異常発生
実験室の天井部分、硝子のような透明な発熱体が、熱を発し始める。
室内の温度が急速に上昇する。
天井が黄色い光を発し肉眼で直視出来ないほどである。
「遮蔽シールドを降ろせ!目視はもう無理だ!センサーに頼るぞ!」
「生体反応確認!」
「現在、100度!室内温度上昇中110、120、130、150度突破 更に上昇します。」
「遮蔽シールド異常なし!」
「生体反応確認!」
「室内温度250度突破!」
「間もなく生体センサーの限界温度です。」
「遮蔽シールド異常なし!」
「室内温度280度突破!」
「生体センサーブラックアウトしました。」
「室内温度上昇330、350、370、390」
「室内温度1000度!設定温度に到達しました。」
「室温を一定に保ちます。サーモスタット起動します。」
「サーモスタット起動確認!…できません!」
「サブシステムから起動させろ!」
「了解!サブシステム起動。起動確認!システムにアクセスします。」
「…アクセスが拒否されました。」
「仕方ない、中止だ!強制終了させる。」
「主任、マスターキーをお願いします。」
日比野が、懐からマスターキーを出すと、メインモニター脇の鍵穴に差し込んだ。
「カウント始めます。三秒前、三、二、一」
彼は、鍵を回す。
しかし、システムは止まらない。
「強制終了に失敗!システム止まりません」
「室温更に上昇!このままでは、多孔質硝子が持ちません!」
「総員直ちに退避!」
「センターに緊急連絡、細菌研究科にて、異常発生!火災もしくは、爆発の恐れあり、速やかに総員退避!繰り返す。細菌研究科にて異常発生!…」
「連絡はもういい、それよりも、早くここから出るぞ!」
研究室の全員が慌ただしく避難していった。
…実験室内の彼等を除いて、…




