ねがいはかなう?
初投稿です。よろしくお願いいたします。 作文みたいな作品ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
青空を見て少年が呟く。
「ママ、やっと空が青くなったよ。」
厚手の布で覆われたテントのような小屋が、点在する草原の真ん中に彼はいる。
遠くには製油工場のような大きな建物があった。
巨大な煙突から、煙ではなく熱風のようなものが噴き出ていて、陽炎のように大気をユラユラさせていた。
「タイキ!お祈りの時間だよ。」
彼を呼ぶ少女の声がする。
「今行く!」
振り向きながら彼は答えた。
「早くして!始まっちゃうよ。」
「まってよ。」
「早くしないと、夕飯抜きだからね!」
「それは勘弁して!」
タイキは慌てて走り出す。
「ミズキ!待ってよ!」
少女の名を叫びながら、全速力で彼女の元へ走る。
彼は息をきらしながら、彼女の隣に並んで謝る。
「はぁ、はぁ…ゴメン。」
「タイキ、遅いよ。」
ミズキが小声で言った。
「…ゴメン。」
「ほら、はじまるよ。」
小さな祠の前には百人ほどの人たちが集まっていた。
初老の小柄な女性が、周りを見渡しながら、話始めた。
「皆そろったようだな。では、ママの祈りをはじめる!」
…青き空、青き水、緑の大地、黒き土、赤き夕陽、白き砂、白き雲…
紫の空が、青に変わり、黒き水が青に変わり、赤き大地が緑に変わり、赤き土が、黒に変わり、青き夕陽が、赤に変わり、黒き砂が、白に変わり、黒き雲が、白に変わり、すべてが清らかに、ともにありますように…
「ともにありますように!」
青い空の下で人々は祈った。
この青い空が永遠に続くようにと…
少年たちが祈っていた時より、百年ほど前の話。
都心から遠く離れた山間の小さな町に、製薬会社の研究所があった。
その敷地の一番奥、建物の陰に隠れるようにひっそりとたたずむ建物。
コピー用紙A3程のシルバーのプレートに「細菌研究科」と黒く書かれた文字のある看板以外、窓一つない倉庫のような、小さな体育館のような建物。
その中に、一人の少年と、一人の少女、白衣を着た数人の研究者がいた。
研究者達は数台のディスプレイを見ながら、忙しなくキーボードを叩いていた。
続きはまだ頭の中でも構想ちゅうです。 質問等の返信はあまり得意ではないので、なんとなく、あたたかい、見守って下さい。