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Episode One-1
___ここは?
「何を言い出すんだバルト室長!」
誰かの声がする。そう遠くない。
不思議と僕は目を開けられなかった。
「まだこいつはガキなんだ。ガキなのにも関わらず危険性も高いんだ。
だからこそ、ここで保護するべきだ」
「…っ!!しかし…」
「しつこいぞダビデ!!__お前は線上に向かい剣を振るっていれば良いのだ!
わかったならこの部屋から立ち去れ。…一応こいつも怪我人だ」
その言葉を最後に、部屋が静まり返った。
気配がしない。
安全であると悟って僕はゆっくりと目を開けようとした__
「うるさくてすまんな」
「!!!!」
気配を感じなかったはずなのに、突然かけられた声。
僕は瞬時に体を起こした。
しかし、そのせいで傷口が開いたようで激痛が体を襲う。
痛い。体の内側から焼かれているような気がした。
皮膚が腐っていく。
硬直していく。痺れて喋れない。
こわい。声にならない叫びをあげた。
「ああこら!まだ起き上がるな」
声の主は女性だ。
その人は優しく僕に触れた。
僕の体を気遣って、痛くしないように丁寧に体を寝かせてくれた。