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女戦士と海とクラーケン

ここ数日疲れのせいか執筆が中々進まず、期間が空いてしまい申し訳ありません。なるべく早めに更新致します。これからもよろしくお願いします。

 翌朝、勇者達と合流し迎撃船に乗って出航する。これがあるならクラーケンも討伐できるだろと思ったが、高ランク冒険者が別の依頼で出張っているのでクラーケンを討伐する手立てがなかった。そんな時に勇者が来たので渡りに船だろう。


「待ってたよ。さあ街の危機を救おうじゃないか!」


 体質が変わったせいか朝に弱くなったのおかげで、勇者の元気さがうっとおしい。顔を顰めると仲間の女戦士が話しかけてくる。


「貴方やる気がないなら抜けてもらっても構わないわ。クラーケンなんて私たちで充分よ」


「それは勇者に言ってくれ。別に俺は抜けたっていい」


 こいつらといても俺にはなんのメリットもないので、そうしたいが下に見られるのは気に食わない。女戦士と睨み合うが勇者が割ってはいる。


「まあまあアリア。彼だってこの街を救おうしてるんだ。ここはいがみ合わずに協力していこうじゃないか!」


 そんなことを言いながら勇者は笑う。元はと言えばこいつが巻き込んだせいだと言うのに呑気なもんだ。女戦士、アリアは勇者に言われ、渋々と引き下がる。だが納得がいかないと言わんばかりに態度に出し、険悪な雰囲気のまま俺たちは迎撃船に乗り込み出発する。


 潮風に吹かれながら、クラーケンの出た海域へと到着する。しかし、しばらくはクラーケンの姿が見えないので船員に尋ねる。


「なあここにクラーケンが本当に出たのか?結構時間が経つが、どこにも見えないぞ」


「しかし、ここら辺で被害が相次いでるので間違いはないかと。俺達も最近は海に出てないのでクラーケン自体は暫く見ていやぁせんがね」


 船員の口からは出たと返される。だとすればクラーケンはどこにいるのか?もしかしてもうここにはいないんじゃないかと考えるが、そこにアリアが話しかけてくる。


「ちょっとあんた。さっきから聞いていればなんなの?こんな広い海ですぐ見つかったら苦労しないわよ。これだから冒険者は嫌いだわ」


 俺だってお前の事嫌いだよ。ほっとけばいいのに、なんでこいつはこんなに突っかかってくるなんて物好きなのか?


「 別にただ聞いただけだろ。俺もお前のことは好きではないから話しかけてくるな。正直勇者にもうんざりするし残りの仲間たちともとはそりが合わなそうだな」


「何よ、クラーケンの前にあんたをぶちのめしてやろうかしら?」


「やれるのさものならやってみろ。こっちも…待て。なんか音が聞こえないか?」


 水の波立つ音が聞こえる。海面の波ではない、水中から海面へ上がるような音が下から小さいが聞こえる。


「あんた今更になって怖気付いたわけ?話しをそらそうとしてもそんなの聞こえないわよ」


「いや本当なんだ。どんどん音が大きくなってる」


 その時、かなり大きく迎撃戦の前で水から上がった音が辺りに響いた。アリアと共に甲板へ行くとかなり大きなイカの姿が見えた。


「クラーケンが現れたぞ!迎撃しろぉ!」


「遅いぞアリア、ヴィン!クラーケンが出た!」


 既に勇者のパーティーが戦闘を始めている。先程聞こえた水の音はクラーケンが這い上がってる音だったのか。ともあれ戦闘開始だがクラーケンがデカすぎて分からないが近距離では攻撃が届かなさそうだ。俺には遠距離に対して攻撃方法がない。いや正確にはあるが、あまり人前で使いたいものでは無いが状況が状況だ。使うしかあるまい。


「喰らえブラドショット!」

 吸血鬼になってから変わったことは二つ、吸血鬼の特性とユニーク魔法の取得だ。身体能力が全体的に上がった。気に食わないが以前より強くなれた事は嬉しく思う。


 次にユニーク魔法だが、そもそもユニーク魔法とは種族によって使える魔法と個人だけが使える物の2種類がある。先程使った魔法は血魔法、これは吸血鬼だけが使える魔法で前者にあたる。自身の血を使う物で遠近距離共に使うことができる便利な魔法だが、血を使いすぎると貧血やめまいも起こすことがある。後者のものは誰でも持ってるわけではなく先天的に発現するため、持つ者は少ない。例えば俺の持つ記憶消去(メモルデリト)がそうだ。だが記憶消去(メモルデリト)は攻撃魔法では無いので血魔法に頼るしかないのだ。


「ライトアロー!」


 勇者が光魔法を放つ。勇者の名は伊達でなく、クラーケンが一瞬よろめいた。他の人も戦闘に集中してこちらを気にすることは無いので、バレない程度に戦闘に参加していく。

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