表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強のエンターテイメント  作者: sky-high
新団体設立
44/51

何故、オレには知らせなかったんだ!

TMNの旗揚げ戦は大成功に終わった。


だが試合後、グーリットは


「あのスタイルは危険すぎる。いくらセーフガードを着用してるからとはいえ、頭突きに投げ技、関節技なんてスタンディングでの試合ではありえない。

今日は私の打撃のキャリアが勝ったが、もう二度とこんな試合はしたくない。

特に頭突きはナンセンスだ!

あのルールを改訂するべきだ」


もうTMNのリングに上がる事は無いだろうという示唆のコメントをした。


早くも旗揚げ戦で一人が今後の参戦を拒否した。


これに対し、名誉会長のカイザー大和は、グーリットの発言を受け、

「そんなにあのルールがイヤなら格闘技なんか辞めちまえ!

あれがダメ、これがダメなんて格闘家の言う言葉じゃない。

そんなヤツはアマチュアの大会にでも出てろ」

というコメントで返し、グーリットは事実上旗揚げ戦でTMNのリングに決別した。


早くも暗雲が立ち込める。


一体社長の佐藤さんや、専務の山田さんはあの会長のワンマンなやり方に何一つ言えないのか?


名誉会長などと奉り上げ、プロレス界に復帰したが、オレとしては、あのカイザー大和がTMNにいない方が一番の得策だと思える。


年が明け、半月程経過した頃、道場にプロレス記者が取材に訪れた。


オレはグーリットとの試合で胸骨にヒビが入った為、下半身を鍛えるトレーニングしか出来ない。


次の試合は月末の関西での会場で行う予定だ。


対戦相手はアメリカのプロレスラーで、総合にも参戦した経験のある、ウィラー・マクダエルという、かつては全米のメジャー団体AAWに所属し、チャンピオンにもなった程の人気レスラーで、アメリカンスタイルのレスリングだが、日本のハードヒットなスタイルにも対応できる万能な選手だ。


AAWを離脱後、全米の総合格闘技【ゲージファイト】という、TMNが模倣しているオクタゴンの金網の中で闘い、ヘビー級のチャンピオンと互角に渡り合い、僅差の判定で敗れたが、アメリカンレスラーが総合でも通用する事を知らしめた人物だ。


ただ肝心のファイトスタイルは何で行うのかまだオレには知らされていない。


総合スタイルか、立ち技スタイルか、それとも今度こそキャッチレスリングなのか…


オレはトレーニングを終え、汗だくになった身体をシャワーで洗い流し、記者の取材に応えた。


その時、記者から聞かされた【ある事】を知り、オレは愕然とした。


「実は試合後にグーリットの控え室でコメントを求めようとしたのですが、グーリットは他の記者にコメントを出していたので、私はグーリットのセコンドの一人に取材したのですが…


そのセコンドが言うには

《ジングウジのスープレックスはとても危険だと言う事を聞かされた。TMNと契約を結んですぐにジングウジとのスタンディングバウトを行うと知らされ、オレたちはグーリットにスープレックス対策をするよう、何度もジュードーやレスリングの選手達に投げられ、どうやったらスープレックスを封じ込めるか色々と考え、キックボクサーのグーリットが投げられるなんて経験は無いから、受け身を取る練習から始めて、随分と時間がかかったが、試合でそれを活かされて良かったよ》

って事をコメントしたんだけど、確か対戦カードが変更したのは旗揚げ戦の一週間前ですよね?


それっておかしくないですか?

だってグーリットサイドは早い段階から神宮寺さんのスープレックスを封じ込める練習をしてきたって事じゃないですか?


グーリットサイドは最初から神宮寺さんと闘うって事を知ってた…

知らなかったのは神宮寺さんだけって事に…」



どういう事だ?じゃ、グーリットは初めからオレと立ち技ルールで闘うと決まっていた事になる。


「…それは本当ですか?」


オレは怒りを押し殺しながら記者に確認した。


「えぇ、はっきりとセコンドがそうコメントしました。

神宮寺さんは僅か一週間という短い期間で立ち技の練習を余儀なくされた。

だがグーリットは最初から神宮寺さんと闘う事が分かってるからその対策に時間を費やしたって事になりますよね。

これって変ですよ!

カイザー大和さんや、社長の佐藤さん達はこの事を知りながら神宮寺さんには、急遽対戦カードを変更されたって伝えた訳ですから」


あの、カイザー大和はプロレス界の救世主なんかじゃねぇ!


ただの老害だ!


腸が煮えくり返った。


記者が帰った後、オレは名誉会長に直接確認したい事があって話の場を設けさせてくれないか、とフロントに話した。


佐藤さんや山田さんはこの事を知っていたのか?


仮に知っていても、カイザー大和には何一つ言えない立場だ。


オレはどうしてもカイザー大和と一対一で話し合いがしたい!


何故、急に対戦カードを変えたのか?

何故、グーリットサイドだけには最初からオレと立ち技ルールで闘う事を知らせたのか?


それから数日後、新事務所の会長室でオレとカイザー大和との話し合いが行われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ