34_異端
「・・・・・・・ぼ 僕達・・・・・・昇天」
無数の光が弱ったフェアルの周りを取り囲みゆっくりと空中へと持ち上げられると一度止まる
ミカエルちゃんがまるでタクトをふるような仕草を見せるとその瞬間フェアルは超高速で天界へと引き上げられてしまった
「ふう はい これで一件落着ね ひとまずフェアルは神たちの審判を受けそのあと人間界で何らかの役をあたえられることになるわ・・・・・・」
「うむ ミカエルちゃん それで 今回のこの精霊の暴走はなんじゃったんじゃ?」
ラミスは少し不服な顔をしたあとそれを飲み込むようにうなずくとミカエルにその返事を待った
「今回の件はすごく稀なことだったんだけどフェアルは人間界に降りたときは普通の精霊だった・・・・・・でも降りたところが悪かったみたい もともとギャンブル場があったこの地区では人々の憎悪や怒りという感情が停滞していた それを取り込みながら動いていたフェアルは徐々に体を蝕ばまれていった そして果てはあの姿ね・・・・・・」
「しかし あそこまで強大な力で暴走するとはのう 妾も気をつけないといかんかのぅ」
「ラミスちゃんは大丈夫でしょ その憎悪の魔気の許容量の大きさはこの世界でも随一だからねぇ」
「まあの・・・・・・」
「・・・・・・さて ほんじゃ そういうわけでミカエルちゃんは帰るね こうみえていっそがしいんだからぁ ラミスちゃんバイバーイ」
ミカエルちゃんはそう言うと両手をひろげてなにかの呪文を唱える
ゴーンゴーン
鐘の音がなり空から光が降り注ぐとミカエルちゃんはそれと共に天界へと帰っていった
「なんと無粋な いってしもうたわい 皆大丈夫かの?」
ラミスはミカエルちゃんが降臨したあと徐々にラミスの周りに集まってきていたパーティーのメンバーに声をかける
私は戦闘中から返事のなくなってしまったソフィに確認をとった
(ソフィ 聞こえるにゃ? ソフィ 大丈夫にゃ?)
(・・・・・・)
おかしい やはり返事がない
(ソフィ どうしたにゃ? ソフィ)
(・・・・・・あ ああ タマ うう・・・・・・ごめん なんだか 気分が塞いでしまって・・・・・・もう少し休むね・・・・・・)
(ソフィ・・・・・・どうしたにゃ 大丈夫にゃ?)
(・・・・・・)
その後私はソフィへ何度か話しかけたが返事はなかった
そういえば以前ソフィは王家の神技であるレコードオブインペリアルを私に使った後 少し調子が悪い素振りを見せたことがある
もしかしたらレコードオブインペリアルはソフィの身体に何らかの悪影響があるのかもしれない
私はこのときを期にソフィのレコードインペリアルを封印すべきだったのだろう・・・・・・
・・・・・・
ソフィが私に語りかけてきたのはそれから数日が立ってからのことだった
(タマ ここはどこ?)
(ああ ソフィ 起きたにゃ 大丈夫にゃ?)
(うん もう大丈夫 私 なんかレコードオブインペリアル使うとおかしくなっちゃうみたい・・・・・・)
(やっぱりそうにゃ・・・・・・実はタマもあれが原因でソフィの体調が悪くなってるんじゃないかと思ってるにゃ あまり使わないようにしなくちゃにゃ)
(うん ありがとう・・・・・・ タマ)
(ソフィ 今タマたちはラミスたちと別れて又サリィのところへ薬を貰いに行くところにゃよ)
(じゃあ あの フェアルって精霊は倒したのね よかった)
(にゃ ラミスの力を得たミリはめちゃめちゃつよかったにゃ)
「ど どうしたんや タマ? 真剣な顔して・・・・・・トイレか?もうサリィのところに着くからもう少し我慢しい」
竜車の中私達が声を出さず会話をしているとそれを見たミリがなにかと勘違いしたらしい
「ち 違うにゃ ミリ なにを言ってるにゃ 今 ソフィが目を覚まして話してたにゃ」
「そ そうなんや うちはてっきり・・・・・・」
(んもう ミリったら・・・・・)
「目を覚ましたってタマ ソフィ どこか悪いん?」
「にゃ どうもソフィがレコードオブインペリアルを使うと体調が悪くなるみたいなんにゃ」
「大丈夫? ソフィ」
御者台から話を聞いていたモリが心配して話に入って来た
(きゃあ モリちゃん 心配してくれてるの? ソフィのこと心配してくれてるの?)
・・・・・・この分だと今の所大丈夫そうだ
「うにゃ 今の所大丈夫そうにゃ これからはソフィにレコードオブインペリアルを使わせないようにするにゃ みんなよろしく頼むにゃ」
「ほい」
「はーい」
・・・・・・
その日の夕刻を過ぎた頃私達はラミスから貰った沢山のお金とともにサリィの家へ無事帰宅した
「ただいまあ」
ガタゴトゴト ガッシャーン
ミリが元気よくドアを開けると中からけたたましく音がした後サリィがスネを抑えながら出てくる
「いててて お おかえり」
「た ただいま・・・・・」
「ただいまにゃ」
「無事だったのか? 私はあんな強い魔気をまとった者達をみたことがなかったからいっしょに行動している君たちが無事かどうか心配でしかたなかったよ」
サリィはそう言ったが私は私達が来るたびにどこかをぶつけているであろうサリィのことのほうが心配だった
「ははは 見ての通りみんな元気やで ほれ サリィ これみいいや」
ミリはそういうと大量のお金の入った袋をカウンターにドカっと置いた
「・・・・・・どどどうした このお金」
サリィは袋の中身を確認すると驚いたように生唾を飲み込みそういった
「サリィ 聞いて驚け 実はこの前来ていた人たちは魔王のパーティーだったんや うちらは魔王に協力して見事に結果を出したんや それでこの報酬な」
「な なんだって この前の人たちが魔王パーティー・・・・・・・ひゃあ 恐ろしい くわばらくわばら どおりで・・・・・・」
ミリがこの前の異様な気を持ったパーティが魔王のパーティーであったことを伝えるとサリィは眼の前で手をすり合わせままずっとなにかをつぶやいていた
「あ それよりサリィ 薬はもうできた?」
「ああ 恐ろしい ブツブツ・・・・・・」
「ねぇ サリィ」
「・・・・・・ あ ああ すまん恐怖でパニックっていた ふふ 喜べ できてるぞ ミリ タマ ちょっとそこで待っておいてくれ」
サリィはそう言うと店の奥へ薬を取りに入ったのだった




