問答無用
突然、日比野のPHSが振動する。
「はい、日比野です。教授、しかし、…分かりました。」
PHSを左手に持ちながら、右手はキーボードを叩いている。
パスワードを打ち込み、さらに、認証番号を打ち込み、ディスプレイの位置に顔を持っていく、すると、画面に日比野の顔が二つ写し出される。
そして、画面上にパラメーターが表れ一瞬の内に100パーセントの文字を残して消えていった。
画面には、おびただしい文字と数式それらは、まるで生き物様に変化し、見ているだけで、吐き気を覚える。
彼は、一つの数式にカーソルを合わせ文字の色を反転させ消去、その後に、新たな数式を打ち込んだ。「このまま、壱を失うわけにはいかないからな、教授には、悪いが一芝居打つとするか。」
画面を通常モードに切り替えると、研究員に、声をかける。
「今、教授から連絡があった。壱を焼却処分しろ!とのことだ。今から実験室内の温度を1000度まで上げる。いいな!」
一人の研究員が困惑と驚愕のあまり硬直し、また一人は反対意見を言おうとする。
「しかし…」と言いかけ日比野を見る。
「命令だ。問答無用だ!」
強い口調で日比野は言い切った。




