57_報告
「ランキ様 ただいま帰りました 村人には話しかけていませんがとくに変わったところのない農村のようです」
私達が野営している数キロ先に見える村へ偵察へ行っていたギブレが自分の主人であるランキへ報告する
「ふーん 了解っす ギブレありがとっす だそうっすよ タマちゃ ミリちゃ 」
「タマ やってさ どうするんや よってみる?」
「そうだにゃ 食料も心もとないにゃ 少し村に立ち寄るにゃ」
私達は冒険者であるが路銀を調達するためちょっとした露天を開くことがある この地域では珍しい触鬼のドロップ品などを並べて売るのだ 大抵好評であるのだがまずはそこの首長に許可をもらってから行うことになる 宿が決まったら首長に挨拶に行くのがよいだろう
「みんな 準備はできてるにゃ いくにゃよ」
私達は村をめざして移動を開始した
・・・・・・
「すみませんにゃ この村に竜の置ける宿屋はありますかにゃ?」
私はひとまず泊まれる宿屋があるかを村人に確認する
「ああ それなら一軒だけ村の中にあるよ 村に入ったら一番大きな赤い屋根の家がそれだ その辺りに行ったらきいてみるといい」
村人は村の方を指差すと嬉しそうにその所在を教えてくれた
私達は村の中へと進んでいく しばらくすると村でもひときわ大きな赤い屋根の家が見えてきた
「あれやろ なぁ モリ」
「う うん」
「タマ あれやろ うち ちょっと聞いてみるわ」
ミリは近くにいた人に声をかけ詳しい情報を聞いている
「タマ やっぱり そうやて あそこが宿屋みたいや なんでも村が経営している村営の宿屋でここに来たお客さんや冒険者に特産品の販売や観光地の案内をしてるそうやで ちなみに無料駐竜車場完備 宿泊料は激安みたいや」
「にゃんと それはありがたいにゃ さっそく手続きするにゃ」
宿屋に入る前の看板には歓迎の言葉が書いてあるようだ
「ようこそ ヴァンプ村へ 自然豊かで食べ物もおいしい ヴァンプ温泉もあるよ 心休まる時間をご堪能ください」
「こんにゃにゃあああ」
私達は宿屋に入るため両開きのドアに手をかけて宿屋に声をかけた
「お お客さんだりょ い いらっしゃいありょ 」
さっきまで肘をついてめんどくさそうにしていたカウンターから驚いたように顔を覗かしたのはのは身軽で露出度の多い服を着た 活発そうな若い娘であった
「にゃ 泊まりに来たにゃ」
「ありょりょ はいはーい 手続きはここりょ まいどありょ それじゃあ たった今からお客様担当になるエレナルだありょ よろしくりょ」
「担当? なんやそれ」
「あ ごめんごめん こっちの話でありょ 村には人が少ないりょ 村営ありょ ここの番も持ち回りでやってるりょ お客さんに当たるとそのお客さんの担当となって色々お世話をするのが決まりになってるありょ」
「ふーん やったら ここで聞きたいこととかあったらエレナルに聞けばええんやな」
ミリは誰とでもすぐ会話ができるコミュ強だ 冒険者になったいじょうこう言うところは見習っておきたいなとおもう・・・・・・
「そうありょ 村の事も大体のことはわかるありょ 何でも聞いてありょ」
「あ そうや エレナル 村長や 村長にドロップ品の販売許可をもらいたいんやった 村長の家ってどこや?」
「はいはーい その前にチェックイン済ましちゃってくださいありょ」
私達は早々にチェックインを済ます 部屋は2部屋とることができた ミリとモリが1部屋
私とランキが1部屋だ ギブレはランキに何かを言い残してどこかへ行ってしまった きっと窮屈な人間の部屋が苦手なのだろう 部屋で荷物を置いた私達はすぐにロビーに集まりエレナルの先導で村長の家を目指すことになった
エレナルは私たちが部屋に入っている間に他の村人に連絡をしていたのか私達がロビーにつく頃には出かける支度をしていた ロビーには他の娘がにこやかについていた
「はいはーい えっと 村長の家だったりょ 村長の家は宿屋から丘に登ったところにあるありょ えっと ところでこれから少しの間一緒にいることが多くなると思うありょ みんなの事なんて呼べばいいありょ?」
私達はエレナルの問に自己紹介という形で答えたエレナルはそれぞれ名前で呼んでいいか?と聞いてきたためオッケーを出した これは少しでも仲良くなって村の印象をよくしようという宿の方針だそうだ
「えっと タマ 村長に販売許可を出してもらうってことは露天でもひらくありょ?」
エレナルはさっそく私に探りを入れてきたようだ 私それに快く受けごたえる
「そうにゃ タマたちは旅の途中にゃ 路銀を稼ぎながら目的地にいくにゃ」
「ふーん そうなんだ どこいくりょ?」
「吸血族の村を探してるにゃよ」
「・・・・・・」
私がその名前を出した時エレナルの顔色が変わったのが分かった おそらくその名前になにか思うところがあるのだろう
「エレナル なにか吸血族の村について知ってることがあるにゃ?」
「な なにも 知らないりょ タ タマ もう村長の家につくりょ ここが村長の家ありょ」
私達がついた家は普通の家より少しだけ大きな家であったが別段変わりのない普通の家に見えた
「ただいまぁありょ こっちりょ」
エレナルは村長の家につくやいなやただいまといってズカズカと家の中へ入っていく どうやら村長の家はエレナルの家だとおもって間違いなさそうだ
「ばあちゃん おきゃくさんだありょ」
「お 帰ってきたね エレナル お客さんかい?」
部屋の中にいた老婆がエレナルのほうを向いて受け答える
「ばあちゃん タマたち今日宿屋の方に来たりょなんだけど どこかで商売がしたいっていってるありょ」
老婆はしばらく私達をながめていたがなにか分かったかのように頷き返答した
「そうかい ああ それなら 丁度いい 3日後 村で収穫祭をやることになっている場所は宿屋の駐竜車場の前の広場だよ エレナルお前広場の場所取りやり方知ってるね 今なら間に合うからとってやんな ほら これ一応許可証 持ってきな」
老婆はゴソゴソとタンスをあさると紙を取り出してそれに署名しエレナルに渡した
「タマ 露天出して オッケイりょ 広場の場所取りはこのエレナルにまかせてありょ」
「エレナル ありがとうにゃあ」
私はエレナルに礼を言うとその後村長を交えてこの村についての説明を聞いた 田舎だが自然豊かで見どころもたくさんあるようだ
ふと エレナルに吸血族について聞いたときの浮かない顔色を思い出すいったいあれは何だったのだろう
機会があれば聞いてみたいのだが・・・・・・
私達は村長の家をあとにすると宿屋に戻った エレナルは村長から言われていた場所取りを行うため私達と別れた 私達は夕飯まで時間があるため近くにあるというヴァンプ温泉へ行ってみようと言うこととなった




