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爆縮と体温の機知(5)

朝の鶏

眠りの中

明るいのに暗い

森を歩く

日の光なのか

ライトの明かりか

分からない明るさと

見えない足元

足の裏に

道の感触だけはある

明日に向けて歩いている

知らない、分からない

だけれど

歩いている

訳も無く歩いている


窓から明かりが入って

薄暗いけれど

朝を感じて

雨が降っていることを知って

何処か

間延びした安心を得る

埃臭さの残る部屋は

ただ暗いだけじゃない

とりあえず

掛け布団を抱き締めてから

顔を洗いに行く

素直に酷い顔には

目を瞑ってあげればいい


海辺を歩いている

また、夢の中と知る

訪れたことがあるような

全く知らない海岸線

必要以上に鳴る波際は

いつかのパラソルを目印にして

色を忘れたパラソルは

目を一度とじれば

色が着いていた

曖昧な記憶にある

曖昧な仕草を見て

ふわりと身体が浮くような

それでいて

膝が笑うような

懐かしい衝撃は

少しずつ顔が変わって

誰か分からなくなった


窓から朝が入って

いつの間にか

お茶をしている

枕が明後日の方向に

逃げ出して

悪いことをしたような気分

灰皿が目に入ったから

寝起きの頭で

煙草をくわえる

バランスが悪いから

毎日が違う朝だ

起きてくる頭の中で

要らない物を

箱に入れていく

欲しかった形は

欲しかったように

しなくちゃいけなかった

それだけが残る

いつも以上に

大きな形で


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