表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い空が見たくて  作者: カンクン
15/21

アルバム

零はその場から逃げるように駆け出した。


彼女は、自分の生い立ちを知っていた。

まだ、実験室が無く、MAMAに感染する前、教授の手伝いをしていた時の事だ。教授の机の上がすごく散らかっているのが気になり、勝手に片付けを始めた。

そしてある書類が目に留まった。

表紙にも裏表紙にも何も表題が書かれていなかった。良くない事とは知りつつも好奇心から中を覗いた。そこには人造生命体の研究と題された、長い論文と数式が書いてあった。あまりに難しかったので、書類を閉じようとしたとき、裏表紙の内側に、教授の書いた小さな文字が目に入った。見れば『アルバムパスワードFlyingstarray』と書いてあった。彼女興味本意には教授のPCを開きデスクトップ上に『アルバム』のフォルダを見つけた。開こうとするとパスワードを要求されたのでFlyingstarrayと打ち込んだ。

すると中を見ることができた。

その中にあったものは、教授の学生時代から続く思い出のアルバムだった。動画や静止画の中に当時の友人や、恋人、大学での研究の様子が記録されていた。

日付事に分類されていて、最近のものまであった。

アルバムの中の教授は今とは、別人の様に明るく朗らかだった。

とても楽しそうで、見ている自分も気がつけば笑顔になっていた。

それ以来、零は教授の目を盗んではアルバムを見ることが、楽しみになっていた。

しかし、ある時期を境に教授の表情が暗くなっていた。そして、時々写っていた彼女の姿もなかった。

ある動画を見ていると、画面の中の黒いネクタイをした教授が、ある研究について話始めた。

人造生命体の研究『零計画』についてだった。

ゼロから造り出すという意味と教授の彼女の名前が計画の名前の由来だった。

そして零は自分が少女の形をした人造生命体であることを知った。


だから、彼女は知っていた。教授の歪んだ愛情を、周囲の冷たい視線を、そして、零を隠蔽しようとしている人達がいることを、…


今此処に居続けていれば、隠蔽の為に殺される可能性を彼女は感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ