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時が経ち、私オリヴィアは17歳になり、残すところ卒業があと一年になった。
私は姉様よりも早く婚約者ができた。
理由は、レオ様のことを忘れたくて、父様にお願いしたから。
私に婚約者もでき、レオ様も忙しいので会うことも無くなり、おかげでレオ様のことは『憧れ』の感情で止まってくれた。
私の婚約者は4つ年上で姉様達と同い年のオーウェン・ワトソン様。辺境伯のご子息でブロンドの髪で整った顔立ちに柔和な性格な方だ。
彼は優しくて、穏やかな気持ちで過ごせる彼の隣は心地よい。
恋とは言えないけれど、これから先彼と結婚したら幸せになれるだろう。
そう思った矢先、悲劇が起きた。
人が亡くなるとか、失踪とかそう言う悲劇ではなっかたけれど、確実に私たちにとって悲劇だった。
オーウェン様が姉様に切ない恋心を抱いているのを気づいてしまった。
しかも、困ったことに姉様からも感じてしまった。
でもそれは2人の密会とか現場を見たとかではなく、あくまで私の予測に過ぎない範囲。
気づいたのは私がオーウェン様を姉様と兄様に紹介した時。
多分お互い一目惚れだったと思う。
それでも2人ともそれを出すことはなかった。とても理性的な人たちだと思う。
オーウェン様は毎回私の家に訪ねてきては素敵な花束をくれ、お茶の時間には楽しい時間を提供してくださった。
片思いの苦しさが理解できてしまったのと、それでも私によくしてくださるという感謝がせめぎ合い、とうとう私たちのお茶会に姉様を誘ってしまった。
それがいけなかったの。
わかってた。本当に。これがさらに叶わない恋心を増幅させるものだとしても。
少し考えが幼かった私は2人に少しでも幸福になれる時間をあげたかった。
恋ではないけど妹のように可愛がってくれる親愛なる婚約者様。
敬愛してやまない大好きな姉様。
兄様は私に何か伝えたそうにしていたけれど、私から尋ねることはしなかった。