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リケジョ

「次の授業って何だっけ?」



 出たよ。その質問。自分で調べれば分かることだし、何なら前に時間割表があるんだからそれを見ればいいだけのことだろ。



「あー、何だっけ?」



 いや、お前も分からんのかい!もう、この学年になって一ヶ月経つんだから、覚えておけよ。



「じゃあ、私が予想してみるね。」



 予想って何?前に答えがあるんだし、それに、先週の記憶を呼び起こせば分かるでしょ……。



「分かった。私も予想する。」



 いや、それじゃ収集付かないでしょ。誰が正解発表するんだよ。展開が読めなさすぎる。



「次は家庭科じゃない?」



 いや、その授業週に一回しかないのに、絶対違うって分かるでしょ。週一の授業くらい覚えておけよ。ちなみに、家庭科は明後日の3時間目である。



「なるほど。じゃあ、私の予想は数学。」



 ……当たってるな。言い方からして、当てずっぽうで言い当てた感じだが、もしかしたら、知っていたのかもしれない。そうにもかかわらず、友達のノリに付き合ってあげるのは偉いな。



「えぇ……、数学はないでしょ。だって私、今数学受けたくないもん。」



 いや、知らねえよ。誰がお前の気分で時間割組むんだよ。お前の我が儘で組んだら、絶対、数学という授業なくすでしょ。



「分かる。」



 お前も肯定するなよ……。そこは、食べ物も授業も好き嫌いしてはいけませんって突っ込むところでしょ。



「そうだよね。何で、この世に数字ってあるんだろうか……。」



 いや、批判精神が強すぎでしょ……。この世の理の半分くらい否定してない?



「いや、数字は必要でしょ。私、算数は好きだったし。」



 絶妙に合ってるような間違ってるような……。まあ、話のキャッチボールが成立していなきことは確かである。



「まあ、千佳ちかはリケジョだもんね。」



 ああ、こっちの落ち着いてるほうは千佳って名前なのか。



「関係ないよ。昔から計算が得意だったし。」



 だから、リケジョって言ってるのでは。何だろう、この絶妙に噛み合っていない感じ……。



「得意じゃないと好きになれないよ。」



 そうそう、そういうこと。



「好きに理由なんてないよ。」



 使いどころが違いすぎる……。よくその言葉をこんなカッコよくない感じに出来ますね。



「おお……。」



 いや、何でお前は感心してるの?馬鹿なの?



「じゃあ、そろそろ授業始まるから。」



「そうだね。……ところで、次の授業って何だっけ?」



 数学だよ。千佳さんは分かってあなたにノって上げたの。



「ああ、ちょっと待って。今から、調べる。」



 本当に当てずっぽうだったのね……。

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