囚われの令嬢
太陽は沈み月の光が街を照らす。
その中に俺は、仕事時の服装で先日助けた同級生、穂咲 鞘が襲われた場所に立っていた。
閃也「さて・・・アスメント、起動」
俺の中にある眠っていた能力が動き出す。
閃也「search start」
足元に方陣が浮かぶ。
透き通るような澄んだ蒼色で輝きながら複数の光球を生成した。
その光球は、すぐさま四方に散らばっていった。
閃也「ビンゴ」
俺はヒットした目標に向かって空を駆け出した。
閃也(あの時感じた違和感はそういうことか)
あの時の違和感の正体、人浪は自身の意思で襲ったんじゃない。
閃也「似たような感覚はしてたってのに・・・くそったれ」
サーチの結果から分かったこととはいえ愚痴らずにはいられなかった。
閃也「parasite・mind(寄生洗脳)奴らが生み出した人工能力・・・」
過去に体験した苦い記憶が蘇る。
閃也「ヤツらしかいない」
そう小さく吐くと同時にスピードを上げる。
もう肉眼では捉えられないスピードに達していが周りには何の影響も出ていない。
しかし、その軌跡を埋め尽くす怒気は交差する人々に恐怖を撒き散らしていた。
海岸にある廃ビルに二人の女子高校生が、手足を縛られて転がっていた。
その傍らには主犯と思しき男が彼女を見下ろしていた。
?「アーシェ・セルミスさん、そろそろ答えて下さいませんか?」
アーシェ「・・・・・」
?「黙っていては、なにも変わりませんよ?それとも・・・」
アーシェの隣にいる女子高校生に目を向ける。
?「目の前で私たちが本気であることを実演した方がよろしいですか?」
主犯はもう一人の方に歩みより彼女の額にに何かを取り付けた。
?「さあ、起きなさい。」
?「はい・・・」
彼女は眼を開き立ち上がる。
アーシェ「それは・・・まさか!!」
?「ええ、例の試作型ですよ」
アーシェ「そ、そんな!あれは確かに」
「消したはず」そう言おうとした。
?「ええ、危ない所でしたよ。」
その一言で理解する。
完全に消せなかった。
それどころか、復元されたことに。
アーシェ「サルベージしたっていうの?あり得ない!!」
あの削除プログラムは末梢だけでなくその後のプログラムの片鱗すら探知されないよう処置される。
現段階の技術でどうにかできるものじゃないのに。
?「できますよ?我らの組織であればね」
アーシェ(彼の言う組織とはどれほどの技術力があるの)
?「しかし、なかなか苦労させられましたよ。貴女の仕掛けた保険にはね」
アーシェ「当たり前よ!!あんな、あんな事のために・・・」
研究をしてきたんじゃない。
?「だから壊そうとした。しかし、無意味でしたね」
彼は、うつろな目をする女性に近づき体全体をなでまわす。
?「まあ、7割がた復元できましたし、あとは私たちでどうにでもできますが・・・」
私に視線を向ける。
?「貴女の才能を消すのは惜しい。どうでしょう、戻られませんか?我らの元に」
彼の瞳は狂気に染まったように濁っていた。
アーシェ「っ!!狂ってる」
?「狂っている・・・?何を言っているんですか?」
理解できないと、言わんばかりに問いかける。
?「これの原形を作ったのは・・・」
アーシェ「言わないで!」
聞きたくない、認めたくない、だが過去という現実は変わらない。
?「貴女でしょう?」
アーシェ「イヤァァァ」
?「くくくくっ」
悲鳴の中に笑いが混ざってくる。
?「ハハハハハ」
私の犯した罪、こんな事のために脳力学を学んできたんじゃない。
なのに・・・現実は・・・。
?「・・・・・」
私の目の前には目を虚ろになった女学生がたって、なにも感じていないように私を見下ろしていた。
アーシェ(ごめんなさい、ごめんなさい)
私はただ、涙を流しながら謝り続けた。
?「ハハハハ、いやー予想外にも良いモノが聞けまし」
閃也「じゃ、次はテメェが鳴けや!!」
不愉快なスーツ男を勢いよく拳を振りぬいた。
?「アガッ」
勢いよく吹き飛ばされながら轟音と共に鉄樽に突っ込んだ。
閃也「さってと、えーっアーシェさんですね?」
アーシェ「え、は、はい」
閃也「クライアントからの依頼で貴女を探しに来ました」
アーシェ「だ、誰が」
閃也「あ~、すみません。それは後ほど、今は」
吹きとばされたスーツ男が倉庫内あったの残骸から出てきた。
?「きっさまー!!!」
閃也「こいつを何とかしてからだ」
?「女、いけ!こいつを・・・殺せ!!」
?「はい・・」
彼女は命令を遂行しようと動き出す。
だが、
閃也「ごめんね!っと」
彼女が動き出す前に額に衝手を叩き込んだ。
?「あ」
彼女が倒れようとするが、俺は倒れないように彼女を抱き抱えながら額に手を添えた。
閃也「んでっ、asument」
?「な!!」
閃也「break(破壊)akusent(装飾)」
アーシェ「ホルダー(保持者)!!それもerement(具象化)クラス!!!」
閃也「よし、問題なしっと」
彼女をゆっくりと横倒してスーツ男に向きなおる。
閃也「さて・・・覚悟はいいな?」
低い声で男を鋭く睨む。
?「ふっ、ふは、ハハハハハ」
閃也「・・・・・」
?「いい、良いぞ。最高の素材だ!!」
閃也「・・・変わってねーな」
アーシェ「え?」
?「来てもらうぞ!!力ずくでもな!!!」
スーツ男が片手を振り上げる。
それと同時に倉庫の景色が不可解に歪んでゆく。
?「asument捕獲用フィールドだ。どうだ動けまい。」
勝ち誇りながら俺に銃を向ける。
?「さあ、私と来てもらおうか!!」
閃也「断るよ。アスバルゼ・ロン・フォーグ」
?「!!!」
閃也「せーのっ!」
俺は片足を上げて地面に振り落とす。
閃也「asument」
ダン!
足元から伝わる振動が、徐々に大きくなる。
ドォン、ドォン
遠くで爆音が聞こえてくる。
閃也「覚えてるか?」
周りの景色が戻ってゆく。
閃也「悪魔の叫びを」
アスバルゼ「!!まさか、貴様!!」
アーシェ「ウソ・・・」
俺の周囲に黒い霧が立ち込める。
閃也「木偶人形に興味はない・・・消えろ」
俺はアスバルゼに片手をかざし言い放つ。
閃也「インフェルノ!!」
同時にアスバルゼの体が深紅に燃える。
アーシェ「ヒッ」
アーシェは悲鳴を上げる。
だが、体が燃えているはずのアスバルゼは悲鳴を上げず問いかける。
アスバルゼ「なぜ、貴様が生きている!!」
男からすれば当然の反応だろう。
実際に立ち会っていたのだから。
アスバルゼ「確かに殺したはずだ!!!」
男の片腕が焼け落ちる。
だが、その腕はヒトの腕ではなく機械の腕だった。
閃也「さてね?」
俺はとぼけた返事を返し。
閃也「そうそう、伝言だ」
手を振りかざして宣言した。
閃也「お前ら(組織)は俺が潰す!!」
ドォオオン
男の頭上に不可視の重圧が掛けられ押しつぶされ、そこには、一つのクレーターと押しつぶされた金属片が残されていた。
・・・・だめだ。
戦闘うまく書けないよ。