商人と従者
リ―デレ公国 冒険者ギルド
「そういえば昔日本人の中谷って奴に出した手紙はどうなったんだ?」
「赤さん、久しぶりですね、えー・・・と、冒険者の死亡報告がでてますね、依頼失敗と言う事で返金しますね」
「そうですか・・・」
「ちなみに現在戦争が終結してるので成功率がかなり上がってますよ、再依頼しませんか?」
「いえ、現在ほかの日本人に会えて状況が把握できたので、今はすぐに会いたいわけでは無いので大丈夫です」
「そうですか・・・残念です」
「それよりも何か割のいい仕事ないですかね?」
・・・
・・
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数日後、某山の隠れ里
そこには天然パーマに羊の角を付けた連中が農耕に精を出していた
そして月に2かい訪れ、数少なく立ち入りを許可された洗浄熊族の獣人商人が現れ物々交換や金銭取引を行い
「あ、中谷様はおられますかな?」
「あぁ屋敷の中に居ますよ」
井戸端雑談をし、切り上げると屋敷に向かう、屋敷の外にはブロンズ色の像がアチコチに鎮座していた、そして門の両脇には筋肉モリモリの像が立っておりボディビルダーの大会でしそうなポージングを取っていた、すると笑顔のまま口を動かし
「中谷様のお屋敷である、何者で、なにようか?」
「私は商人ギルド所属の8ランクの商人の店舗で働くクマールです!パエリア王国内務局局長、ズー様から冒険者ギルドから商人ギルドを関して2通手紙を預かってきました!1つはパエリア王国冒険者ギルドマスター「バジル」様よりですが
「嘘偽りはないようだな、では武器の類は置いて中に入れ」
「はい!!!」
像が動き、手を広げると商人の男は懐から護身用のナイフや仕込み杖を差し出す、すると手がぐにゃりと動き、体の中に取り込んでしまう
「ナイフは帰りにちゃんと返してやる、では中へ」
すると門が勝手に開き、中にはメイド服の女性がズラッと並び45度のお辞儀をしていた、メイド服はクラシックメイドではなく、アキバに居そうな萌え萌えメイドであったが、すると一人が顔を上げ
「クマール様ですね、中谷様が屋敷でお待ちです、どうぞこちらへ」
と、家の中に案内してくれる、入ると靴を脱ぐように言われ脱ぐと1段高い屋敷に室内履きの靴に履き替え進む、そして1室に、なにかの草を編み込んだ床板に直に座ってる女性がいた
「まぁ座り給え、そしてようこそ、羊耳族に許可を得た商人さん、私に何か用かな?」
見た目17歳ぐらい、黒目黒紙、ランク12の元冒険者、通称「人形使い」ソロ冒険者ながら未攻略のダンジョンを4つも攻略し、新しい鉱物の発見、医療概念の確立などの功績を残した冒険者、今はこの羊耳族の里で隠居生活をしているらしい、噂では羊耳族に助けられたことがあったらしく、今は戦闘力の少なく、よく違法奴隷商人の襲撃に会いやすい羊耳族のでゴーレムを使い農耕や護衛みたいなことをしてるらしい
そして、手紙を2通渡すと、さっそく内務局長が出した手紙をナイフで開け内容を確認し、ワナワナと顔を真っ赤にし怒り心頭と言う感じだ
「な、中谷様?」
「すまんすまん、とりあえず冒険者ギルドマスターの手紙を読もう」
手をヒラヒラと「気にするな」と言いたげにしながら、2通目を開け中身を読むと、難しい顔をし始める
「さて、この2通真逆の事が書かれてるのだけどどっちが正解なのかな?」
いや、私に聞かれても・・・
「さ、さぁどうでしょうか?私は手紙を届けただけなので」
すると中谷様は金属製で長細いパイプの先に何かを詰め火を近づけると、口から紫煙を吹き出し
「そりゃそうだよねー、こりゃ本人達に確かめるしかないか・・・」
すると、懐から10枚の札を取り出すと魔力を込め、次に筆を出し何やら文字?らしきものを書くと立ち上がり、屋敷の庭にでると10枚の札を放り投げる
「まず近くの町までこの商人さんを護衛した後、パエリア王国に向かいな、そこで内務局局長、ズーと冒険者ギルドマスター、バジルに接触して詳しくメリーの話を聞きな、そのあとリ―デレ公国に移動、日本軍のreaat第2分隊に接触して話を聞きな、あとメリーの遺体があるなら確保この里に連れて帰ってこい」
誰も居ない庭に命令をだすと、お札の周りの地面がモゾモゾと動きはじめ盛り上がると段々人の形になっていく
一人は女性で妖艶な感じの美女、2人は男性で如何にも従者な感じになり、4人はベテラン冒険者風、で前衛の剣士、後衛の魔術師、回復役のどこかの宗教の神官、そして鍵開けや罠解除役の盗賊、そして最後に馬車とデカい馬、しかし土から出来たのに色が付いてるのはなぜだろうか?
「マスター、それでは出発しますね」
「えぇ、これを持っていきなさい」
と、手紙をしたため渡す、多分だが身分を証明するものだろう、ランク12と言うのは一般的な冒険者の最高ランク10を超えた英雄だ、超えたやつらは王族にもコネが効き強力な発言力がある
「では、マスター行ってまいります」
「うん、気を付けてね」
「はい」
そして彼らは商人の護衛をしつつパエリア王国に向かうのだった
数週間後
彼らは無事に4つほどの国を越え、盗賊を蹴散らし、パエリア王国との国境にたどり着き国境検問で中谷から預かった手紙を手渡し、無事に国に入ることができた
そして、王都に到着し、リリム城の門番詰め所の前に馬車を止めると従者2名を残し護衛役の冒険者の4名と一緒に詰め所の担当に
「初めまして、私中谷美咲様の命で内務局局長のズー様に会いたいのですが取り次いでもらえませんでしょうか?」
すると隊長が現れ
「少々お待ちください!!すぐに担当に連絡しますので!」
このパエリア王国でも中谷美咲の名は轟いており、それも従者となれば喧嘩を売ってはいけない相手だった
そして数分後、リリム城詰めの内務局員が現れ
「初めまして、私は内務局王城詰め局員のマルジャットと申します、ズー様に御用と伺いましたが何用ですかな?」
「えーと、私は中谷様の従者です、名前は無いので好きなように呼んでください」
「名前がない?何か身分を証明するものはありますかな?」
すると彼女はマスターからの手紙を差し出すと
「では、失礼・・・、あなたの身分は判りました、では内務局に案内しましょう」
そして王城の城壁内に作られた内務局の本部となる建物に入ると一度応接室に通し退室する
・・・
・・
・
30分後
「初めまして、私がパエリア王国内務局局長のズーと申します」
「どうも、私はランク12の元冒険者、中谷美咲様の従者です、名前はないのでご容赦ください、今回は羊耳族メリーの事を詳しく聞くために来ました」
「それはそれは・・・・」
彼女はマスターの魔力を通し意思をくみ取っており、色々質問していく




