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第19話:ギルド長にお披露目

魔族は一般的に人間族と相反する種族だ。実際に見たことは無く、深くは知らないが、ラフィーからはそう聞かされている。


「実のところまだ、噂程度なんだけどね。あまり不安を広めたくはないからここだけの話にしておいてほしい」


「「分かりました」」


「よし。この件については以上だ。他に何か聞きたいことでもあるかい?」


「いえ、私からはありません」「僕の方からもありません」

僕たち二人はギルド長に返答した。


「では、報告はこれでおしまいだ。今度は私個人的なことを聞いていいかな?」

クレインギルド長は僕の方を見て言ってきた。


「ど、どうぞ」僕は首を縦に振った。


「イツキ君、君の【トランス】について聞いてもいいかい?」


「は、はい!全然かまわないですけど」


「ちょっと不思議に思ってね。今トランス状態を解いていないでしょ?こういう場はトランス状態を解くと決まっているんだが、、、」


(うっ!痛い所をつかれたな。別にトランス状態を維持しているわけじゃないんだけど、どう説明しようかな)


「ギルド長!」とそこでラフィーは手をぴょこと上げた。


「ん?なんだい?」


「イツキさんは今トランス状態じゃありません!イツキさんはトランス状態になると女の子になっちゃうんですよ!」となぜかラフィーが自信満々に言った。


「そ、そうなんですか!?」ギルド長が目を開いて驚いた。


「性別が変わるトランスなんて聞いたことがない。イツキさん見せてもらってもいいですか?」

まるで子供のように体を前にして迫ってきた。


「べ、別に構いませんが」

トランスしようとした時、クレインギルド長が遮ってきた。


「一応、説明しておきます」とクレインギルド長は続けて

「性別が変わるトランスは、私が知る限り世界初です。実はこの世界にもイツキさんみたいに特別なトランスを持つものがいるんです。それらの特別なトランスを持つ彼らを【唯一の変身者ユニーク・トランサー】と呼ばれるんです」


(そうなんだ。僕以外にも特別なトランスを持つ者がいるんだ。そうだよな。自分だけが特別と考えちゃいけないよな)そう思いながら「では【トランス】します」ギルド長に言った。


「トランス」と呟き、一瞬光った後、女の子の姿になった。トランス後、部屋の姿鏡で自分の姿を見た。我ながらいつ見ても可愛いな。自画自賛である。


「っっ!!」クレインギルド長は目をこれでもかっというほど開いて口をパクパクしていた。

正直、雰囲気と表情が似合ってない。そして、数秒後、やっと言葉を出したかと思うと


「す、素敵だ…」と言い、いきなり自分の手を握ってきた。


「イツキさん!今のあなたはとても素敵です。私はあなたに一目ぼれしました」


「は?はぁっ~~~!?」いきなりの事すぎて、頭が理解できない。

(な、なんだこのギルド長。さっきまでの雰囲気と全然違うぞ!しかもイケメンでめっちゃキラキラしてるし。)


「すみません。手を放してください~。僕一応男です!姿は女の子ですけど、、」僕は少し怒り気味に言った。


「おっと。すまない。取り乱してしまった。でもどうだい?今夜、私と食事でも」

クレインギルド長がさらに輝きを増したかのように見える。僕には持ってないイケメン要素をこれでもかと出してくる。


(くそ!このイケメンが!爆ぜろ!)と心の声が出そうになったが、ここはしっかりと「いや、結構です!」ときっぱりお断りを入れた。


「ふむ。断られてしまったか。中々、ガードが堅いね。イツキちゃん」


「何度も言いますが、僕は男です。あと、さりげなく「ちゃん」付けで呼ばないでください」


「やれやれ。ちゃんもだめなのかい?」


「はい!だめです。」自分の男の中のプライドが許さなかった。


ふと、ラフィーの方を見ると、「イツキちゃんか...今度、女の子の時読んでみようかな」などと小声でごにょごにょ言っている。


「さて、話はだいぶ脱線したが、イツキ君。君のトランスが見れてよかったよ」


(ギルド長本人が脱線させたんだろうが)と思ったが、心にとどめておく。


「最後に一つイツキ君に確認しておきたいことがあったんだ」

クレインギルド長が「あっ!そうだ!」と言わんばかりに切り出した。


「何でしょう?」僕はまた、変な感じでからんでくるのかと思った。


「君はこの街にずっといるのかい?」


いきなりのその質問に戸惑いを見せたのはラフィーだった。


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