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死後の世界

目を開けるとそこは真っ白な世界だった。

空と陸との境目もなく、まるで球体の中にでもいるかのような不思議な空間。

理恵はひたすらまっすぐに歩き続けるが、何も見えず、誰とも会わない。

足が痛くなるまで歩いたところで、理恵は思い出した。

自分は学校の屋上から飛び降りて死んだのだ。


「じゃあ、ここは天国?」


思わずそう呟いて、苦笑した。

なぜ無条件に自分が天国に行けると思ったのか。


「まぁ、ここがどこかなんて問題じゃないか」


天国だろうが地獄だろうが、死ねたことには変わりない。

理恵は唯一最大の目的が果たされたことに安堵し、その場に寝転ぶ。


「……お腹減った」


そういえば死んだ日は何も食べずに学校に行った。

とにかく死ぬことしか頭になくて、それどころではなかったのだ。


「それにしても、死んだ後もお腹が減るなんて思ってもみなかった」


「貴女は選ばれたのですよ」


背後から聞こえた声に思わず振り返れば、そこには1人の男が立っていた。

先ほどまで誰もいなかったこの空間に突如として現れたその男は黒縁眼鏡に黒いスーツという出で立ちで、彼の足もとだけが黒く染まっている。


「……誰?」


「貴女が何者であるかも、私の正体も、すべて教えてあげますよ」


男は優雅に右手を理恵に差し出す。


「さぁ、私についてきなさい」


知らない人にはついていっちゃ駄目よ。

そんな母の声が彼女の頭のかたすみで響いた。

でもね、お母さん。私もう死んじゃったから。

胡散臭そうに微笑む男にできる限りの笑みを返し、理恵はその手を取った。


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