表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

呪い、祝い、呪い

作者: 小豆
掲載日:2018/07/18

この世には、呪いのような恋がある。

彼ら彼女らは運命だと言うけれど、ゆっくりと優しく育んでいたこの気持ちが、家族愛のようなものから恋や愛に変わろうとしていたこの気持ちが、一瞬で潰されてしまうような運命の恋は、祝われて、祝福されて、受け入れられるものと、決まっているのだろうか。


貴方は幼い頃から、完璧な婚約者だった。優しく、誠実な婚約者だった。家同士の政略的な婚約でも、私は貴方が好きだった。


貴方が優しい私を好きだと言うから、優しくあろうと努力した。

貴方が真の通った私を好きだと言うから、曲げぬよう、正しくあろうと努力した。

貴方の隣に立てるように、勉学も頑張った。優秀な貴方に私との会話が有意義だったと言われるのが嬉しくて、祖父に女には必要ないと言われた政治学も、経済学も学んだ。

美しい貴方に相応しくあろうと、容姿に気を配って、爪の先、髪の毛の先まで気を使った。


ゆっくり育んでいた愛だった。妹に向けるような、愛だった。いつか変わると、変わっていけると、変えて見せると、思ってた。


彼女が現れて、変わった。貴方は私を見なくなった。彼女しか見なくなった。優しく暖めて、もう少しで変わっていけそうだった愛は、ぺしゃんこに潰れた。学園を卒業する、1年前だった。卒業したら、式を挙げる予定だった。

彼女は少し我が儘で、気紛れで、ドレスや宝石が好きな、かわいらしい女の子だった。私とは全然違った。


私は彼女を憎まなかった。憎みたくなかった。貴方が好きだと言った、優しく、正しい私でありたかった。だから彼女にも優しく接したし、いじめからも助けた。


でもだからって、悲しくない訳じゃないの。羨んでない訳じゃないの。好きじゃなかった訳じゃないの。

だから、だからね?この結婚式の祝福は、私がしなくちゃ、ダメなんですか?


「病めるときも、健やかなるときも、共に支え会うことを誓った二人に(ねぇ、お願いだから)心からの(幸せになんて)祝福を。(ならないで)。」

ずっと近くで見ていた、お嬢様の騎士SIDE


◆◇◆◇


お転婆だったお嬢様。婚約者殿の為に優しく、正しくあろうとしたお嬢様。少しの間違いで自分を責めたお嬢様。世間では月のようだと言われたお嬢様。本当は太陽のように明るく夢見がちなお嬢様。俺がきっと守るから、だからどうか、また笑顔を見せてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ