表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/31

吸血鬼

初めましての方は初めまして。それ以外の方はお久しぶりです。今回オリジナル小説を投稿しました。

読者の皆様が手軽に楽しめるように頑張りますのでよろしくお願いします。


 

 

  ー助けなければよかった-







 あの時からずっと後悔している。困ってる様子だったからと余計な事をしなければこんな事にならなかった。まさか助けた相手が吸血鬼だなんて誰が思う?俺の人生をめちゃくちゃにしたあいつの顔を思い出しただけで、殺意が湧いてくる。見つけたらすぐに殺してやる。しかし、どんなに探してもあいつは見つからない。


「くそっ、一体どこにいるんだ!あいつだけは絶対にゆるさねぇ!」


 俺は苛立ち、物に当たる。もう夜だ。あいつを見た時も今日みたいな満月の夜だった。体が疼く。あいつに咬まれてから夜は衝動に襲われそうになる。

「ああくそ、忌々しい夜だ。気が狂っておかしいなりそうだ。」


 満月の夜は妖怪は最も活発となる日。もちろんあいつも血を吸いたくて動くはずだ。だからこそ見つけ出して逆に血を吸い付くしてやる。しかし、あいつに咬まれて吸血鬼になったせいか、血を吸いたくてたまらない。


 あの吸血鬼に咬まれて時が経つほど、血に飢える様になった。必死に抑えてはいるのだが、正直しんどすぎる。止めるのに必死で探すのもままならない。


「ちょっと君。大丈夫?!」


「……ああ、大丈夫です。最近寝不足でして、ちょっとふらついただけなので。それじゃ」


「待ちなさい。そんな状態じゃ大変でしょう?うちに来て行きなさいな。」


 …………もうダメだ。我慢できない今すぐに血を吸いたい。


 ◆◇◆



「……足りない…なぁ」


 俺は今、家に居る。さっき助けてもらった人の家に。そして首を咬み、血を啜る。初めて血を飲んだが、いままで食べてきたものよりもずっと美味い。この人でこれなんだ。あいつの血はどれだけ美味いのだろうなぁ。きっとこんなものの比じゃないんだろうぁ。


「ああ、あいつの血が欲しい。必ず見つけだしてやる。そして血を啜り、喰らってやる」


「…………キヒッ」


 やばい。


「ヒヒヒ」


 自然と笑いが出てしまう。最高に気分がいい。必ずあいつ血を啜り、肉を喰らってやる。そうすればどうなるんだろうか?


「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」


 嗚呼、なんて気持ちのいい夜なんだろう。


「ヒヒ、ヒャハハ。ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


 こんな紅く狂った夜は、俺も狂うほかないなぁ。






感想・ブックマークをよろしければお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ