第28話:少女の師匠を探す
次の朝、イツキとラフィーはエリスの工房前に集合した。行方不明になった師匠を探すためである。
「うーん、眠い、、」ラフィーは目をこすって呟く。昨日、帰った時間がかなり遅かったからしょうがない。自分も寝不足だ。
「イツキさん!ラフィーさん!お待たせしました!」
僕たちとは反対にエリスは元気いっぱいだった。
「エリスちゃんは元気だね~」
「他の人と出かけることがないからつい、、」エリス嬉しそうである。
エリスのぼっち属性は健在である。
「よし!揃ったね。エリスの師匠探しを始めよう!とりあえず最初はどこを探せばいい?」
「師匠がよく行くお店や酒場に行こうかなって思います」
「分かった!なら最初に酒場の方に行こう!」
酒場は色々な情報に溢れている。もしかしたら意外とすぐに見つかるかもしれない。
そして、ふと僕は一番大事なことを聞き忘れていたことを思い出した。
「エリス。ごめん!そういえば師匠の名前を聞き忘れていた」
「あっ!確かに!私も伝え忘れていました。すみません!師匠は"グリア・ロージア"って言います!」
「グリアさんか、、、かっこいい名前だね!」
「師匠はかっこいいって言われると喜ぶから聞いていたら嬉しがりますね」
こうして、僕たちは雑談をしながら、師匠のグリアさん捜索を開始した。
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正直にいうと酒場での収穫はゼロだった。
最初に行った店はグリアさんの事は知っていたが
「そういえば、グリアの奴、最近、姿見せないな~」酒場の店主がそう答えた。
最近いつ来たのか尋ねてみると、
「一週間かそれくらい前に1回来てくれたな」と答えた。
その時期はちょうどエリスが師匠がいなくなったと言っていた時期に重なる。しかしそれ以上の情報はなく、やむなくその酒場を後にした。
続いてきたのは別の酒場。ここもよく師匠が行くお店らしい。先ほどのお店より質素である。
しかし、ここでの収穫もゼロだった。先ほどの店と同様に一週間ほど前に来てくれたが、それっきり見ていないらしい。
てか、エリスの師匠のグリアさんってお酒飲みすぎじゃない??ストレス溜まっているのかと心配になる。
続いて、ギルドの方にも足を運んだ。
「グリアさん?うーん、最近はここに来てないかな」
依頼を受理してくれた受付のお姉さんに聞いた。「他の人にも確認してくるね~」そう言って、奥の方に消えていった。
「ここにも来てないのかな~」ラフィーが呟く。
「おまたせ~。ごめんね~、やっぱり他の娘も見てないって」
「分かりました!ありがとうございます」
僕たちはギルドを出て、またグリアさん捜索を再開した。
そして、僕たちはグリアさんの来そうなお店を片っ端から訪ね回った。
工房仲間の所、飲み仲間の所、お世話になっている友人の家など、探しに探し回ったが、収穫はゼロだった。
「ここまで探して何で情報がないの~~~~~~!!」
ついにラフィーがしびれを切らし、大空に向かって大声を上げた。
「うう~。ラフィーさん、ごめんなさい~」なぜかエリスが謝る。
「べ、別にエリスちゃんのせいじゃないよ!?」ラフィーがフォローを入れた。
「でも、確かにこんだけ探して収穫ゼロはきついな...うん?」僕はふと誰かの視線を感じた。だが敵意は感じない。だが、今はラフィーとエリス二人がいる。万が一怪我をされては困るので、陰にひそめている者に視線を向ける。
「そこに隠れてる人は誰かな?」優しい声で、陰から見ている誰かに話しかけた。
「「ッ!」」ラフィーとエリスも視線を向けた。
すると視線の先には男女の子供二人が建物陰からこちらを見ていた。
「ケインとリアじゃない!どうしたの?」
あれ?エリスの知り合い?エリスから詳しく聞くと師匠のグリアが懇意にしている孤児院の子供たちらしい。
「エリスお姉ちゃん。グリアさんを探しているの?」ケインという男の子が訪ねてきた。
「うん、そうなんだ。でもなんで知っているの?」
「さっき、お買い物していたらね。エリスお姉ちゃんがグリアさんを探してるって聞いたの!」もう一人の女の子が答える。
「実は俺、一週間前にグリアさんを見たんだ」
「えっ!?どこで?」エリスがぐいっと子供たちに顔を近づけた。予想にもしていなかった所で情報があった。
「僕たちの孤児院からすぐの路地でフードを被った二人組とグリアさんが話しているところを見たんだ」
「フードを被った人?」
「見るからに怪しかった。でもなんかその後、3人一緒になってギルドの方に歩いて行ったよ」
「ギルドの方に!?」
「「うん」」
子供たち二人は同時に頭を立てに振った。
「ケイン!リア!ありがと~。二人のおかげですごく助かった!」
ぎゅーっと二人を抱きしめるエリス
「あたしたちグリアさん大好きだから、絶対見つけてね!」
リアという女の子に励まされる。
「絶対、絶対、見つけるよ!」
その後、ケインとリアの二人の子供とバイバイした。
「ギルド....さっきはグリアさん来てなかったって言ってたよね?ギルドが何か隠している?」
僕は嫌な予感がどんどんしてきた。
「しかも、フードを被った二人組って言っていたよね?エリスちゃん心当たりある?」
「フードを被った二人組なんて私は知らない。師匠もそんな知り合いなんていない気がする」
どんどんと話が暗い方向に向かう。
「ここで話していてもしょうがないから、あの子達が言っていたグリアさんとフードの二人組がいたっていう場所に行ってみよう!」
「そうだね!」「うん!」
僕たちは3人そこに向かった。時刻はもう夕方、日が沈みかけていた。




