74_鳥頭族
「ああ すみません どうも体を操るのは疲れてしまって・・・このかっこうでもかまいませんか?」
突っ伏したままの女性の頭に肩から飛び乗った鳥は私達をそう言って驚かした
私は鳥頭族というのは姿や顔が鳥なのだろうと思っていたのだがまさか小さな鳥が人形を操っているとは思っても見なかった為少々驚いた たしかにこの世界には色々な種族がいる 鳥のような種族がいてもなんらおかしなことではないだろう
「ぜんぜん構わないにゃ ただ そのまま動かないでほしいにゃ」
「? なぜですか・・・」
「うにゃ・・・ にゃんていうか・・・ よくわからにゃいけど小さな者が目の前を横切ると体が勝手にうごいちゃうようなところがあって・・・」
「なんやそれ?」
「いや 自分でもよくわからないにゃ にゃんだろうきっと猫人族の習性のようなものかもしれないにゃ」
「そ そうなんや あはは」
話を聞いていたミリが興味深そうに私に聞く しかし習性だと聞いてすぐ納得したようだ
「えっと あの・・・」
「ああ そうにゃ はじめましてにゃ タマといいますにゃ ここに来たのは神器の呪いについての話が聞けにゃいかと思ってカスタード王国から来ましたにゃ」
「まぁ・・・そんなに遠いところから・・・さぞかし大変な旅だったでしょう しかし古の神器の呪いについて知りたいなど・・・なにか特別な理由があるのですか?」
鳥は小首をかしげながら私に話しかける
私は心のどこかにいるであろうソフィのことを思い出し少しだけ額に手をやった
「実はタマの体の中にはもう一人の人格が存在しているにゃ・・・」
「・・・まさか」
「そうにゃ タマはカスタード王家に伝わる秘宝 根源の証明の呪いかあるいはそのなにかの失敗によってソフィ王女と精神を一つにしたにゃ・・・」
「・・・なんてこと 今そのソフィは元気なのですか?」
私は鳥にそう聞かれると何も言わず首を横にふった
「・・・わかりました タマさんの心中を察します 協力いたしましょう 私の名前はグレといいます これからはグレと呼んでください ああ それから 申し訳ないですが動きやすいよう人形はもう少し小さいものにします これは来客用ですのでね 少々おまちを えい」
グレはそういうともう一度女性の人形の肩へと飛び乗った
人形はすっと立ち上がると一度部屋を出た
・・・・・・
ガチャ
「はいおまたせしました うん これで すばやく動けます あと タマさんに食べられなくてすみそうですからね あはは」
扉を開けたのは私たちとそう年もかわらないような女の子であった
グレは人形を動きやすい小さな人形へと変えてきたようだこのような人形がたくさんあるのだろう
そしてまるで着物を着替えるかのように取り替えられるのが鳥頭族なのだ
「さっそくですが実はこれからある場所へ移動したいのですがその前にタマさんのパーティーメンバーの紹介をお願いできますか?」
「ああ そうやグレ うちが紹介するわ うちはミリ こっちが双子の妹でモリ なぁ モリ」
「う うん」
私にメンバーを紹介してほしいと言ったグレに割って入ったのはミリであった
ミリは勝手に紹介を始めたままモリに同意を求め更に続けた
私は本来人見知りの為こういった役を買って出てくれるミリはありがたい
「そして こっちがテイマーのランキ 魔族のラポ ヴァンプ族のエレナル それから・・・・・・」
「ギブレ」
ミリが部屋を見回すとランキが声をかけた
ギブレがランキの足元から女性の姿のまま出現する
「えっと ランキの従魔ギブレや もう一人 ラポの従魔がいたんやけど今用事に出てるんや」
「まあ なんて・・・・・・大所帯なんですね これは心強いですね」
「心強いって? どこかにいくにゃ?」
「ええ 私達の村には神殿がございます 神器についての説明と秘法を使うにはには神殿でなければなりません・・・ただ 今 非常にやっかいな問題が発生してまして・・・」
「問題にゃ?」
「ええ 番犬でございます」
「ああ そう言えばこの村の番犬と呼ばれる従魔があばれて村が荒らされているって噂を聞いてるにゃ なにかあったにゃ」
「・・・実は番犬を従えていたテイマーが族に殺されてしまったのです 主人を殺され怒り狂った番犬は人を喰らい村を襲ったのです 幸い番犬の行動は時間によって正確に決まっているようで夜に出歩きさえしなければ襲われることはないようです」
「うにゃ それじゃあ 番犬の動かない昼間に神殿に行かないとにゃらないってことにゃ?」
「いえ・・・残念なことにその番犬が今いついているのが神殿なのです」
「なんで 神殿なんっすかね?」
ランキが興味深そうにグレへ問う
「番犬の主人はミカエル神の敬虔なる信者であったため毎日の礼拝を欠かさなかったといいます 番犬の主人が襲われたのはちょうど家と神殿の途中であったと聞いています」
「そうかぁ 番犬は神殿にいれば主人がいつかやってくるとおもっているのかもしれないっすね・・・少し可愛そうっす」
「しかし 番犬が神殿に巣食っている以上神器の秘法を使うことはできません」
私は禁書にこの問を投げかける
(どうすれば神殿にいる番犬を逃すことができるにゃ?)
(パーティーにテイマーがいれば管理者の権限を上書きすればよいでしょう・・・簡単に説明すれば主人を変えるということです)
(うにゃ わかったにゃ・・・)
私の中の禁書はそっと閉じられた
「ランキ その番犬テイムできないかにゃ?」
「くはぁ やっぱ きたっすかぁ できないことはないっす・・・ でも・・・」
「でもにゃ?」
「でもっす その魔獣は他人の従魔っす テイムしなおす為にはかなり番犬の体力と精神力を削らないとできないとおもうっす」
「精神力を削るのはエレナルがやるありょ」
「うむ ならばラポが体力を削ぐために力をかす貸すのです」
「フフ タマさん 良いパーティですね」
グレの扱う人形はこちらを向いて穏やかにに笑った




