踊る酔っ払い亭と会議室
「な、なんだ?お前ら客か?」
「そうだ、情報が欲しい」
そういうと胸倉を掴んでる腕を振り払い
「なら先に言え!合言葉は知ってるのか?」
「いや、知らない」
そりゃそうだ、俺らは日本軍に出入りしている情報屋は中谷の情報は知らなかったので、中谷の事を知っているコイツの情報を買ったのだ、その結果コイツは昔冒険者で羊耳族の里に出入りしていたのだ、そして今は冒険者を引退して闇ギルドでチンケな情報屋をしている所まで判明しているのだ
「だったらこの慰謝料を含めて割り増しさせてもらうぞ」
「金に糸目はつけない」
そう言いつつ目の前に金貨の詰まった袋を落としてやると、そそくさと中身を確認し口笛を吹きつつ懐にしまう
「こんだけもらえりゃなんでも喋ってやるぞ、何が聞きたい?」
「羊耳族の聖地の場所と中谷美咲の情報だ」
倒れた椅子を元に戻し、座り店員さんにビールを頼みつつ
「まずは聖地の場所だな、場所はリ―デレ公国から北に進み4つほど国を越えたクリレイル竜聖王国の北東部にあるリュッカス辺境爵領の中、シープフォレスト自治区だ」
そして運ばれてきたビールを飲み、泡の髭を袖で拭いつつ、意味深しい恰好をすると
「だがな、許可無い者が自治区の中に入ると無数のゴーレムに襲われるんだ・・・」
多分この男はこう言う意味深そうな喋り方をする事で情報に確信性と付加価値を付けているのだろう
「そして・・・そのゴーレムを操ってるのが何を隠そう、中谷美咲・・・通称人形遣い」
「なるほど・・・人形ってわけか・・・・」
「あぁ・・・お前ら中谷の奴に何をするかわからんが敵対はしない方が身のためだぞ?」
「そんなに脅威なのか?」
すると、彼曰く
〇1人で8000体のゴーレムを操り、しかも自律式で魔法を操り、組織的な行動を行う
〇3代前の領主が違法奴隷商と結託し羊耳族を捕らえ奴隷にした所、中谷が激怒し全領主とぶつかり、領主側と違法奴隷に雇われた傭兵団に壊滅的被害を出し、当時のクリレイルの王がシープフォレストを相互不干渉自治区とし、中谷を侯爵と同位とした
〇クリレイル王国にあった世界7大迷宮を4日で攻略し、極大の魔石を持ち帰った
などなどすべて語ろうとすると1日潰れるそうだ・・・
そして最大の問題はクリレイル竜聖王国だった・・・ここは有数のワイバーンの輸出国で常に国境を竜騎士が飛び回っており空中からの侵入は不可能、そして地竜と言われる存在でクリレイルでは馬の代わりに使われるがいったん攻撃に移ると口から岩弾を飛ばし、視覚が弱いが嗅覚が異常に発達していて数キロ先の餌すら嗅ぎ分けるらしい
「なるほどな・・・ちなみに許可証はどうすれば取得できるんだ?」
「領事館に行き入国許可証を取ってでクリレイルに行ってリュッカ領の羊耳族の担当官に許可証を発行してもらうか、冒険者ギルドで依頼を受けるかだな・・・まぁ冒険者ギルドの依頼は稀だからあきらめた方がいい」
「わかった、感謝する」
そう言って酔っ払い亭を出ると後ろから「臨時収入が入ったぜー!今日は俺のおごりだ―!」「ワアァァァ」と聞こえてくる
・・・
・・
・
そしてreaat会議室
「で首尾は?」
「国王の条件付きで身柄の拘束許可を貰いズーの身柄を確保、現在尋問中です」
パエリア王国に向かった第3分隊と第4分隊の隊長二人が代表して答えるが条件とはなんだろう?
「条件とは?」
「危害を加えない事と尋問中の内容を録音か録画し、あとでパエリア王国側に提出する事、そしてペスト散布未遂事件の追求です」
あー、なるほどな確かに未遂で終わってるからパエリア王国側では真相解明はむずかしいだろうからな
「条件は守れよ」
「情報部には通達済みですので大丈夫かと・・・」
「ふむ・・・次、聖地についてだ」
お、俺か・・・
「あー、場所はクリレイル竜聖王国の北東部にあるリュッカス辺境爵領の中、シープフォレスト自治区だそうです」
「クリレイル竜聖王国?」
「モニターに注目を」
会議室のメインモニターにリンクしている、机の小型モニターを操作し、場所を映し出すと
「北に4つほど国を越えた処ですね、防衛力は竜騎士と呼ばれるワイバーンと地竜を操る兵がいるとの情報です」
「なら侵入は簡単だな」
「いえ、ワイバーンだけならさほど問題ないのですが、地竜の戦力が未知数で潜入は厄介かと・・・」
「では、どう潜入する?」
「そうですね・・・距離的に空からの侵入は無理でしょう、空中空輸と護衛があればいいのですが・・・、地上からの密入国は危険度が高すぎます、後の戦闘を考えると極力戦闘は避けるのが得策でしょう、まぁ揺動があれば別ですが・・・」
「難しだろうな」
空からの侵入は空中空輸、輸送用のオスプレイやチヌークヘリは空中空輸をすれば到達可能だが、護衛用の戦闘機だった、ワイバーン相手には戦闘ヘリでは機動性では問題は無いのだが速度的に不安が残り、ヒットアンドラン戦法が取れる戦闘機が適任だったのだ
そして戦闘機はヘリに比べ燃費がすこぶる悪く、倍近い数の空中空輸を必要とし、空中で援護の為に待機するだけでも相当な量の燃料を必要とするのだった
(魔国や国王会議の行われたドリー、帝国では近くに空母や輸送船、揚陸艦が居たため空中空輸が容易であった)
しかし今回竜聖王国は内陸地にあるため空中空輸機の運用は不可能であった
「では、ヘリだけで国境付近まで移動し、車両で移動がいいだろうな」
「いえ、今回は日本軍の車両は使いません、地竜は嗅覚が優れており、馬車が金属臭を放ってたら怪しまれます」
「じゃあ使うのは通常の馬車を使うつもりか?」
「はい、国やリュッカ領には冒険者として潜入、偵察をしつつ聖地に潜入、潜伏してから遺体を回収する事になりいます」
「ふむ・・・わかった、BプランとCプランはあるのか?」
「作戦立案部にお願いできますか?」
すると禿頭を抱えながら
「・・・要請を出しておく、いい案があればレポートとして提出するように、解散」
そして席を立ち各自作戦が始まるまでトレーニングなどの準備に入る
まぁまだ未透視は悪いが仲間の救出作戦が動き始めたのだった・・・
評価ありがとうございます、毎日16時間労働ですが頑張って書きます!!