負傷
2ヵ月後・・・・
あれから赤井たちは通常任務のため日本が統治している地域の治安維持パトロールに当たっていた
軽装甲車両、通称LAV、屋根の銃座にはM2ブローニング重機関銃が鎮座している
運転席には蒼が座り、俺は助手席に座っているが、どうも愚痴が多い、
どうやら蒼はドライビング中毒らしく、スリリングな運転がしたいらしい
「平和っすねー・・・」
確かに平和だが
「いいじゃないか、平和で」
今走行してるのは元々北朝鮮という独裁国家のあった首都
現在ではピョンヤン市と呼ばれてる所であった
治安は凄く悪い、反日ゲリラがウヨウヨいる
どうやらゲリラは
「第2次アジア大戦は日本のせいだ!」
「謝罪と賠償を!」
と、主張してるらしい
まったく持ってくだらん、原因はお前ら北朝鮮人が韓国に攻めたのが原因だろうに・・・
そんな事を思っていると銃座付いてる緑が蒼に話しかける
「そんなに飛ばしたいなら航空隊にはいれば?あれならマッハ1,5は出せるわよ」
「空は苦手なんだよ、ジョイスティックじゃなくて丸ハンドルが俺はすきなの!」
まったく持ってわからん感覚だ
そういえば後方右側に座っている黒は凄い静かだな、何時もなら甘いものが食べたいとか、帰ってDVDが見たいとか言っているのに
そしてふと黒を見てるとチョコレートバーを食べていた
規律違反なんだがこれ位なら目を瞑ろう
こいつは隠れて孤児に自腹でチョコレートバー買って配っているのはみんなが知っている
実はそのおかげで孤児からのゲリラの情報提供があったりして助かったりしてるのだ
なので目を瞑っている、給料もみんなよりちょこっとだけ上司権限で少し多くしてたりする
黄というと、ウェアラブルPC見ていた、他のチームの位置情報でも見ているのだろうか?
正直俺はPCはインターネットするぐらいで詳しくないんだよね
黄は、自分でプラグラムを組んだり、PCを組み立てたり機械に凄く強い、そのうち情報部に異動でもするんじゃないか?
昔一度だけ酒の席で聞いた時は
「PCとかは好きだけどそれ以上に銃撃戦に憧れて入隊したから銃撃戦のない情報部には興味はないです!
だそうだ、ぶっちゃけ言葉だけなら凄く危ない奴だ
まぁこいつも銃撃魔じゃないから問題はないのだが
そんな事をしてると、ピョンヤン市でも孤児が多く治安の悪いスラムに差し掛かり、蒼が車を止める
ここからは、車と徒歩でパトロールだ
「蒼と緑はこのまま運転、俺と黒と黄は徒歩でパトロールだ、降車!」
そして、車は徒歩に合わせ徐行しながら追走する
5分後
黒の回りには子供が15人ほど群がってチョコバーを奪い合っている
「隊長~助けて下さい~」
しらんがな
「無理だ!」
「そういえば、AKを持ったゲリラを子供が見かけたらしいですよ~」
そう言う情報は先に言えよ!
「黄!無線でパトロール隊に連絡しとけ!」
「はいよ~」『パトロール全隊員へ、こちらFK24、ゲリラの情報あり、注意されたし』
『了解』
そんなこんなで何事も無く
スラムの出口に近づくと、
銃声と共に黄が吹き飛ぶ
まじか!
「狙撃だ!隠れろ!」
と言うと俺と黒が車の影に隠れるが何処からかわからん
「狙撃手は確認できたか?」
「FK22(黒)確認できません」
「FK23(緑)無理です、」
「Fk25(蒼)だめです」
さすがに不意打ち1発目だとわからないな
「FK24無事か!?無事なら無線で連絡して来い!」
『こちらFK24無事です、胸の防弾チョッキで止まってますが肋骨折れたっぽいですね』
『ならよし!そのまま死んだフリしとけ』
『ひでぇ、まぁここで休憩してます』
ここで下手に救助行動すると鴨撃ち戦法で殺されかねないからな
そして、全員が回りの建物を監視してると、閃光と共に銃声が轟き、黒が崩れる
「黒!大丈夫か!?」
「大丈夫です!肩に命中しましたが綺麗に抜けてるので戦えます!」
「よし!こっちに来い!緑!援護しろ!」
「「了解」」
そして緑がM2重機関銃を閃光があった方に乱射し始める
黒がこっちに駆け寄り傷口を確認すると、どうやら5,56mmの鉄鋼弾のようで体内で止まってるわけでもなく反対側から弾は抜けてて
出血はあるものの命に別状はないようで、取り合えず応急処置をします
取り合えず医療キットから止血剤の粉を振りかけ、上から軟膏付きのガーゼを貼りつけます
「痛いが我慢しろ!」
「お手柔らかにお願いします」
すると無線で緑から
『いい子にしてたら帰ったら飴玉あげるわ』
『すき焼きがいい』
取り合えず軽く殴っておきましょう、ヘルメットの上から
ゴン!
「それだけ軽口をだせるなら大丈夫だな、緑!敵を狙撃できるか?」
「場所は確認してるので余裕です!」
「では、援護するから、ライフルを持って来い!黒はそのまま待機、蒼はこっちに出て来い!」
そう言うと蒼が運転席から出てきて、よってくる
「緑が後部ドアからライフルをとってくるから一緒に援護だ!」
「了解、黒機銃を借りるぞ」
「俺の彼女(銃)を大事にしてくれ」
「寝取ってやるぜ」
なんでこいつらは緊張感がないんだろうか?
「援護開始!」
そういい、敵のいる場所に向かって乱射しつつ、
「緑!いまだ!」
「了解」
そして緑が後部ドアから出来てきて、自分の足から肩ぐらいまであるライフルを取り出しボンネット上にバイポットを展開して構えます
M200チェインタック、対物ライフル、2km先すら狙えるボルトアクションライフルですね、ぶっちゃけ弾にあたったら痛みも感じずにあの世に行けます
「援護中止!」
そして乱射をやめ2分後
どばん!
そんな轟音と共に10.36mmもある金属の塊が飛び出し、
「対象の排除を確認、協力者は無し、安全です」
「よし、すぐに黒を基地まで搬送するぞ、黄は動けるか?」
「大丈夫です」
そして、車に乗車し基地に帰る
で、そのまま医療チームの所に担ぎ込みすぐに手術が始まりました
「黄泉くんは、肋骨の先っぽ、まぁ軟骨部分を折ってるね、まぁ通常任務なら問題ないね」
と、初老の女性が教えてくれます
この女性室井、通称魔女、昔陸軍の研究所で働いていた経歴があり、どうやら噂では人体実験をしていたらしい
「問題は黒田君ね、一応命に別状は無いけどあと2時間遅れたら出血多量で死んでたかもね、
1ヶ月の入院ね、」
一ヶ月かー、休暇か別の隊員をいれるかですね、まぁ有給が溜まってるので全員休暇で問題ないでしょ
「赤井君、分隊にはもう一人枠があるでしょ?悪いことを言わないから医療兵を入れなさい」
「そうですね、今回の事もあるし以前から考えていたからな、いい機会だ、誰かいい人材はいないか?
「ちょうどいい人材がいるわよ、元陸軍普通化連隊出身で現在この医療所で働いてるわ」
と一枚の神を渡してきます、どうやら履歴書らしいですね、写真部分には魔女がピースして写ってます
「BBAじゃないかよ!」
「あ’ぁ’?」
怖いです、ゲリラ一個師団をあいてにしてる方がましです
「ごめんなさい」
「冗談よ、こっちが本命」
ともう一枚の履歴書を渡してきます
「ほう、いい感じじゃないか、まぁ仲間と相談して、その後面談してからだな」