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【番外編】エリスの過去1

私は昔、"孤児"だった。いや、正確には孤児になった。


物ごごろ着く時は、父と母と私の3人で小さな村の小さな家で暮らしていた。貧しい暮らしではあったが、決して悪い生活ではなかった。

父と母はどちらとも"薬師"の才があり、二人ともトランスでは"エルフ"になる。二人はエルフの回復士として働いていた。小さな村では大変貴重な存在だ。村のみんなは私の両親に感謝していて、両親は私の自慢であった。


「あたしのお父さんとお母さんはすごいだろーー」とお客さんに自慢したこともあった。


「こら、エリス!お客さんに迷惑かけないの!」母が叱られることもしばしば。

本当に幸せだった。


私はそんな親の姿を見ていたので、いつか両親のような"回復士"になるんだろうと思っていた。

しかし、悲劇は突然起きた。


「大変だーーー!魔物たちがもうここまで来ているぞーーー!」

突然、魔物が多量発生した。小さな村は大パニックになり、皆、逃げるのに必死だった。

後に"スタンビート"と言われる魔物の大量発生だと知るが、この時の私は何も知らなかった。


「お父さん、お母さん、大丈夫なの?」


「エリス、、、ああ!大丈夫だ!王都から応援が来ていて、戦ってくれているから大丈夫だ」


「そうよ!何があってもエリスを守るから」


私の両親は必死に私を励ました。


「グルルぅぅ.......」

1匹の魔物が私たちの前に現れた。


「あ、あなた!」母が叫ぶ。


「大丈夫だ。私が時間を作る!エリスと一緒に逃げてくれ!」


「お父さん!」私が叫ぶ。父は振り返り笑顔で答えた。これが父の最期の記憶である。


母と私は必死に逃げた。しかし私たちを狙う魔物が3匹追ってきた。ゴブリン系の魔物である。


「はぁ、、はぁ、、」息を切らして走るがとうとう追いつかれそうになる。

そして、母が私の方を持ち顔を私の高さまで合わせて

「エリス、、いい?今からあなたは一人でここまっすぐ走っていくの。大丈夫?」

すごく真剣な表情で言われたのを今でも鮮明に覚えている。


「お母さんは?」


「お母さんはね。私たちを追ってくる悪~い敵を懲らしめすの」


「でも、お父さんが頑張っているよ」


「そうよ。お父さんも頑張っている!でもお父さんだけじゃ大変だから、お母さんも手伝うの。エリスと1回お別れしちゃうけど、また会えるから!」


「本当?」

この時の私は不安で不安でしょうがなかった。


「っ、、、本当よ!だからここから走って安全な場所で待っててね」

この時の母は一瞬、言葉が詰まったが当時の私は気にしていなかった。


「うん、分かった!待ってる!」

私は、母の言葉を信じ、一人走り出した。


母は「、、、ごめんね」と小さな言葉でエリスの後姿を見送った。

これが母を最期に見た記憶である。

---------------------------------------------


どれくらい時間が経ったのだろう?私はとにかく遠くへ遠くへと走った。息を切らし、それでも走った。しかし子供の体力である。すぐに限界が来てしまった。疲れ果てた私はその場で倒れてしまった。

どれくらい時間が経ったのか分からないが、気づくと、部屋のベットにいた。


「おや?気づいたかい?」

人の声がした。この時に出会った人こそ私の師匠である。


しばらく経って私は

「ここは...?」と名前も知らないその人に尋ねた。


「ここは、あたいの工房さ!材料調達の為に出かけていた時、倒れているあんたを見つけてここまで運んできたんだ」


「.....あ、ありがとう,,,ございます」


「おっ!お礼がちゃんと言えるんだね。なら悪い奴じゃないね。安心した」

その人はわっははと笑っていた。何がそんなにおかしいのだろう?


「ところで、お前さんはなんであんなところで倒れていたんだい?」


「あっ....!」私はすぐに思い出した。私の両親が私の逃げる時間を稼ぐために戦ってくれている事を。私はすぐにその人にお願いした。


「助けてください!私の両親が大変なんです!!」

私は詰め寄って、お願いをした。


「おっおっ。ちょ、ちょっと待てって、何がどうしたんだ」

私は、これまでに起こったことをその人に伝えた。

魔物がいきなり、大量発生したこと。今も両親が戦っている事。私が経験した事を細かく話した。

やがて、その人の表情が深刻になる。


「お前さん。いいかい落ち着いて聞いてくれ。今話していた村はね、、、、、壊滅したんだよ」


「えっ.....」

衝撃の一言がその人から発せられた。

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