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第29話:不審者撃退!

あの子達が言っていたローブ姿の男女とグリアさんの3人が話していたという場所に来た。


「ここか...」

少し開けた路地裏だが人気がなく、怪しい取引などが起こりそうな場所である。

すぐに何か手掛かりがないか付近を探し始めたが、良い手掛かりは得られなかった。


「さすがに何かわかるような痕跡はないね~」

「だね。そもそも会話をしていただけっぽいから何もないよな」

僕たち二人はあきらめかけていたがエリスは違った。


「まって!ここで【トランス】してみる!」

エリスが勢いよく声を上げた。


「ここで【トランス】してここの"街灯達"に聞いてみる!」


「そっか!エリスは無機物との会話ができるんだっけ!」

「おお~!さすがだね!」

そういえば、エリスは【トランス】時に無機物との会話ができる能力があった事をすっかり忘れていた。

「ちょっと待ってくださいね~」と言いながら、変身トランスをして、街灯方へてくてくと歩いて行った。ここでエリスの真骨頂が披露される。


(そういえば、無機物との会話ってどんな風に話すんだろう?)

少し興味が湧き、二人?との会話に耳を傾けた。


「あっ!やっぱりイツキも気になる?」

どうやら、気になったのは僕だけじゃないらしい。そうこうしている内に会話が始まりそうである。


「........」

「.......」

光っている街灯にエリスは視線を見上げ、無言のままである。正直言ってとてもシュールな光景だ。

数秒間無言の状態が続き、エリスこちらに戻ってきた。


「あ、会話終わったぽい」

「だいたい予想はしていたけど、終始無言だったね」


戻ってきたエリスは【トランス】を解き、会話した内容を説明した。


「あのね!ケインとリアが言っていたようにギルドの方に向かったみたい。街灯さんも3人で一緒に姿を見たって」


「そうなのか。そうなるとギルドが怪しいかな?」


「ギルド職員が犯人ってこと?」


「いや、それは分からない。ギルドの関係者か冒険者か....まだまだ分からない事だらけだよ」


「そっか~」

沈黙が訪れる。


「あの~、この後どうしましょう?」手を上げたエリスが心配そうな感じで発言した。


「うーん、、、、」しばし考える。

少し考えて答えを導き出した。


「よし!、ギルドに乗り込もう!」


「「えっ?」」二人は目を大きく開いた。百点満点の驚き顔である。

だが、今すぐにギルドに潜入することはせず、一旦、家に戻ることになった。そして帰路についた矢先の時、3人程の不穏な気配を感じた。

恐らく、ラフィーとアリスは気づいていない。僕は二人そっと近づき、耳元で囁いた。


「二人とも騒がないで聞いてほしい。誰かが僕たちをつけている」


「「っ!」」


「それって大丈夫なの?」エリスが心配する。


「ああっ!大丈夫だ!僕が撃退するから」


「イツキ!私も手伝うよ!」ラフィーも応戦しようとしていたが、今回は僕一人でやると言った。

「対処しきれなかったら、ラフィーにお願いするよ」


「うん!分かった。イツキ気をつけて!」流石のラフィーも少し心配そうだ。


さて、対処だがエリス達からあまり遠くに行けないから、接近戦は無しだ。ならばこちらは魔法で対応するのがベスト。

「そういえば、エリス。僕も【ユニーク・トランサー】だって前に言ったよね?今、僕の【トランス】を見せてあげるよ」


「イツキさんのトランス....?」


「エリスちゃん。イツキのトランスはびっくりするよ~」

ラフィーそんな期待させないでくれよ。ただ男から女に変わるだけなんだから。

後、エリスちゃん。目をキラキラさせないでほしい。緊張しちゃうから。

そうこうしている内に僕はトランスの準備をして

「トランス!」

僕は二人の前で変身トランスをし、魔法が得意な女の姿に変身した。


「うえええええぇぇぇぇ!??」

エリスがいいリアクションをする。


「イツキさんが、、お、お、女の子になっちゃった!」


「ね?驚くって言ったでしょ。しかも強いんだよ~」

盛り上がっているところ悪いが、一応敵に狙われているのを忘れていないかい?

やれやれと思いながら、陰に潜んでいる奴らをどう対処すればいいか、考えた。

相手から情報を聞き出すため、気絶させるぐらいのダメージがいい。そうなると【雷】の魔法が最適か。


「よし。雷系統の魔法で行くか!【雷鳥サンダー・バード】」

そう唱えると、バチィバチィと鳴らし3体の雷の鳥を生み出した。今回はかなり弱めに生み出した。

本来は、もっと強く消し炭までできる電撃だが、今回は気絶程度の威力にしてある。


「行っておいで!」3体の雷鳥は物陰に潜んでいる者に向かって飛んで行った。


「ぎゃぁぁ!」「うぎゃゃぁ!」「グギギッッ」物陰の方から三人の悲鳴交じりの雄たけびが聞こえた。


「意外と楽勝だったな」なんとも歯ごたえがない相手である。

気絶した3人の不審者をロープで縛り、リーダー格っぽい男を【回復ヒール】で回復させ無理やり目を覚まさせた。


「くそっ!こんなはずじゃなかったのに!」

目が覚めた途端にひどい愚痴を吐いた。


「なんで、僕たちを狙ったんだ?」


「金が欲しかったんだ。お前らが3人のうち一人でも殺せば、多額の報酬が貰えるって言われたんだよ」


「僕たち賞金首になってるの!?」それはさすがに驚きだ。エリスならまだしも僕とラフィーはこの街に来て、日が浅いのにどうして。


「それは誰から依頼されたの?」

「それは、言えねー。そういう契約だから絶対言えねー」


「どうしても?」

上目遣いでアピールしてみた。

(これって結構恥ずかしいな)


「うっ!て、てめーさっきまで男だったのになんで女になってやがんだ?しかも色仕掛けとは、、」

そんな強く色仕掛けした覚えはない。


「口を割るまで痛めつける?」ラフィーが強硬手段に入ろうとしていた。


「だから、言えねーって言って、、、、うっ!?」

「がはっ!」「ぐッ、、」三人が一気に苦しみ始めた。そして数秒後、静かになった。


「3人ともどうしたの?急に静かになったけど」

エリスが心配そうに倒れた3人の男たちを覗き見る。

「たった今、3人とも殺された。恐らく口封じのためだ」

「うそっ!」

エリスは目を大きく開き、口に手を当てた。


「イツキ、、こいつらの依頼主がそう仕向けたんだよね?もしかして相当やばい奴なんじゃ...」

ラフィーも心配な表情になる


「確かに、危険な奴がいるのは間違いない。でもそうなるとグリアさんの事がすごく心配だ」

死亡した3人の襲撃者たちの遺体は街の自警団に引き渡し、僕たちはギルドに忍び込む準備をする為、再び帰路についた。

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