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主役は遅れて登場

 二階に着くとやっと魔物は発見したがすでに息は無かった。狼以外の魔物もいるようでたくさんの種類の魔物の死体が転がっている。途中で四人が通れるくらいの広さの廊下の横幅をレッドワイバーンと呼ばれる魔物の死体が塞いでいたが死体の上を匍匐前進で通過して先に進んだ。


「よく考えたら俺弱いじゃん。こっちをリフにまかせておけばよかった」


 後悔の言葉を垂れ流しながらフルラの部屋を目指して二階の廊下をひたすら走った。そこで学院の二年生の制服である白いローブを着た先輩たちが五、六人倒れてるのが見える。しかもその廊下の奥に先輩たち目掛けて銀色の狼が二匹迫ってきているのが確認できる。急いで炎の玉を二発狼に放つ。狭い廊下では避け切れず狼たちに直撃した。数秒で狼たちが灰になる。


「大丈夫ですか?」

「全員けがをしてるが魔力もそろそろ回復してくる頃合いだから自衛しながら撤退はできる。レッドワイバーンは倒したがそのあとすぐに金色の狼に襲われて」


先輩はそういうと体を引きずるようにして壁にもたれかかった。


「今すぐ外へ運びます」

「俺たちは大丈夫だ。それより俺の話を聞け。あの金色の狼には多分何かの目的があるはずだ俺たちに止めを刺さずに走って行くのは普通の魔物の行動ならおかしい。だから寮内にいるやつらを集めて金色の狼を倒せ。俺たちも少し休んだら撤退する」

「わかりました」





 人や魔物にも合わずにフルラの部屋に辿り着く。鍵は開いていてたが中にはフルラの姿はなかった。諦めて三階に移ろうかと思ったがその時フルラの声が聞こえた。声が聞こえた方へ走り出す。




 廊下の突き当たりでフルラと金色の狼が対峙していた。


「フルラ大丈夫か」


金色の狼に後ろから斬りかかる。軽々と避けられたがフルラのもとに予定通り辿り着くことには成功した。


「この子たち魔法が効かないみたいなの、そのせいで魔力をほとんど使いきっちゃって」

「この子たち?」


 金色の狼は一匹だと思ったが左右両方の廊下に一匹ずつ合計三匹に俺たちは囲まれていた。狼たちは息を合わせたように同時に飛びかかってくる。フルラの手から鳥の姿をした雷が大量に現れ狼たちを押し戻す。


「これで魔力は空になったよ。ダメージは与えられないけど押し戻したりはできるの」

「こっちも後一発しか撃てないよ。弓は?」

「急いでて部屋に忘れてきちゃった」


魔力のないフルラを庇うように前に出るがそこで予想外の事態が起こった。


「我が主の命はこの女を連れ帰ることだよな」

「その通りだ。生きていれば腕の一本ぐらい無くても大丈夫だろう」

「ならお前らがあれをやれ」


金色の狼が会話をしていた。人語を話せる獣つまり…。


「こいつら使い魔か」

「その通りだ小僧。お前は後一発しか魔法を使えないのだろう?邪魔をするなら殺すが素直にそこを退けば命は助けてやろう」

「まあ俺は貴様を殺すがな」


リーダー格だと思われる狼は助けてくれるそうだが別の狼はどうやら助けてくれないらしい。


「それは無理な相談だここは死守させてもらう」


 使い魔とは魔法使いが契約した魔物のことだ。魔物は人間にはけっして従わないが魔物を魔法で屈服させるか魔法で要求を聞きその願いを叶えれば使い魔にすることができる。使い魔になると主人からの防御魔法を受け付け人語を話すことができるようになる。この狼は主人から魔法を弾く防御魔法をかけてもらったのだろう。


「あまり時間を掛けるな次期に増援が来る。小僧を殺して女を連れていくぞ」


 左右の二匹が大きく口を開け漆黒の炎の球体を三発吐き出す。一発が俺の魔法より質が高そうな感じだった。しかも正面の奴は俺の頭を噛み砕くつもりかこちらに突進してくる。どうするフルラは丸腰で魔力がない、俺は剣を持っているがさすがにこれは捌ききれないしかも魔力は残り少ない。俺にできることは…。


「ジーク」


やっぱ他力本願だな。そう全力で叫びながら後の壁を全ての魔力で作成した炎の塊を放つ。その結果壁に大きな穴が空いた。外から冷たい風が中に吹き込んでくる。


「フルラごめんっ」


 フルラを壁に空いた穴から外に突き飛ばす。ここ二階だけど………多分大丈夫だろう。ジークは絶対にくるだろうし。

突き飛ばした直後に左右から炎の塊が直撃するが右は剣でガードした刀身が炎に焼かれて折れてしまい衝撃で残った刀身も遠くへ飛ばされる。左はローブの耐久力を信じたが最後の一発は防げなかったらしく左腕に痛みが走った。左腕の傷の具合を確かめる間もなく正面の狼が頭に噛み付こうと跳躍する。それを本能的に左腕でガードする。さっきの痛みを忘れるほどの激痛がして顔を歪める。

 痛みで頭が真っ白になるなるなか噛みついていた狼は弾け飛んだ。


「魔法が効かない?ルーア大丈夫?」

「全然大丈夫。それよりナイスタイミング。マジ助かった」


壁に空いた穴からフルラをお姫様だっこをしている金色に輝く翼を生やしたジークが見える。やっと主役のご登場。


「僕の友達をこんな目に合わせて許さないよ」

「ちっ増援か、連携でさっさと殺るぞ」


フルラをお姫様だっこしたまま壁の穴を通って入ってきたジークは翼を消して剣を抜いて警戒態勢をとる。ジークが解放した強い魔力に警戒して狼たちも攻めてこない。

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