表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第一話 依頼と報酬

リリッリリッリリッ


?「ン、ンー」

目覚まし時計の音を聞き取り、音のするほうに腕を伸ばす。

手のひらに物体の感触を感じ、手探りでスイッチを探す。


カチッ


小さなスイッチ音と同時に、あたりは静かになった。

「ふぁ、あー。・・・準備するか」


そう、言うと俺は、クローゼットの中から、自分の通う学園の制服を手に取り着替えを済ませて、リビングに向かう。

誰もいないリビング。

テーブルに置いてあるパンを手にとって時計を見る。


「・・・行くか」パンを頬張りながら、鞄を持って学校へと向かう。


俺はただ今一人暮らしの中学生をしている。

俺の親はというと、俺が中学に入学早々に海外へ出張する事になった。

まあ、急に決まったことなので仕方ないことなんだけどな。

だが、今年度あたりに仕事の区切りがつくらしく、その頃に一度家に戻ってくるそうだ。

昔の俺にとっては吉報なのだが・・・今の俺にとっては複雑だ。


女子学生C「おはよー」

男子学生K「おはよ」

女子学生A「でさー」

女子学生I「えっ、うそー」


閃也「・・・」

周りは、親しい友人たちと会話しながら校門へ入ってゆく。

俺は誰とも喋らぬまま教室へと入る。

教室には静寂が漂っていた。


閃也「・・・・まだ誰も来てないか」


そう口にすると、後ろから声をかけられた。


???「おはようございます。蒼辰さん」



振り向くと、クラスメイトの天城 成美{アマギ ナルミ}がいた。


閃也「おはよう。天城さん」


挨拶を返して、割り当てられていた席に座る。

天城さんも自身の席に座った。

俺は、一冊の小説を鞄から取り出して続きを読み始めた。

それから数分後、他のクラスメイト達が教室に続出と入室し、静かな教室から騒がしい教室へと変貌した。


閃也(騒がしい)


人は基本的に群れで行動する性質を持つ生き物だ。

その人の性を非難している俺は『異端者』といえるだろう。

ま、すでに社会的に異端者となっている俺にとってはどうでもいいことだ。


閃也(何よりめんどくさい)


俺は、内心でため息を吐きながら手持ちの本を鞄に戻す。

先ほどから、天城さんがこっちを盗み見ているが、別に気にするほどのことでもないだろう。


俺は彼女の視線を無視して、窓に顔向け空を見ながら自分に問いかける。


閃也(さて、今日は平穏に過ごせるかね~)


その問いに対する答えは出せるわけもなく、ただ時間だけが過ぎていった。


あれから、いつもと変わらずただ授業をうけた放課後、いつも通りに図書館によって帰ろうかなと考えながら、教室を出ると、後ろから声をかけられた。


???「あ、あの蒼辰さん」


閃也(今日はよく声をかけらるな?)


いままでにない変化に気づきながら振り返る。

声から判断するに、天城さんだろう。

そこには、予想通りに天城さんがいた。


閃也「何か用ですか?」


淡々と用件を問う。


天城「あの、相談したいことがあって…」


彼女の声が段々と小さくなっていく。

その彼女の性格から、今の態度、表情と仕草から俺は、頼みたいごとの予想をつけた。


閃也(朝からの視線は、それでか)


彼女が、朝から俺を盗み見ていたのはそういう事情があったからかと内心納得した。


閃也「悪いけど、俺は他人に構ってる暇はないんで、じゃ」


俺はやんわりと拒否を思わせる言葉を口にしながら振り返り、帰ろうとする。


天城「あ、ほ、報酬は『聖女』です!」

閃也(!)


俺は、彼女の言った言葉に足を止めた。

そして、振り返らずに問いかける。


閃也「本気か?」

天城「・・・はい」

閃也「その言葉は誰からだ」

天城「えっと、Rアール・・・です」


俺は、「またあいつは」と吐き捨てて彼女に向き直る。


閃也「確認だ、その報酬の意味を理解しているのか?」

天城「はい」


全てを理解して今ここにいると、混じりけのない瞳を俺に向ける。


閃也(こりゃ、本気だ)


俺は、一度ため息をついた。


閃也(昨日といい、今日といい、何か憑いてんのかね~)


そう思いながらも


閃也「わかった。話を聞こう」


俺は意識を切り替えて天城 成美(クライアント)にそういった。



IN ファーストフード店内


場所は変わって、ファーストフード店内に移動した。

この手の依頼は、誰にも聞かれたくない事が前提の依頼なので、この店内の支配人を呼びつけて、「仕事だ」と口にすると、支配人が頷き、防音が敷いてある部屋に案内した。

支配人は、手早く飲み物を用意した後、一礼して部屋を出た。


閃也「さて、依頼の内容を聞かせくれ」

成美「はい」


天城成美(クライアント)の依頼は、ここ最近起きている人攫い事件にあった一人の被害者を探してほしいというものだった。

警察にも届けたが、なにも手掛かりが見つからないそうだ。


閃也「・・・・」


その被害者の「アーシェ・セルミス」ロシア人と日本人のハーフで、家庭環境はそれなりに裕福らしい。

が、それは一般的な範囲でのこと、身代金目的にしては魅力は低い。

だったら、


閃也「彼女の御両親の・・・怨恨の線はないかな?」

成美「それは・・・わかりません」

閃也「そうか・・・」


閃也(聞けば聞くほど変な事件だ。相手の意図が全然見えな・・・)


思考を走らせていたおり、ふと昨日の出来事を思い出した。

閃也(・・・女・・・ロシア・・・ウルフ・・・瞳!)



昨日の夜中に鉢合わせた「獣」の事を思い出した。


閃也(もし、獣のアレが予想通りなら・・・)


俺は、ある可能性に思い当たりさっそく行動に移す。


閃也「わかりました。では、依頼は人探し、報酬は「聖女」、よろしいですね」


彼女は、頷く姿を確認して、店を後にする。

閃也(俺の予想が事実だとすると、問題は時間だな)


俺は直ぐさま走り出した。


閃也「まったく、損な性格だ!」


俺はそう小さく吐いた。

さて、次の話では戦闘を載せます。

うまくかけるか・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ