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パラレルワールド日本軍、異世界へ行く  作者: プランc
人形遣い編
136/184

聖域の意味と避難

 案内された聖地の村は昔ながらの田舎って感じの村だっただけど・・・人がいない・・・いや、居るには居るのだけど・・・

 家の中からこっちを覗き見たり、物陰からこっちをうかがっていたりしている・・・しかし近づいて来るおっさんが居た

 

 「テュレさん!買い出し終わりましたよ」


 「ご苦労様、荷物は商店の倉庫にしまっておいてくれ」


 「はいよ」


 そう言うと馬車を商店らしき建物の裏側に移動させ、メンバーがバケツリレー方式で荷物を降ろしていく、すると「ふ」と思うことがある


 「ちょっとまってて!」


 荷物の中から木の板を出すと魔力と倉庫に運び入れるイメージを込めつつ、地面に刺すと土がせり上がり、人型(ムキムキマッチョ型)×6体が出来上る


 「ゴーレム達よ、荷物の搬出をよろしく!」


 そう号令を出すと、どしーん、どしーん、と足音を立て馬車に向かうとテキパキと荷物をリレー方式で倉庫に運び入れてしまう・・・ちなみにゴーレムの核に使った木は森の中で倒したトレンドという木の魔物で魔法の触媒によく使われるらしい


 しばらくすると倉庫の中から声がする


 「みさき~、ちょっと来て~」


 急いで中に入ると荷物が文字通り山積みになっていた、よく見るとゴーレム達が荷物を指定の場所ではなく床に積んでいた


 どうやらゴーレムはイメージ通りにしか行動できないようで、イメージが倉庫の床に積み上げるイメージだったのでその通り行動したらしい


 そして荷物の周りでヘルビーさんたちがゴーレムが運んだ荷物をせっせこと仕分けしつつ指定された場所に運んでいたので私も慌てて仕分けに参加する


 「ごめんね・・・私の命令が中途半端で・・・」


 「いやいや、馬車から運んでくれるだけで労力が少なくなるからな、助かってるさ」


 「そうそう、そんなしょんぼりしないでよ」


 「「「っはっはっは」」」


 そういいながら「せっせ」と荷物を運び2時間程度で仕事を終わらす

 

 そして商店のテュレさんに挨拶しある1軒の家にはいる


 「ここは俺たちが稼いだ金で立てた家だ」


 「じゃあ私は宿に泊まるね」


 まぁ宿と言っても私が自由に使えるお金は持っていないので家畜小屋に泊めてもらうつもりだ、外で野宿するよりはマシでしょ


 そう思いつつメンバーを見ると全員が頭の上に「?」を付けつつ首をかしげる


 「何を言ってるんだ?ミサキもスリーピングドッグのメンバーだからここに泊まればいいだろ?

 

 「いいの?」


 「あぁ・・・俺たちはもう俺たちのメンバーだろ?なにも問題はないぞ」


 そして中に入ると個室は無いものの2階には広めの部屋が3つあり、1つは客室、残りは2段ベットが置いてあり男女別々で使ってるみたいだった


 ちなみにプライベートは・・・うん、考えない事にしよう


 1階はリビングとキッチン、そして風呂・・・らしきものがあった、風呂は湯船は無く排水設備があるだけで普段はそこでお湯で体を拭いてるだけらしい


 事が起きたのは三日後の夜中だった、深夜寝静まり、自警団の夜警(主に魔獣や畑を荒らす普通の獣警戒の為)が森の巡回ルートを回ってるとちょうど森の外側付近だった


 「なんだ?あの光は?」


 森の外1kmほどに百には届きそうな光が集結し、光に照らされてるのは光の数倍・・・何百人もの武装した人族だった


 「!?、お、長に知らせなければ!」


 ・・・

 ・・

 ・


 「長!どうしましょう!?」


 「すぐに部族会議を開く!各部族の長を招集するのじゃ!」


 そして各部族の長が集まり会議が開催され結果迎え撃つことになった、非戦闘員は森の最奥地にある聖地に避難、戦闘員(冒険者経験者や自警団)は森に罠を張り、敵集団と一番近い村に防衛網(木の柵や櫓)を築くことになった


 そして、十分後にはスリーピングドッグのいる村にも知らせが届くと村が藪をつつかれたように騒ぎはじめ、女子供が最低限の荷物を持ち深部へ移動を始め、男は各々鎧を着こみ愛用の武器を手に拠点となる村に移動し始めた


 「ミサキたちはすぐに聖地へ移動してくれ」


 「え?私も戦闘能力あるよ?」


 「いや、ミサキたちは避難する非戦闘員の護衛を頼む、時間的に狩人レンジャーが偵察に出てきてもおかしくない」


 すでに最初の報告があってから数時間が立っており、下手をしたらすでに本隊が動いてもおかしく無かった、そう説明されると私も引くに引けず了承することに・・・


 そして渋々、護衛をし最奥地の聖域に着くとそこは神殿になっており、赤や青、色とりどりの光源が飛び回っていた


 「これは?」


 「これはね、精霊さんだよ、聖域って言われるのは精霊が安らかに遊べる所なんだよ~、ふだんは精霊さんのお家だから入っちゃだめなんだ~」


 と、手を引いて一緒に歩いていた10歳ぐらいの女の子や男の子が教えてくれる


 そして精霊はミサキの周りに集まるとダンスを踊るようにクルクルとミサキを中心に回り始める


 「うわぁ~綺麗~お姫様みたい!」


 「ほう、「精霊に愛されし者」が現れるとはのう・・・しかも人族だしのう・・・」


 「おババ様!」


 女の子に聞いた所、おババ様とは羊耳族のなかで一番年を重ね、一番知識のあるお婆さんの事らしい


 「それで「精霊に愛されし者」ってのは?」


 「なんと言うかの・・・曰く「世界に愛されし者」曰く「創造神の加護を受けし者」曰く「世界を変える者」言われてる者じゃ・・・」


 「意味訳ないんだけど・・・」


 「まぁ、そのうち判る、ほっほっほ」


 すると、傷だらけの羊耳族の男が飛び込んできて


 「拠点村が陥落!男の半数近くが奴隷にされた!」


 そう言うと力尽き、ドサッと倒れてしまう、そしてそれを合図に恐怖が連鎖しパニックが起きてしまう


 人々が恐怖の死神に追立られ悲鳴を上げたり走り回ったりしていると


 「落ち着けーーー!!!!!!!」


 おババ様が老体とは思えない声量で叫ぶと


 「みな、騒ぐでない、落ち着いて逆の方向へ順番に移動開始じゃ、先頭は冒険者経験者が務めよ、後方は成人女性が務めよ、左右は年配・・・お母さま方で子供を支えつつ移動じゃ」


 「「「「「はい」」」」」


 みんなが涙目に決心を決めた顔をしつつ隊列を組み始めると、外で騒がしい声が聞こえてくる、よく聞くと


 「ここが聖域か・・・」

 「女、子供は高く売れるからなるべく殺すなよ」

 などなどの声と共に鎧や武器の音と一緒に何百人とも言える足音が聞こえる・・・


 「最悪なのじゃ・・・、作戦変更するぞい、冒険者は正面入口へ終結抵抗戦を開始するのじゃ!そのほかのメンバ―は脱出、大人は子供を背負って逃げるのじゃ」


 「おババ様!入り口は一つしかないのですよ?どこから逃げれば・・・」


 するとおババ様は壁に備え付けられた蝋燭台を掴み、ガコンと下に押し下げると神殿の中央部分がへこみ地下へと続く螺旋階段が姿を現す


 「良いか?進む道はすべて真ん中の道を進むのじゃ、何があろうともな」


 そして大人が子供を背負い階段を下りていく


 



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