宗教と爆破事件
強くなるか、課題だな・・・確かに高ランク冒険者は凄い、12,7mm弾で倒せなかった魔物すら剣で叩き切ってしまった
それに身体能力、速度も遅く低高度とは言え飛行中のオスプレイから飛び降りてもケガをしなかった・・・
ほかにも草原の狼の連中はランク9にもならないが精霊魔法やマジックアイテム、などを駆使して対多数戦でも余裕で戦えてた・・・
どうしたもんか・・・
「強くなる方法ならあるぞ?」
と、いきなり答えを出すウェンディ
「はい?どんな方法だ?」
すると指を二本出して
「二つある、一つは単純、魔法道具や魔法剣を使う方法、これは高ランク者なら少なくても一つは持ってる、草原の狼は多数所持してるみたいだがな」
「ふむ、二つ目は?」
「魔法「身体能力向上」を取得する方法だな、これも高ランク者なら誰でも使っている、文字通り身体能力つまりは握力や持久力、速度、耐久能力を魔力で強化してやる魔法だ」
なるほどなぁ
「なんでそんな事知ってるんだ?元々冒険者じゃなくじゃじゃ馬姫だったのに」
ウェンディは苦笑すると
「その事は言わないでくれ、昔の私は何も知らない箱の中の姫だったなぁ・・・、まぁ姫をやっていた時、謁見や御前試合でラック8や9、一回だけランク10の冒険者も見たな、その時話を聞いたんだ」
「どうせ試合を挑んで勝たせてもらったんだろ?(笑)」
「あの頃は本当に世間を知らないガキンチョだった」
遠い目をしている・・・・
「とりあえず身体能力向上の魔法だなぁ・・・・魔道道具は見当もつかん・・・」
「だったら魔法ギルドに指導員を派遣してもらったらどうだろうか?あそこなら人員育成もやってるから金さえ払えば教えてもらえるはずだ」
「ふむ・・・紡義大佐に相談してみよう、予算おりるかな?」
異世界に来てから日本軍の予算は正直ギリギリの運用だった・・・何せ日本軍は自力で予算を獲得しなければらず、香辛料や食料の販売、冒険者活動による収入しかなく、一応給料や食べるものには何とか苦労はしないが、余裕はなかった・・・人間生きるだけでも金はかかるのだ
ーーー
その日の夜
そこにはパエリア王国内務局局長であるズーの胸に付けられた邪神教のシンボルのネックレスと同じネックレスをした男たちが火の魔石や風の魔石を使った魔道具を設置していた
そして、魔道具の上には彼らが信望する邪神様の肖像画が乗せられ、男たちは夜の闇に消えたのだった
数時間後
爆発!
ヤマト公都19か所で同時に爆発、政府関係施設6か所、温厚派と言われる宗教施設10か所、日本軍の施設である市場の2か所が爆破させれたのだ・・・ただし1か所は日本軍の重要施設だったので秘密裏に設置してあった顔認証システムでひっかり憲兵に職質をした所、暴れたので武装を解除し拘束したので被害は無かった
ただし、reaatの偵察の結果、秘密裏に暗躍してたズーと一緒のペンダントを持っていたので今回早い段階で邪神教のテロと判明したのだった
・・・
・・
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リ―デレ公国 中央城
ここは、民主主義をとってるリ―デレ公国において他国の王城と同じ機能を担っている所で各政務の部署が設置してあったり、外交上の特使などの滞在施設がある城である
ちなみに普通の国では王とその家族が住んでいるがリ―デレ公国では女王ですら定住しておらず(仮眠室で仮眠してる奴はいるが)もっぱら政府関係者しかいなかった
そして警備は厳重、日本軍から警備の訓練をみっちり受けた専門の軍人とパエリア王国から移住してきた城付きのメイドや執事が働いている、他にも移住してきた魔族の戦闘メイドや近衛執事も働いていた(各国の大使や宗教関係の要人の世話役の為)、このリ―デレ公国では個人での差別はまだまだあるが、国政としては差別は撤廃(犯罪奴隷は除く)、誰もが同じ職場で働き、同じ飯を食べていた
そして普段はメイドなどもそう多くは仕事が無いのだが今回の同時爆破事件テロの説明を求める宗教関係者、しかも大きい所では総本山から直々に幹部の連中や小さなところに至っては教祖自ら説明を求めに来ていたので、メイドや執事は火を付けたように慌ただしく働いていた
その説明対応の為フォルクス女王を含めた各局の局長が集められ大会議室で説明が行われていた
代表して内務局の局長が発言をする
「今回、同時爆破事件についてですが犯人の一人が日本軍の施設に侵入し日本軍に拘束され、尋問した所「邪神教」の犯行と言うことが判明さしました」
「「「「「ざわざわざわ」」」」」」
「邪神教じゃと?あれは滅びたんじゃないのか?」
「国王会議の宣言で総本山は殲滅されたのでは?」
「人の心までは縛れぬというからのぉ」
「え~次に騎士団長から発言です」
「今後なのですがリ―デレ公国の各都市には騎士団員を指揮官とした軍の混成部隊が治安維持、各宗教施設の警備を担当します」
すると各国支部がある宗教幹部で色んな豪華な装飾を付けたオッサンが
「・・・・教会自警団の入国を認めてもらえませんか?」
(やはりそうなるわねぇ)
教会自警団とは各教会が独自に運営してる組織で重要人物や施設の護衛を任務としている、教会には経典や貴重な魔道具、貴金属で作られた神具などがあり盗難などの被害が多発したために組織された
ただし、やはり裏では異端審問と称した殺人や異教徒を認めない教義がある場合小競り合いなどに発展した事件が星の数ほどあった、ただ国や貴族、領主に多額の寄付をしていたり、貴族が入信していたため表に出ない場合が多い
「王女のフォルクスです、今回の事件は重大な事と認識しております、そこで条件付きではありますが入国を認めます」
「条件とは?」
「まず人数ですが、後日宗教管理局から通知させてもらいます、そして必ず混成小隊1つに対して自衛団員3名の編成で行動してもらいます、3つ目はこの国の法にのっとって行動してもらいます、絶対に「聖戦」など起こさないで下さい、そして最後に一番重要な事ですが、「魔族」「亜人族」「人族」「獣人」の差別はしたら行けません、もしどれかに抵触したら例外なく活動許可を停止、公国から追放処分とします」
オッサンや大きな宗教関係者は不満は有りそうな感じだが、ここら辺が落とし所と思い、承認する
そして、今度は普通の町娘みたいな若い女性・・・まだ女の子と言っても過言でもない犬耳族の女性が発言する
「私も質問があります」
「なんでしょうか?」
「我々は小さな宗教なので教会自衛団が無いのですが・・・」
「大丈夫です、先ほども言いましたが騎士団員を指揮官にした軍の混成小隊が警護します」
「そうではなく、お金が・・・」
「あぁ、大丈夫です混成部隊の費用は全てコチラで持ちます、まぁ出来れば休憩する場所と水ぐらい提供してくれればうれしいのですが」
「そ、それくらいなら・・・」
最後に宗教管理局の局長が発言する
「今後我々は邪神教、壊滅を第一目標に行動を開始します、各関係者にはご迷惑を掛けますがしばしの忍耐をお願いします」
このリ―デレ公国の声明は宗教関係者にとって好印象となり、さらに色んな宗教が集まるようになった
そして、その日から街中を通常の見回り任務以上に重武装にして教会自衛団を連れた混成小隊が街中や宗教施設を警戒している姿が見らるようになった