第17話:ギルド長と出会う
僕とラフィーはゴブリンキングの戦闘後、他のモンスターに出くわすことはなく、森から出てきた。
その後、女の姿のままだったので、男の姿に戻ってから町に向かった。
途中で門番のガトンさんとリーンさんにも挨拶し、ギルドに戻ってきた。今はギルド受付嬢のサラさんに今回の報告をしているところなのだが、、、、報告をしている最中にだんだんとサラさん表情が怖くなっていった。
「お話は分かりました。つまり、今回のクエストであるシーラ草の採取の後、ゴブリンの討伐に向かった際、ゴブリンの巣を発見し、そこに上位種であるゴブリンキングもいたと、、、」
「「は、はい」」
「そしてそのゴブリンキングを討伐したということですね。」
「「はい。そうです、、、」」
「はい、そうです?じゃないですよぉぉーー!!」
サラさんがブチ切れた。
「なんて危ない真似しているんですか!いくら冒険者ギルドは実力主義といっても、限度はあります!ゴブリンキングは本来ランクA~Bの冒険者数人を向かわせて、何とか討伐できるかできないかの強さなんですよ!なんで報告をしようと先に思わなかったんですか!!」
「いや、さっきも報告したように、この町に危険が及ぶかもしれないと思ったので、、、」
「それはその時に対処にします。あなた達に全ての責任があるわけじゃないんですよ」
「す、すみません。」
僕はサラさんに謝り、ラフィーも「サラ~、ごめんね~」と半泣きで謝っている。
「今度からまずは報告!すぐに突っ走らないでください!一応このことはギルド長に報告します。少々こちらで待っていて下さい!」
サラさんは興奮状態のまま、強い口調で僕たちに言ってきた。
「す、すごい怒られちゃったね。」僕はひっそりとラフィーに言った。
「サラはまじめだからね」
「でも、僕たちのことをすごく心配にして言ってくれているのが伝わったよ。それにゴブリンキングに戦いに挑みに行ったのは僕だし、ラフィーを巻き込んだ形になってごめん!」
「ううん、大丈夫!私は何もやってないし、むしろ最初の3匹のゴブリンに攻撃しようとして止めてくれてありがとう。もしあのまま戦いをしていたら、ゴブリンキングがきて返り討ちに合っていたかもしれなかったもん!」
僕らはお互いに謝って、その様子に「クスッ」となり、おかしくなって笑ってしまった。
「何笑っているんですか?」少し怒気が強めのサラさんの声がした。
「ギルド長がお二人をお呼びです。こちらについてきてください」
「えっ?私も?ホント私何もしてないよ」ラフィーは自分指を指して意外そうに言った。
「ええ、今回はゴブリンキングの件でお伺いしたい事があるらしいので、ラフィーも一緒に来てください」
「わ、分かった。」
「では、イツキさんもこちらへ」
「わ、分かりました。」
ちなみにこの話を聞いていたギルドの他の冒険者は「あいつらゴブリンキング討伐したのかすげ~」「ギルド長に呼ばれたぞ」など、ガヤガヤしていたが、僕たちは気にする余裕がなく、サラさんの後ろについて行った。
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僕たちはギルド長の扉の前に立った。
「クレインギルド長失礼します」そう言って扉を開け、
「冒険者イツキさんと、同じく冒険者のラフィーさんを連れてきました」サラさんは行儀よく報告をした。
「うん。サラ君ありがとう」非常に聞きやすく、透き通った声がした。
すぐに僕たちも「「失礼します」」と挨拶をした。
クレインギルド長。この町のギルドのトップである。見た目はまだ全然若い、恐らく30歳前半ぐらいだろう。そして少しやせ形で、長髪の金髪。派手な装飾はなく、淡い緑のローブで身を包んでいる。見た目から魔法系統が得意そうに見える。そして何といっても初めて会ったのに上に立つ資質というものを感じさせられる。
僕とラフィーは棒立ちしているとサラさんが「ンンッ」と咳払いした。ふと見ると
(あ・い・さ・つ!)サラさんが目で訴えかけてきた。
「初めまして、冒険者のイツキと言います!」
「同じく冒険者のラフィーと言います!」
「挨拶ありがとう。わたしはこのギルドのギルド長をやっているクレイン・ラーシエド。よろしくね。」
「では、私はこれで失礼します」サラさんはすぐに自分の業務の方に戻っていった。
僕とラフィーとクレインギルド長が部屋に残った。