表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/78

13_スクファの町で冒険者試験

 夜が明けてくると人の流れも少し穏やかになったようだがまだ町の中心に向かう道は混雑しているようだ


 私達は例の触鬼のドロップ品を売るため竜車に乗ったまま町の中心部へと向かったが中心部へ向かうほど身動きが取れなくなりそうだった為 小川のほとりに竜車を止めそこから歩いて町へ向かうこととした


「ソフィ 魔力を頼むにゃ」


(了解 タマ 何に使うの?)


「まあ見ててにゃ」


 私は姫のレコードオブインペリアル 王気の魔導 によって充填された魔力を手のひらへと集中すると御者台の席へそれをそっとふれた


(? タマ なにも起こらないわ)


「にゃはは ソフィ これは盗難防止の魔法にゃ 座った途端 お尻に電撃が走るにゃ ここなら 竜車が人に見られることはにゃいと思うけど 一応にゃ」


(あはは タマ すごいわ 魔法 そんな感じでも使えるのね)


「にゃはは タマもちょっとずつ勉強してるのにゃ さぁ ソフィ 町へ行ってドロップ品を売って見るにゃ」


 ・・・・・・・


 私達は人の流れに沿って町へ入りひとまずドロップ品を売ることのできる施設を探した

 幸い今日のこのまつりのおかげで外に出ている人は多く私達は簡単にその情報を得ることに成功した


「そうだなぁ 触鬼のドロップ品を売るのならば冒険者ギルドに行けばいい ギルドは町の中程にある一番大きくて目立つ建物だからすぐ分かるだろうよ」


「にゃは ありがとう おじさん」


「なあに どんなものを売るかは知らないがいい値段で売れればいいがな がはは」


 ・・・・・・


 私達は祭りのメイン会場になるであろう広場を通り過ぎると先程おじさんに教えてもらったひときわ目立つ建物の前にいた

 看板には冒険者ギルドと書いてある


(きっと ここだよ タマ)


「ソフィ 入ってみるにゃ」


 ロビーはあまり混雑した様子もなく冒険者たちはリラックスした様子だ

 私達は向かいに見える受付へと向かった


「すみませんにゃ 触鬼のドロップ品を持ってきたんにゃけど売るのはここでいいんにゃ?」


「は?」


 私達と同じ年くらいであろう受付の女の子は一度怪訝そうな顔をこちらに向けそのままのテンションで会話を始める


「冒険者証はおもちですか?」


(冒険者証?ドロップ品売るのにそんなのがいるの?)


「持ってないにゃ」


「では お引取り下さい」


「あ あの どうやったら冒険者証はもらえますか?」


 たまらず姫の意識が言葉を発する


 言葉の変化に目を白黒させながら受付の女の子は受け答えた


「冒険者の登録には一週間に一度開かれる講習へ参加しそのあとに試験を受けていただき受かれば交付となります」


「講習を受けたいのですが」


「チッ」


(今 この女の子舌打ちしたにゃ・・・・・・)


「そうですか ではこちらの紙へ記入いただきここへお持ち下さい」


(ここで申込みできるのかーい にゃ)


 女の子は半ばあきらめのような感じで講習の申込用紙を私に渡した

 申込用紙と別の紙には日程が書いてありどうやら今日はちょうどその講習の日であった


(タマ どうする? 冒険者登録するの?)


(もちろんしとくにゃ これから旅の先々で狩りをしていくつもりにゃ ドロップ品を売らないといけないにゃ)


 私は受付と別のところにある記入台にゆき必要事項を書いたあとそれを持ってまた受付へとやってきた


 必要事項は名前 パーティの有無 属性などを記載する欄があったが住所については定住者が少ないせいか必須項目ではなかった


「本当に冒険者になられるんですね・・・・・・ はい それでは講習の際お呼びいたしますのでこの番号札を持ってロビーでお待ち下さい」


 受付の女の子は先程の怪訝そうな顔とはうってかわって引きつった笑顔を作りながら私に13番とはいった番号札を渡した


(さっきは機嫌でも悪かったのかしら?)


(冒険者の講習を受けると言ったときから態度が変わったにゃ・・・・・・にゃにかあるのかもしれないにゃ)


「4番 5番 8番 10番 13番の方 冒険者講習が始まりますので2階の講習室へお上がり下さい」


 ・・・・・・


 そして講習が始まった


「っで あるからにしてええええ! 冒険者たるものお 常に気を張っていないと命を落とすはめになるううう おい!5番ちゃんと聞いてますかああ」


 パシ


 教壇の上でなにか触鬼の人形のついたような謎の指示棒を打ち付けるインテリ風の眼鏡の女性は厳しい顔で私達を見回す


「ゆえに! これを3点方式といい 魔力を最大化するう・・・・・・」


 講習というものは長く感じるものだ・・・・・・


「ダンジョンではパーティーにおける行動の原則としてえ・・・・・・」


(な・・・・・長い・・・・・・)


 ・・・・・・


「それではぁ 講習の最後にい テストを行ううう 合格率は約2分の1だといわれているがあああ 私の講習をきちんと聞いてさえいれば必ず受かるはずのテストであああああある」


(タマは自信ないにゃあ・・・・・・)


(大丈夫よ タマ 私達は2人なのよ ウフ)


「では 初め 終わった者から退出しロビーで待機していてよし」


 講習室に皆のペンの音と講師の女史の靴音だけが響いている

 私は文字を書くことがあまり得意ではないためテストは姫の意識が主となって受けている


(あら さっき講習で言ってたことと同じことよねこれ・・・・・・確かに講習を真面目に受けていれば簡単な問題ばかりね)


(できたわ タマ)


(う うにゃ・・・・・・ね ねてたにゃ)


 姫は数十分もある試験時間の数分でこのテストを終わらせたため私達は一番初めにこのこの講習室を出ることとなった


 ・・・・・・


「はい それでは結果の発表を講習室の前へ張り出しております 合格の方は実技講習へ移りますので裏庭へお集まりください」


 受付にいた女の子により合格の発表が張り出されたことが通知されると私達は急いで2階の講習室の前へと向かった


(ふう あったわ)


 どうやら筆記試験は合格のようだ 結果は一人不合格者がいたようだがこの不合格者は講習中大いびきをかいて寝ていた者だった

 私達は次の実技講習に向けて裏庭へと移動した
























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ