹き飛び、瓦礫が散乱している自宅だった、そしてもう一つ両親だったものだった・・・
しかし、俺の精神はぶっ壊れてるのかソレを見ても何も感じない、と言うかむしろ喜びすら感じている・・・
取り敢えず、そこら辺にあった石を拾うと一発だけだが投げつけておく、そして急いで近くの避難施設に避難した
そこからは、軍と警察の復興部隊が瓦礫を撤去し国からの支援金と養護施設に入れられ軍運営の普通中学に通うことになったのだった
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