ゴギトエルスムとエメス
捕らわれた羊耳族を助けようと決心するがどうにもこうにも、ゴーレムの数が足りない手持ちのトレンドの枝は人間の大きさゴーレム15体分、トレンドの枝を細かくすればもっと作れるけど、作れるゴーレムも小さくなってしまう騎士団や傭兵と戦うには最低でも人間大は欲しい
今から森でトレンドを狩ってゴーレムを増やそうか?いや、そんな事をしてる間に羊耳族のみんなが売られてしまったら救い出すのは至難の業になっちゃう・・・・
?そう言えば草原でスリーピングドッグのみんなを救った時には核は使ってなかったような・・・どうやったんだっけ?
・・・・いやいや、今判らないことを考えてもしょうがない、今最善の策を考えなきゃ・・・おババ様・・・
と、チラッとおババ様の遺体を見る・・・そういえばおババ様はこの角を売って逃走費用にしろっていってたな・・・
【竜の角は凄く性能のいい魔法媒体じゃ、細かく売れば当面の費用にはなる】
「すごく良い魔力媒体!!!!」
角に駆け寄り魔力を試しに通してみるとトレンドの魔力媒体である枝と違って抵抗が無く、すんなりと魔力が行きわたるのが解る
でも、問題は大きさだね・・・どうしよう
直径50cm長さ2mぐらいある・・・こんなんでゴーレム作ったらちょっとしたロボットににっちゃう・・・
そこで、床に落ちていた手斧を手に取り竜の角に振り下ろし親指大の大きさに砕いていく
角は思ったよりも固いのだが何とか砕くことができ、魔力を込めつつ形をイメージする、今回は戦闘になると言う事で日本の戦国時代の鎧を付けた石人形にした
そして命令は・・・・
「羊耳族を保護」「騎士団・傭兵団の殲滅」「敵対する者の排除」「ドラヨン男爵の捕縛」
この四つだ、正直この命令で細かいところまでカバーできるか不安だけど・・・
「よし!行け!」
号令をくだすと約7000体のゴーレムが近くの都市レイルートへ向け進軍を開始するので私も同行する
・・・
・・
・
レイルートに到着し早速だが戦闘が開始される、外壁からは魔法や弓、バリスタが飛んでくる
しかし、半不死身のゴーレムは核が壊されない限り死なない(正確には破壊)されない
ゴーレム達は外壁にとりつき、まるで黒い悪魔「G」の様に外堀を越え外壁を登っていく・・・
そして外壁上部にたどり着くと攻撃してくる兵士を血祭りにあげて行く・・・が、跳ね橋が下がらない・・・これじゃあ私が町の中に入れないじゃん
確かにそういう命令を出してないからぁ・・・こういう時不便だなぁ・・・
そう言えば初めてゴーレムを作った時自律行動してたなぁ・・・確かこうだっけ?
地面に【emeth】と魔力を込めつつイメージを固めながらて書くと地面が盛り上がり人型になっていく、形は竜の角製ゴーレムより一回り大きく立派な鎧と兜を付けている、彼(?)はその場に膝をつき
「ご主人様、ただいま参上しました、何なりとお申し付けください」
「喋った!?」
「はい、私は御主人により意思を与えられてます」
なんでこうなった?
自律行動はまだ理解できる・・・でも喋るということは「自我」を持ってるってことだ・・・
よく勘違いされるんだけど、プログラミングとか漫画の世界で人工知能(AI)が喋ったり擬人化されたキャラが考えたりするけどそれは普通はできないんだよねぇ
あくまで人工知能は知能だけであって、「自我」は存在しない、決定権は人間側にあって人口知能に考えたり、人間側に質問をすることは無いんだけど
まぁ私も工業高校のプログラムの授業で習ったんじゃないんだけどね
そういえば・・・ゴーレムの核に書いた【emeth】って確か日本語で【真理】って意味だっけ?
もしかして・・・・この文字のおかげなのかな?
「まぁいいか・・・じゃあ命令ね、ゴーレムを5体1組で10組引き連れて跳ね橋を降ろしてきて、そのあと傭兵団ギルドを襲撃、羊耳族は保護してね」
「かしこまりました」
そんな調子で自律式ゴーレムを作り続けていく
途中で分かったのだが指で書かなくても魔力を込めてれば木の枝で書けば作ることが可能なのがわかった
そしてもう一つ、自律ゴーレムから報告が増えて処理が追いつかなくなってきたので自律ゴーレムを束ねるコマンダーゴーレムを作ろうと思った所、日本で黒歴史を紐解くと確か呪文を唱えてたのを思い出し唱えてみる
「Cogito ergo sum」
唱え魔力を込めつつemethと書くと自律式ゴーレムを更にデカくし、厳つい鎧武者が出てくる
「ご主人様、命令を」
「じゃあ自律ゴーレムを指揮して羊耳族を保護してこれが最優先ね、で、ついでに騎士団、傭兵団ギルド、違法奴隷商人を襲撃殲滅」
「かしこまりました」
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