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67_依頼

「実は・・・・・・Sランク冒険者様だけにお伝えできる案件がこのギルドにはございます」


 私はその案件を受ける気はなかったのだが審査官達はもう受けてもらえるものだと考えているのか目を輝かせながら話を始めた


「この村の外れにある伯爵家には一人の老人が住んでいるのですがこの家の周りで子どもたちがいなくなるという事件が多発しているのです 伯爵の権威のせいか国の役人達はこの件に触れたがらず事件の真相は暗礁に乗り上げたままなのです そんな中一人のパトロンが現れ多額の報酬でギルドに依頼を起こしました 大きな声では言えませんが支払い額の大きさから考えるとその方は国王直属の者ではないのではないかとギルドは考えております そしてその依頼内容はこの伯爵の調査でございます」


「う うにゃ タマはまだその依頼受けると言ってないにゃ」


「もうしわけございません タマ様 この依頼は私達がこの依頼をタマ様に発注した時点で始まっているのです 辞退はできないのです」


「さ 詐欺だにゃ 絶対にやらないにゃ」


「そ その代わりと言ってはなんなのですが・・・・・・ギルドからは特別にこの証をタマ様にお渡しするよう言われております」


 審査官はそういうと焦ったように小さな美しい装飾のついた箱を取り出しその箱を目の前で開いてみせた


「なんにゃ?」


「全国ギルド公認 賢者の証でございます」


 箱の中には紫の怪しい光を放つ美しいペンダントが白く柔らかい台座の上へ置かれていた


「なんにゃ?」


 私はそれがなんなのかわからなかった為もういちど聞き返した


「賢者の証は非常に貴重な証でございます この国のみならず他の国の官邸 宮廷 有力者や王族に至るまでこの証があれば無条件でさまざまな支援を受けることができるというものです 本来ならばAランク以上の冒険者がそれににあった働きをした場合だけに特別に贈られるのですが今回は依頼内容が非常に秘匿性が高いためこれを持ってタマ様にご納得いただければ・・・・・・ということでございます」


「うにゃ・・・・・・口封じということにゃ・・・・・・」


「まぁ そう思って頂いてかまいません ただもちろん一人ではこの作戦は遂行することは難しいかと考えておりますのでタマ様のパーティーメンバーには話していただいて構いません・・・・・・申し訳ございませんがよろしくお願いいたします」


「う うにゃあ・・・・・・」


 そういうと2人の審査官は審査の終わりを告げ部屋を出ていったのだった


「どうや?タマ どうなったんや?」


 私が部屋から出ると待ち構えていたかのようにミリが駆け寄ってきた


「うにゃ・・・・・・ちょっと大変なことになったにゃ・・・・・・ここじゃ話せないにゃ一度宿屋に帰るにゃ」


「う うん」


 私達はギルドから出て宿屋の自分のたちの部屋で話をすることとなった ミリは私の落胆具合からランクが剥奪されたか降格されたかだと思っているだろう


 ・・・・・・


「な なんやて ランクえすぅ? ほんまか?タマぁ」


「にゃ そうみたいにゃ」


「びっくりやでぇ タマ すごいなぁ ほんで? なんでそんなにがっかりしとるんや?」


「実はSランクの依頼をまかされたにゃ・・・・・・」


「なんや ラッキーやないか 報酬ものごっついやろ これでうちらパーティーの未来は安泰や 早速仕事やでぇ なぁ モリ」


「う うん」


 私の心配とは裏腹にミリは目を輝かせてやる気を見せている しかし依頼はSランクの依頼なのだ 下手をすれば命も落としかねないだろう


「心配すなって タマ 今までも強敵と戦ってきたんや うちらはランク低いかもしれんけどそのへんの冒険者よりは経験値高いとおもっとるで な なぁ ランキ」


「っす そうっすよ」


 私はどういうふうになるかはわからないまま ひとまず皆に依頼内容を話し作戦を練ることとした

 ひとまずは事件の内容についての詳細を調べる必要があるだろう


「それなら 私が調べてきましょう」


 ランキの足元からぬっと鹿のような顔だけを出したギブレが私の方を向いて話しかけてきた


「ギブレ 全部出てきてにゃ」


 私は床から出ている話しかける


「失礼 それでは」


 床から出てきたリブレは美しい女性へと姿を変えるとランキの前へとひざまずいた


「ランキ様 命を」


「うんっす では 命を授けるっす ギブレ 伯爵の身辺 及び いなくなっている子どもたちの行方を調べるっす」


「かしこまりました それではさっそく」


 ギブレはそういうとまた魔物の姿へと戻り床の中へと潜っていった


「調査ならギブレに任せとけばいいっす」


 確かにギブレは姿を変え言葉を話すことのできる伝説の魔獣だ ギブレがいろいろな姿で調査し伯爵が私達が身辺を嗅ぎ回っていることを知ったとしても私達を特定することは不可能だろう 


 ・・・・・・


「ランキ様 ただいま戻りました」


「あ ギブレ おつかれさまっす」


 ギブレが戻ってきたのは一週間後ちょうど私達がロビーでの食事を終えパーティーだけで私の部屋へ集まっていたときだった

 ギブレはきっと他のパーティーのメンバーがいないこの時を待っていたのだろう


「それでは 失礼してと・・・・・」


 ギブレは床下から出てくると馴染みのある美しい女性の姿へと変貌した


「どうだったっす?」


「そうですね 私が調べたところだとこの子供の失踪事件に伯爵は関わっているのは間違いないようです ただ そのことを聞こうとすると伯爵を知っているという人間は口をつぐんでしまうのです それどころか伯爵の行動を聞いていた私に危害を加えようとするものまで現れました」


「ギブレは大丈夫だったにゃ?」


「ええ 私はそんなこともあろうかと姿も名前も変えていましたから 私を探したところでこの世界には存在しない人間です それでやむなく外の人間たちに聞くのをやめ屋敷の中へ侵入いたしました 地下の部屋にはたくさんの子どもたちが閉じ込められていました」


 ギブレの話を聞き私は自分の過去を思い出した

 ああ そうか その子たちは売られるのだ 直感的にそう思った私の中にすぐに行動しなければならないという念がこみ上げてきたのだった



















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