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【番外編】エリスの過去2

「う、、嘘だっ!」

この時の私は全力で否定した。


「嘘ではない。本当だ。」


話を聞くと、私が住んでいた村は、魔物により破壊され生存者はいないとのことだった。


「じゃ、、お父さんとお母さんは??」


「分からない。だが覚悟はしといた方がいい」


「うっ...うわぁぁぁぁぁーーーー!」

私は、叫び声のような鳴き声を上げた。


しばらく経った私は心を完全に閉ざし、父と母の死のショックで暗い表情になっていた。


「ほれ、これでも食べて元気を出しな」暖かいスープが目の前に出されたが、

「......」私は無言のままだった。


「一つ提案なんだが、お前さんは今、どこにも行く当てがないのだろう?どうだい。私の弟子にならないか?」


「...弟子?」


「正直、今のあんたは見てられない。かと言って今のあんたを野放しにできない。だから私があんたを弟子にしようと思うんだがどうだろう?」


「....」

結論から言うと"どうでもいい"の感情でいっぱいだった。もうどこにも行く当てがないのだから。

だが、この人は私を助けようとしてくれている。弟子になってみるのもいいかもしれない。

「弟子になるよ...」

私は適当な返事をした。

-------------------------------------------------------

弟子になって色々なことを学んだ。

まず、師匠の仕事はゴーレムを使った武器職人だった。戦闘などに自身に装備して戦ったり、ゴーレムにゴーレムを装備させて戦うなど種類は様々である。


「どうだろう?これなんかかっこいいだろう!」

見せてきたのはガントレットのようなゴツイアーマーである。


「...あまり」

「ガーーンッ!」

そんなたわいもない話をしながら、師匠と共に暮らしが続いている。

そうして、師匠の下で約5年の月日が経った。私は16歳になった。最初の頃、何もかもに絶望していた自分はもういない。

師匠が優しく、親切にしてくれたおかげで心を開いた


「よし!エリスも大きくなってきたし、今回は狩りに出かけるか!」


「狩り?魔物を倒すの?」


「そうとも!ここら辺にレアな鉱石が付いた魔物がいるんだ」


「でも、私まだ【トランス】できないよ」

そう。私はまだ【トランス】ができないままにいる。なぜだが分からない。他の街のみんなはできるのに、、、


「ああ、今回は大丈夫だ。標的はウサギでトランス無しでも勝てる相手だ」

師匠が自信いっぱいで言う。


「師匠がいうなら、、、」

私自身、少し不安があったが、師匠を信じ今回初めてとなる狩りに出かけた。


数十分後、広い平原に私たちはいる。


「エリス!今そっちに行ったぞ!かまえろっ!」

「はいっ!」

額にキラキラ光る宝石のあるウサギの魔物がこちらに向かってきたので、渡されていた短剣で身構えた。突進してきた瞬間、左側に避け、獲物の横腹に短剣を突き出した。


「ガギャ.....」ウサギの魔物は何とも言えない雄たけびをして息絶えた。初めての感覚に浸る。

「よし!教えた通りにできたな!よくやった。この調子でどんどん行くぞ」

師匠が褒めてくれた。少し嬉しい。


狩りは順調に進んでいった。最終的な成果はウサギの魔物を5羽仕留めることができた。だがそのうち4羽は師匠の手柄である。私は最初の一回目しか成功しなかった。


「ううっ、、全然うまくいかなっかたです.....」

「ははっ!そう落ち込むな!最初の一回目で成功したのは大したものだって!」

今回の成果について話をしながら、帰路についていた。


「まぁ。この調子でどんどん頑張ればいいんだって」

師匠がそう言った瞬間、それはあまりにも不意打ちだった。いきなり、私の目の前から師匠の姿が消えた。私は何が起きたのか全然分からなかった。


「うぐっ、、、」

師匠の声がした。15m先で倒れていた。仕留めたウサギが散乱しいる。

「師匠!」私は大きな声で師匠を読んだ。


「エリス!来るな!」師匠がいつもにまして必死な声を上げた。

そして、師匠の前には大きな黒い蛇の魔物がいた。対する師匠は腹部を抑えながら立ち、師匠の武器は腰に携えていた剣を抜き戦闘態勢に入った。

「こいつは"ブラックスネーク"何でこんなところに....」

体長15mほどの大きな蛇の魔物でBランク指定の魔物である。この魔物の一番の武器は瞬発力で体を縮めて跳躍することだ。隠れるのも上手く厄介な魔物である。


(くそっ。こいつの攻撃をまともに受けちまった)

師匠は焦っているのが分かる。

「師匠を助けなくっちゃ!」そう思ったが、私には助ける手段がない。そして、師匠と蛇の魔物との戦闘が始まったが、師匠がかなり劣勢である。


「何とかしなくっちゃ、何とかしなくっちゃ、、」

私は焦る。しかし何もできない。短剣を握りしめているが、これで何ができるのだろう?周りには私たちだけなので助けも期待できない。

絶対絶命のピンチだった。

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