9・ハリスツイード問題
『ハリスツイード問題』と言いましても
ハリスツイードさんに 何か問題があるわけではありません。
まず『ツイード』ってなんだって事ですが
生地の解説書とかショップ店頭とかアパレルメーカーの現場などによって
多少ニュアンスが違います。
F級冒険者の皆様には厳密な定義など興味も無いと思いますので
ざっくり説明しますと
コートにも使ってもいいかな?ってくらいの厚さのウール地で
織り糸が見える(毛羽立たせてフェルトのようになっていない)生地
こんなとこでしょうか?
チェックの柄が最も多く他にも多様な柄があります。
ハリスツイードというのは
スコットランド辺りのひとつの生地のブランドです。
大島紬みたいなもんです(暴論)
特徴としては
カシミアなんかのしっとり高級な感じではなく
少しカサついたくらいのザックリめの
カントリーな雰囲気がほとんどです。
このブランドの生地を使った製品に
ハリスツイードの織りネームをつけることが許されるという訳なんです。
ハリスツイードに限らず
こういったブランド生地というものが存在しておりまして
そのブランド生地を購入しますと
ブランドの織りネームを使用させてもらえるコトになります。
以前、お話しましたジャケットの袖口とか内ポケットの上あたりに
服を作った会社のブランドネームに並べて
この生地のブランドネームがついています。
『それどこのジャケットなの?』とか聞かれることもあるかと思いますが
自分のジャケットの内側の織りネームを見て
『え〜と、ハリスツイードの』とかと答えないでください。
それは生地を作った方です。
取扱商社や生地商によって違いがあるかもしれませんが
こういうブランド生地を買うと(だいたい一反150センチ巾で50メートル巻くらい)
有償でアパレルメーカーがその生地ブランドの織りネームを購入します。
縫製工場に支給して自社の織りネームと一緒に
生地ブランドのネームもつけてもらうのです。
そんなブランド生地の中で言うと
このハリスツイードってそれほど高級な部類ではなく
比較的リーズナブルな方なんじゃないかなと感じます。
ですけど、このジャンル
(コートに出来るくらいの厚さのカントリーテイストのウールチェック生地)では
最強なんじゃないでしょうか?
国内でもこういったウール生地が得意の産地もあるのですが
バリエーション、価格、雰囲気のバランス
とくにこういう感じが好みの客層受けなど考慮すると
ハリスツイードから探した方が手っ取り早い気がします(個人の感想です)
そんなこともあって服以外にも
バッグ、手袋、ステーショナリー、帽子 等々
様々なアイテムに使われ その織りネームもそれらアイテムに
誇らしげに表側につけられる事になっています。
服の場合と違いこういうバッグ等につけられる織りネームは
表側の目立つ位置に丁寧に周囲をミシンでしっかりと縫い付けてあります。
これは明らかに外される事を想定していません。
もしF級冒険者の皆様の装備品で既にお持ちのようでしたら
そのままつけておくのが作った会社の意図のハズなんです。
ハズなんですが……(恥ずなんです)
なんかコレってどうもビンボ臭いっていうか……
現在日本では
このハリスツイードの希少性ってのもほぼありませんし……
確かに良い雰囲気の生地なんで
商品としては魅力的に仕上がっている物が多いです。
ですが織りネームを表にドーンはいかがなものかと思うんですけど……
これが私の言う個人的な『ハリスツイード問題』です。
※実際では製品の半分以上にハリスツイードを使用していない製品にも
ハリスツイードのネームがつけられている…等々のガイドライン違反の問題があります。
このエッセイは、『マニアックに服を好きな人(A級冒険者様)』向けではなく 『面倒くさいが多少は 気にしない訳にもいかない(F級冒険者様』といった人向けにザックリと この程度で知っとけば問題無いというレベルの初級冒険者講座です。たとえ薬草採取でも常に危険と隣合わせです‼︎