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温く優しい世界で  作者: シクラメン
序章 少女、拾いました
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1-7 一夜明けて(男性視点)

 夜に一度目を覚ました以外はおとなしく眠っていてくれたらしい。

 おかげで何度か額の布を取り換える程度で済んだので、寝不足ということはない。座って寝たため体の節々に痺れの様な感覚はあるが、問題ない範疇だ。

 少女は一晩でだいぶよくなったのか、顔色がよくなっていた。

 寝汗がひどいので少女が目を覚ます前にお湯とタオルを用意しよう。

 それらを用意しながら朝食を考える。手間を考えて昨日の中華粥の残りに葱を刻んで放り込むことにした。

 白と黄色と緑が並ぶと見た目にもおいしそうに見える。昨日はいろいろと立て込んでいたため彩まで気にする余裕がなかったのだ、気が利かないとか言ってはいけない。

 桶と朝ごはんの支度をして戻ると少女は目を覚ましていた。

 汗が凄かったが、脱水症状はみられない。

 昨日の残りで悪いが水差しから蜂蜜入り生姜湯を飲ませ、タオルを手渡し汗を拭くように言った。

 着替えは昨日と同じような服を選んで持ってきたので問題ないだろう。

 昨日は緊急事態だったので風呂に放り込んだが、女性が体を拭う姿を男性に晒すのは恥ずかしいだろうと思い、「終わったら呼んでくれ」とリビングに戻る。

 昨日の食べっぷりを見るに中華粥だけでは足りないかもしれないと思い、何か作ることにした。

 あれだけ食べて大丈夫だったのだ、多少量が多くても問題ないだろう。

 ポタージュなどが少量で栄養が取れていいのだが時間がかかる・・・、肉はまだ内臓が本調子ではないため辛いだろう。ビタミンが多く取れるように野菜を多 く入れたコンソメスープでも作り、カロリーに関しては冷凍庫にあったアイスで代用しよう、喉が腫れていたようだしあまり大きな固形物は避けて一口大より少 し小さめに刻むことにした。


 食事の用意をしていると少女が桶とタオルを持ってやってきた。

 どうやら拭い終わったらしい、桶を風呂場に戻しておくように伝えてテーブルに朝食を並べていく。

 昨日の様子を思い返して少女の首にタオルをかけておいたが、少しずつ噛みしめるように口に運ぶ様を見るに、必要なかったようだ。

 ただ、アイスを口に運んだ時は驚いたような顔をした後、こちらの顔を見て、アイスを見て、またこちらの顔を見てきたので思わず笑ってしまう。

 昨日よりゆっくりとした食事のあと、念のために薬を飲ませて、熱を測ると36.5度と平熱並に戻っていた、ひとまずは安心である。

 喉の腫れもだいぶ引いているようで、薬慣れしていないこちらの世界の人間に抗生物質はよく効いたようだ。

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