第7話:冒険者登録をする
「では、冒険者登録始めますね。」
受付嬢のサラさんが20センチぐらいの水晶玉を取り出してきた。
「ここに手を置いてください。」そう促されると僕は「分かりました」と返事して手を置いた。
(これから何をやるんだろう?自分の魔力とか調べられるのかな?)
そんなことを考えているうちに
「はい。終わりました」とサラさんが言った。
「あれ!?もう終わりですか?」意外と早い。
「この水晶玉は触れた者の過去の犯罪行為があるのかないのかを測定する装置です。あなたの魔力から犯罪形跡は感じられませんでした。ですので、これにて冒険者カードを発行して終わりです。あと1~2分ほどお待ちください」
「えっっ!?、ホントにもう終わり!?魔力検査とか実力試験とかやらないんですか?」
前世の時の記憶、異世界に来てこういった場面では試験とか必ずあるのかと思っていた。
「イツキさんはそんなことやるのー?」ラフィーが僕に質問してきた。
「いや、分からないけど何か試験的なことはやるのかと、、、」
「冒険者登録ではそういったことはしませんよ」サラさんが答えた。
「冒険者は日々のクエストで自分の力を示していくんです。ここで試験をしても意味は特にありません。冒険者ランクも最初どんなに実力があっても皆さんランクEからスタートです。そこからランクアップする速さはその人の実力次第になります。」
「そ、そうだったんですね。」少し張り切っていた自分が恥ずかしくなった。
「でも。魔力を通して犯罪歴等の確認はします。犯罪者は冒険者としての登録は禁止なので」
「なるほど、さっき調べたのはそういうことだったんですね」
「そういう事です。ではこちらさんがイツキさんの冒険者カードになります。再発行はお金を取りますので無くさないようにしてください。」
渡された冒険者カードはちょうど名刺ぐらいのサイズの金属プレートだった。自分の名前と「ランクE」という文字が刻まれている。ちなみに文字は【自動翻訳】のスキルで読める。
「頑張ってください!」サラさんが言った後、「よかったねー!」とラフィーが笑顔で言った。
「ありがとうございます。大事にします。」
サラさんに挨拶して、僕とラフィーは冒険者ギルドをあとにした。
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冒険者ギルドを出ると、もう日が沈みかけていた。
「さて、これからどうするかな~」僕は困っていた。ここのお金を持っていないのが痛い。
「それなんだけどさ。イツキさんウチに来ませんか?」
ラフィーが少し頬を赤くして言った。
「えっ!」
僕は焦った。異世界に来て初めて会った女の子の家に上がるなんて予想していなかった。しかし、今どこにも行く当てもないため、行った方がいいのか迷った。
(うう~どうしよう。どうしよう。一応、男だぞ僕は!でもせっかくの誘いも断りづらいし、、、っつ!そうだ【トランス】を使えばいいんだ!それなら女の子同士で何も問題ない!まだラフィーには僕の【トランス】を見せてないけど、着いた後に見せればいいか)
僕は頭の中でそう解釈して、
「お言葉に甘えていいですか?」と返答した。
ラフィーがパァァと明るい表情になり、「是非、ウチに来てください!」と元気よく言った。
ラフィーの家へ向かって、日が沈み暗くなった道を僕とラフィーの二人で歩いていった。




