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第43話:相手の思惑

「バコォォー」

大きな音を立たせ、ジーンギルド長とグリアとラプラスの三人は遠くへ消えた。恐らく、三人の戦いは激しいことが予想されるので、被害が出ないよう移動したのだろう。


「さて!わたしは今できることをやらなくちゃ!」

ラフィーは目の前にいるエリスの事に集中したが

「.....」

対して、エリスは終始無言のままである。ラフィーは、困惑した。


「う~ん。とは言ったもののエリスちゃんどうしたら目を覚ましてくれんだろう?」

ラフィーは無意識にエリスに近づいたが、特に反撃されるようなことは無かった。それどころか普通に触れることができた。エリスちゃんの目の前で手を握ったりもしたが目を覚ます気配はない。


「それにしても、トランス時のエリスちゃんめっちゃくちゃ綺麗だな~」

エリスちゃんは自身がゴーレムになるユニーク・トランサーである。その姿は白髪青眼で高貴な貴族のご令嬢のような雰囲気を醸し出している。ラフィーがエリスの事をじっと見ていた時、エリスの背後の空間がぐにゃっと曲がった。


「な、なにこれ!?」

ラフィーは驚き、とっさにエリスを守ろうと引っ張った。だがエリスを動かすことができなかった。そして数秒後、背後に現れた空間は大きくなりラフィーも一緒にエリスを飲み込んだ。一瞬にして視界が暗くなった。


「いたっ!」

気が付いた時にはラフィーは尻もちをついた。


「ここは...?」

「ラフィー?」

そこにはイツキの姿があった。

-----------------------------------------

「ふふっ。こうして二人っきりになるのは、はじめましてよね。私はクレアを申します。以後お見知りおきを」

そう挨拶をした目の前にいる女性は一言で言うと超絶美人だった。つり目で紫の瞳に長いまつ毛、髪は腰まで長く、こちらもまた紫色の綺麗な髪色である。スタイルも抜群だ。もし日本にいたなら、トップモデルにすぐなれるだろう。服装もきわどい。装飾はされている全身タイツであるが、胸元が大きく開けており、正直戦闘する服装には見えない。そして何といっても胸だ!胸が大きいっ!その胸は世の男性を虜にしようと主張をしている。

そんなお姉さんがまるで僕を誘惑をしてくるような声で言った。正直、【変身】をして女性の姿になっていなければやばかった。


「個人としてはあなたみたいな綺麗な人とは違う形で会いたかったな」


「あら。嬉しいことを言ってくれますね。イツキ君。いや今はイツキちゃんって呼べばいいのかな?」


(僕の事を知っている!?)警戒する表情になる。


「そんな怖い表情をしないで、可愛い顔が台無しよ?」


「以前に会ったことありましたっけ?」

僕は確認の意味も込めて聞いてみた。


「実は私、一回あなたの事を見ていたんだよね。ゴブリンの時に」


「ゴブリンの時...?それって...」

そこでピンッ!と来た。ラフィーと出会った初めの頃、森でゴブリンと戦った。そこで多数のゴブリンと1体のゴブリンキングと戦ったことを思い出した。


「あれは、あなた達が仕掛けたんですか?」


「正確には仕掛けようとしていたってところですね。通常のゴブリンを強制的にゴブリンキングにする実験をしていた矢先にあなた達に防がれましたが」

顎に手を当て、目を尖らせながら、そう言い放つ。


「あなたのせいで、もしかしたら沢山の人が死んでいたかもしれないんですよ」

怒りを込めて僕も言い放った。


「良い顔です!っとそうしているうちに"ゲスト"が到着ですね」


「ゲスト...?」


すると、クレアとイツキの間の空間がぐにゃっとねじ曲がり始めた。そして出てきたのは、トランス状態のエリスとラフィーだった。

-----------------------------------------

「あらあら、てっきり一人だけかと思っていたのだけれど、二人来ちゃったのね」

クレアは困った表情をした。


「ラフィー!エリス!」

「あっ!イツキ!」

ラフィーはイツキの姿を確認すると、イツキのそばに寄った。だがエリスは微動だにしなかった。


「...?エリス?」

僕はエリスに視線を向け、もう一度名前を呼んだ。


「イツキ!今エリスちゃん大変なんだよ。操られていて、全く反応しないんだ」

「なにっ!?」

確かに反応が全くなく、こちらの存在すら気づいてない様子だ。


「ふふっ。今のエリスちゃんに何を言ってもダメよ。ちょっとばっかり強力な魅了をかけさせているから。そ・れ・に!この娘にはもう一仕事してもらうからね」

そう言って、クレアはエリスに近づき、耳元で何かをささやいた。エリスはクレアの言葉に反応した。すると、エリスの口元の空間が歪んだ。


「...アバレテ..」

エリスが一言喋った。


「何をしたんだ...?」

僕はクレアに対して問いかける。


「ふふっ。今頃、リオドールの街はちょっとしたお祭りいなっているかもよ~」

クレアはにこにこしながら、不気味な返答をした。


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