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「姉様、兄様、ご卒業おめでとうございます!」
それはそれは快晴だった。卒業式という今日にぴったりな。
『オリヴィア(〜)ありがとう』
18歳になった姉様はとっても美しい。歳を追うごとに女性らしさも増し、魅力が増大だ。
兄様は顔だけ見れば王子様のようだが、妹である私が大好きな重度のシスコンになってしまった。
その日の夜、卒業祝いということで家族揃って夕食を食べた。
卒業までの思い出話を父様も母様も嬉しそうに聞き、時に姉様と兄様が言い合いをしたり楽しい夕食の時間だ。
「そうだ、アリア。お前に提案があるのだが。」
最後のデザートを食べる頃、父様が突然言い出した。
「なんですか。父様?」
「アリアはルイス公爵家のご子息と仲がいいんだよな?」
「はい。ダニエルの方が仲がいいと思いますけど…なんでそんなこと聞くんですか…?あ…まさか…」
私もまさかと思った。けれどその言葉に続くのは…
「そのまさかだ。家の繋がりもできると言うこともあってな、もしアリアとご子息がいいのなら婚約はどうかと言う話にルイス公爵となったんだ。」
ニコニコと父様が言う。
「アリア。私もアリアが嫌じゃないのなら良い縁談だと思うの。無理にとは絶対言わないわ。でもどうかしら?一旦考えてみない?」
母様がいう。
「私…でもそうですよわね。この年になっても婚約者もいないのはダメですわ…わかりました!レオが良いと言うのならこの話受けます。ですが、結婚はオリヴィアが学校を卒業するまではしたくないのです。可愛い妹のお世話もできるのはこれが最後になるでしょうから」
「もう!姉様。私そんな泣き虫な子供ではありませんのよ?」
「ふふ。私にとってはいつまでも可愛くて大切にしたい妹なのよ」
「ははっわかったよ。アリアそれを先方に伝えよう」
その瞬間、父様は連絡をすると書斎に急ぎ、母様はそんな父様を微笑ましく見て、兄様は友人の未来に喜んでいた。
姉様はそんな家族を見て苦笑い。
私は…笑えていたと思う。
ああ姉様は決めてしまった…
恐らく姉様はレオ様のことが恋愛的な意味で好きではない。
いやでもこれでレオ様が幸せになれるなら、いつか姉様も好きになれるはず。
これでよかったのだと思った。
大好きな姉様をレオ様に取られたからモヤモヤするだけよ。
胸が今はチクチクするけどこれもいつかきっとなくなるはず。






