第22話:いざ!新しい街へ
シクレトの街が見えなくなって、数十分が経とうとしていた。僕たち二人は整備がほとんど行届いていない、馬車の車輪のわだち跡がある道をとぼとぼと歩いていた。
「ねぇ?イツキさん?私たちは今どこに向かっているの?」ラフィーは後ろに手を組み上目遣い気味で僕に訪ねてきた。
「うーんとね。とりあえずは王都に向かうつもりかな。やっぱり一番人の多い所だし、この国についてもっと知りたいからね」
(ちなみに僕がこの世界の転生者であることは言ってない)
「それと僕の事なんだけど、これから"イツキさん"じゃなくて"イツキ"でいいよ。もう僕たちは仲間だからね」
「イツキ...うん!そうだよね!もう私達、仲間だもんね!じゃーこれから"イツキ"って呼ぶね」
ラフィーが笑顔になった。
「イツキ....イツキ...」
さらにラフィーはぼそぼそと僕の名前を連呼していた。そんなに嬉しい事だろうか?分からん。
するとすぐに、ぼそぼそ独り言を言うのをやめて、「イツキにちょっと質問~」と訪ねてきた。
「あとさ。ここからだと王都まで結構あるけど、途中にある別の街にも行くのかな?」
「えっ?このまま王都にいくつに行くつもりだったんだけど、、、」
僕はラフィーに素直にそう言ったら、ラフィーは青ざめた表情になった。
「このまま、歩きで王都に向かおうとしていたの?どれだけ距離があると思っているの!?」
「ど、どれくらいだろう、、、?」僕は自信なく答えた。
「一ヶ月よ!一ヶ月よ!普通に歩いたらそのくらいはかかるよ」
「一か月~~!?そんなに!?」イツキは再び驚く。
僕がシクレトの街で事前に下調べした時はそんなにかからないと聞いていた。もしかして騙されたのか?
「誰に聞いたか分からないけど、王都までそんなにかからないって教えられたんでしょ?」
ラフィーは僕の思っていることが分かるのか?さっき考えていたことを言い当てた。
「はい。その通りです。そう教えて貰えました」
「聞いた人がまずかったね。シクレトの街はね。月に一回、空を利用した交通手段があってね。それの事を言ったんだろうね。それだと王都まで5日間で行けちゃうの」
「そ、そうだったんだ。知らなかった」
「ち・な・み・に!私たちの出発があと1日早ければ、それに乗れたよ」
「えっ!?マジ?」
それが本当ならもっと楽に行けたことになる。大きなチャンスを逃しちゃったのか~
「じゃ、どうしよう。王都まですぐって聞いたから、途中にある街とか分からないよ」
僕は焦った。ものすごく焦った。シクレトの街に引き返して、情報収集するか?いや、でも野宿する環境は整っているし、僕の【空間収納】に道具は一式ある準備は万全だ。
「1ヶ月間のじゅ・・」1ヶ月間野宿と言いかけた瞬間
「それは嫌です!」ラフィーが僕の言葉を遮ってきて全力で否定した。
「はあぁぁ~。イツキ。私がいて本当によかったね。この地点からおすすめの街があるよ」
「ホントに!?ラフィーありがとうー!」僕は目をキラキラさせてお礼をした。
「そ、そんなに感謝されることじゃないよ。それで次の街ですが名前を"リオドール"と呼ばれる街になります!
ラフィーが自身たっぷりに言った。
「リオドール。なんか踊る人が多そうだね。人形だけに」僕は冗談交じりに言ったが、
「は?何言っているんですか?」切れ気味に跳ね返された。うーん、ダジャレは伝わらないか...残念。
「おふざけは後にして、そのリオドールって街はシクレトの街よりさらに賑やかで、さらにこの国で唯一の特産品を作っている街でもあるんですよ」
「この国の特産品?何なの?」
「”ゴーレム"です!」ラフィーは人差し指を立てて説明した。
「あの街はゴーレム作りが盛んなんです。過去の英雄の姿をしたゴーレムや動物を模したゴーレムなど様々なゴーレムを作っている街なんです。もちろん、戦闘で使うようなゴーレムもありますよ」
「お!なんか面白そうな予感!」
(僕は一瞬、頭をよぎったのは、それは元いた世界、日本でゆうところの"フィギュア"というものではないだろうか?転生前、フィギュアには大変関心があって、お気に入りのアニメのフィギュアを集めていたこともあるほどだ)
「すごくいい街ですよ!実は私も過去2回ほどしか行ってなくて、少しワクワクしています!」
「よし!それじゃリオドールの街を目指していこうー!ちなみにここからどれくらいかかる?」
「うーんと、ここからだと、、一週間ぐらい?」
意外に時間がかかるのだなと思ったが、王都まで1ヵ月歩こうとした僕に比べたら全然マシな方だった。
「一週間か!危険があるかもしれないから安全に行こう」
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リオドールの街へ行くまでの道中には特に何もなかった。途中に現れた魔物も鹿系、兎系の小動物の魔物ばかりで比較的安全だった。馬車に乗った商人ともすれ違ったりもした。ラフィー曰くここは、道が整備されえていないが、比較的交通量が多く、強い魔物はほとんど現れないという。僕は安全に行ければ全然問題ない。
そうして、野宿など繰り返しあっという間に一週間が過ぎていった。そして、、、
「「やっと、着いた~~~~!」」僕とラフィーは両手を背伸びする感じで大きな声を出した。
そう、僕たちは二人はリオドールの街に着いた。




