海上封鎖と杖
補給を終え目的地である軍港都市エクファエラ近海に入ると軍港を囲うように展開、出航する軍艦及び商船に容赦なく砲撃を加え、さらに外海にはイージス艦と空母薄野から飛び立った戦闘機が海上を監視し軍艦や商船を見つけるたびに爆撃を加え海上封鎖を行っていた
ーーー2日前ーーー
日本軍本部発作戦変更指示書
○各国、外交官および、観戦武官の派遣によりエクファエラのミサイルの波状攻撃の中止
○エクファエラの攻撃はミサイル攻撃から攻勢人工衛星「|神の金槌≪トールハンマー≫」から「神の杖」での攻撃を実行する
○第1次攻撃艦隊は衛星がエクファエラの射程距離に入るまで海上封鎖をされたし
○攻撃終了後、エクファエラ近郊に威力評価のため潜伏中のreaatを回収
○イージス艦は外交官と観戦武官と一緒に帰還
「どう思う?」
「一部科学者は「神の杖」の攻撃能力に疑問を抱いてる者もいますね」
「まぁその時はミサイルの波状攻撃で都市を無効化するぞ」
「イエッサ!」
・・・
・・
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そんな命令が下り、海上封鎖が行われているのであった
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イージス艦 蔵王
各国の観戦武官は驚愕していた、なにせ砲撃の命中率は驚異的な物で95%を超え、外したのも突発的な波の影響だった数発だけであった、この世界で船上からの砲撃をして敵艦に当てる事など至難の業であり、そのため多数の大砲を積んだ上で近づき一斉に発砲するのだった、この世界で大砲と言うのはあくまで乗り込む戦闘員の援護や補助の役割だった、しかし日本軍の砲はどうだろうか?砲弾が敵船に当たれば爆発し敵船の喫水線に大穴を開け、ワイバーンやフライングバイパーが大編隊で襲い掛かれば砲弾は空中で爆発するわ、回転する大きな銃で光を放てば放てば1薙ぎで数十匹を撃墜する・・・ありえなかった
この世界のワイバーンと言うのは最強と書いてワイバーンと言うくらいの脅威であった
各国の軍を語るとき武官たちは「私の国にはワイバーンが○○○匹もいるのだ!」と言うくらいである、もちろん他にも空を飛び人が操る魔物は居るのだが、ワイバーンは強力な火炎を噴き、魔法耐性も強力で常に張ってある対魔法防御結界では下級クラスでは歯が立たず、ウロコは大砲に使われる40mm球形弾でも跳ね返す強度を誇っていたのだがどうだろう・・・多分彼ら(日本軍)の銃や大砲のメカニズムは音からしてあんまり変わらないだろうが、威力が全然違う・・・ワイバーンを次々撃墜し、帝国の最新鋭艦を高確率の命中率で撃沈させている
そして外交官たちも驚愕していた、観戦武官とは違い軍の事など専門外であったのだが日本軍が保有する船の能力だった
まず内部、すべて鉄で出来ていて船内は明るく光る棒で昼間の様に照らされている、そしてなにより出された食事であった、なにせ何日も海上にいるのに新鮮な野菜が提供されたのだ、普通は毎日塩っ辛い干し肉、野菜も乾燥させたクソッまっずい奴、運が良ければ乾燥させた果物が出てくるぐらいだった、幸い水は魔法使いが水魔法を使い真水を飲むことができたのだが、食事はなんともならなかったのだ
しかも、船内は湿気で常にジメジメしているせいで疫病に掛かりやすくなっている、まさに遠洋航海(4日以上)は命がけだった
だがこの船はどうだろうか?空気は淀んでおらず、常に新鮮な空気が管を通り供給されていてジメジメなど一切していなかった、食事もどうやってこの新鮮さを保っているのだろう?そして揺れもすごく少ないコップに入れた紅茶がこぼれないのだぞ・・・私らには理解ができない・・・
そして彼らはまたしても驚愕することになる
なぜなら朝食時「卵」が出てきたのだ、それも牛乳を入れふわふわに仕上げたスクランブルエッグだ、この世界で採取する卵は貴族や王族、大商人しか食べることができない、法で決められてるわけでは無いのだが、コケッコと言う鶏によく似た動物を扱う養鶏農家はいるものの出荷しても日持ちせずすぐダメになってしまう物だったのだ、なのでどちらかと言うと肉の出荷業者で卵を専門に扱う業者はパエリア王国でも数名しか居なかったのだ、なにせコケッコ卵を産む条件が判らない上に個数に対しての価格がありえない金額になっていたのだ
そしてそれが軍艦で出てきたのだ、しかも広報が「お代わり自由です、お代わりはあちらへ」とカウンターを指すとコックが卵を焼いていたのだ
「「「「日本軍・・・あなどれん・・・・」」」」
そう言いながら食べるとこれまた、コショウのパンチの聞いた味がするのだった、そして口に頬張ると
「!んっ!!」
「お代わりだ!」
「こっちもだ!」
「給仕がいない!?」
「これ!!押すでない!」
「うるせぇ!」
「卵だ!卵をくれ!」
「こっちにはサラダも!」
「こんな食事ができるなら日本軍、いやリ―デレ公国と貿易を開始せねば!」
カウンターに押しかけ暴動が起きそうな勢いだった
すると腕章に憲兵と書かれた男が
「静まれ!!食事は逃げんし、量も十分にある!!!!騒ぐなら食事抜きにするぞ!!!」
すると迫力に押されたのが静まり返り、大人しくコックにお代わりを貰い席に着き食べて食べていくが、彼らはまだ知らない、明日の晩御飯はカレーライスと言う悪魔の食べ物が提供され、また|憲兵≪MP≫に怒鳴られると言うことを・・・
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日本軍基地 宇宙軍
宇宙軍・・・と言っても2か月ほど前に打ち上げた衛星の管理、運営をする所であり基本的には別大陸の偵察が主な仕事だった・・・
なぜ過去形かと言うと今回各国の観戦武官と外交官に日本軍の本気を見せ威力牽制を行うためだった
そして「神の金槌」に搭載されてる「神の杖」が入り、現場からGOの指示が出しだい杖を落とす予定になっていた
ちなみに大型モニターには18:00:00と表示されていた
「標準システム最終チェック急げ!」
「投下システムチェック完了ッス!」
「該当地区の風や大気濃度のチェック忘れんなよ!」
「バックアッププランの書類どこだ!?」
たった50人ほどの部署がフル稼働し、左遷されたと思ってた彼女、彼らは名誉挽回と言いたいのか普段よりも気合が入りながら仕事をしていた
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戦艦剣
「艦長、発射可能時刻まで残り10分です」
「総員へ通達、発射時刻が迫っている、艦にどんな影響がでるか判らない総員注意されたし、各担当官は装備の固定の最終チェックを実施しろ」
・・・
・・
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「準備はよろしいですかな?草薙大佐」
「もちろん、びっくりして腰を痛めないでくださいよ?涼森艦長」
「ふん、まだまだ現役だ、この前も風俗店のねぇちゃんをひぃ・・・いや、この話はやめておこう」
周りを見るとオペレーターの女の子から冷ややかな視線を喰らっている
「うぉほん!」
その場をごまかす様にワザとらしい咳をして
「では、IDを」
PCのスロットルにIDカードを差し入れ、上級士官しか持てないテンプルキーを入れ、顔を見合わせると
「いきますよ?3、2,1、今!」
開錠
ちなみに鍵には物理的の他に登録された人物の生体情報を発信するチップが内蔵されており1m以内に本人が居ないとチップは情報を発信せず、仮に鍵を複製したとしても起動せず逆に数百何ボルトの電流が流れる上に艦内や施設に警報が鳴り響き完全重武装の兵が駆けつけることになるのだ
そしてモニターには10桁の英数字が並んでおり
「Z143G9813V」
『こちら戦艦剣、宇宙軍司令部応答しろ』
『こちら宇宙軍司令部、待っていました』
『うむ、ではコードを言うぞ』
『どうぞ』
『Z143G9813V』
『確認します、Z143G9813V』
『大丈夫だ』
『・・・安全装置解除確認しました、照準と引き金はそちらの判断で』
『・・・了解した』
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駆逐艦蔵王 艦橋
そこには各国の外交官や観戦武官が広報の担当官に案内され集まっていた
「皆さま、これよりご覧いただくのは我ら日本軍が持つ幾つかの秘密兵器の内の一つです」
・・・
・・
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その日、地図から軍港都市エクファエラが消え、海水湖が出来たのだった